ADDとは?特性やADHD(注意欠如多動症)との違い、治療法、相談先を紹介
ADDはかつて使用されていた発達障害の診断名のひとつです。現在ではADHD(注意欠如多動症)と診断名が変わっています。ADHD(注意欠如多動症)には3つのタイプがあり、ADDはその中でも「不注意優勢型ADHD(注意欠如多動症)」に近いとされています。この記事では、ADDの概要やADDからADHD(注意欠如多動症)への診断名の変遷、現在の診断基準、不注意・衝動性による困りごとへの対処法をご紹介します。
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ADDとADHD(注意欠如多動症)の違い
ADDとは?その意味を解説
ADDという診断名は以前使用されていたもので、現在はADHD(注意欠如多動症)に変わっています。
ADDとADHDの違いとして「多動性」が挙げられます。多動性とは英語で「Hyperactivity(ハイパーアクティビティ)」といい、じっとしていることが苦手で、すぐに動きたくなる特性のことです。
ADDは注意の持続と衝動性の制御が困難という特徴があるため、現在の『DSM-5-TR(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版改訂版)』では、ADHD(注意欠如多動症)の「不注意優勢型」に相当します。
今回の記事では、ADDがADHD(注意欠如多動症)に変わった経緯と共に、ADD的な特性のある子どもの困りごとや対処法に着目して解説します。
【専門家監修】ADHD(注意欠如多動症)の3つのタイプとは?「不注意」「多動・衝動性」「混合」それぞれの特徴を解説
ADDからADHD(注意欠如多動症)への診断名の変遷
しかし、その後もWHO(世界保健機関)が作成している国際的な疾病の分類である『ICD』にADDの診断名が残っていたこともあり、「ADD」という言葉はしばらくの間使われていました。そういったこともあり、ADDからADHD(注意欠如多動症)に診断名が変わったあとも、時間をかけて世間にも浸透していったのです。
不注意優勢型ADHD(注意欠如多動症)(旧ADD)の特徴とは
不注意優勢型ADHD(注意欠如多動症)の主な特性は不注意と衝動性です。この特性と周りの環境がうまくかみ合わないことで、日常生活や園・学校でさまざまな困りごとが生じてきます。
不注意
不注意による困りごとは以下のようなものがあります。
・よく物を失くす、忘れものが多い
・片付け、整理整頓ができない
・周囲の情報に気が散って授業などに集中できない
・人の話を最後まで聞くのが難しい
・細かいところまで注意が向かない など
こういった特徴から、学習の遅れや集団生活への適応の困難さが見られる場合があります。
衝動性
衝動性による困りごとは以下のようなものがあります。
・思いついたことをすぐ実行してしまう
・相手の話をさえぎって話すことがある
・順番を待つことが苦手
・優先順位が付けることが苦手
・すぐにかっとなってしまう など
また、喜怒哀楽が激しく、出来事が自分の思い通りにいかないと癇癪(かんしゃく)を起こしてしまうこともあります。このような感情的な行動から、人間関係においてトラブルが多くなってしまう子どももいます。
二次障害
本人にとってつらい状況が続くことで、不登校や、引きこもりなどの行動に表れたり、うつ病など精神的な症状が表れることがあり、その状態は二次障害と呼ばれています。
二次障害を防ぐためにも、子どもが困っていることに気づいたら早めに専門機関での相談や受診をしましょう。
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不注意優勢型ADHD(注意欠如多動症)(旧ADD)による困りごとへの対処法
不注意への対処法
・必要なものは親や先生が一緒に確認する
・席の位置など気になる刺激が少ない環境にする
・指示を細かく分類して、一つの行動が短時間で終わるようにする
・全体への指示の後に個別に指示を伝えるようにする
・紙メモやスマートフォンのTo Doアプリなどを活用する
・メモなど持ち物を入れる場所を固定化する(ランドセルの特定のポケットなど) など
こういった工夫やツールなどは子どもによって合う合わないがあります。いろいろと試してみるとよいでしょう。
衝動性への対処法
・やるべきことを思い出し気付けるような言葉かけをする
・ルールを設定したうえで、ある程度自由な行動を許す
・ルールを伝えるときにはイラストなど視覚的に分かりやすくする
・水を飲む、一人になるなど自分なりのクールダウンの方法を見つける
・休み時間は充分に体を動かすように促す など
適切な対処をすることで、徐々に困りごとを減らすことができ、本人も周囲も安心した生活を送れるようになるでしょう。
不注意優勢型ADHD(注意欠如多動症)(旧ADD)の4つの治療法
現在ではADHD(注意欠如多動症)を根本的に治療する方法はありません。しかし、環境調整、対人関係などのトレーニング、ペアレントトレーニング、薬物療法などを行うことで困りごとを減らしていくことは可能です。
環境調整
環境調整にはツールを使った方法もあり、忘れものが多い子どもには「To Doアプリに必要な持ち物を入力しておき、家を出る前に通知が来るように設定しておく」などがあります。
席を変えるなど学校などで環境調整を行いたい場合は、担任の先生やスクールソーシャルワーカーなどに相談してみるとよいでしょう。
ソーシャルスキルトレーニング(SST)
SSTは医療機関や児童発達支援事業所、放課後等デイサービス、学校などさまざまな場所で受けることが可能です。詳しいことは各実施場所にご確認ください。
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ペアレントトレーニング
ペアレントトレーニングは児童発達支援事業所、発達障害者支援センター、教育センターなどの行政機関や医療機関で受けることができます。こちらも詳しくは各実施場所に相談してみるといいでしょう。
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薬物療法
ただ、子どもの年齢によっては使用ができない場合があることや、副作用も報告されています。処方前、処方後に関わらず気になることがある場合は、医師と十分なコミュニケーションを取った上で判断していくことが大事です。
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子どもに不注意や衝動性が見られる場合の相談先
・保健所/保健センター
・児童相談所
・児童家庭支援センター
・児童発達支援センター
・発達障害者支援センター など
こういった場所では直接出向いて相談できる以外にも、電話などで相談を受け付けている場合もあります。各機関のサイトも確認して、相談しやすい場所に問い合わせてみるとよいでしょう。
ほかにも、自治体に子育てに関する相談窓口が設置されていることがあります。自治体のサイトに掲載されているので、チェックしてみるとよいでしょう。
まとめ
ただ、診断名に関わらず困りごとは人それぞれ異なっています。診断名にこだわりすぎず、子どもが何に困っているのかを把握することが、適切な対応を行う上でも大切です。そのためにも家庭だけで抱え込まずに、専門家の力も借りながら進めていくとよいでしょう。
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