不注意優勢型ADHD(注意欠如多動症)(旧ADD)の4つの治療法

ここではADHD(注意欠如多動症)と診断を受けた際に行われる対応や治療について紹介します。

現在ではADHD(注意欠如多動症)を根本的に治療する方法はありません。しかし、環境調整、対人関係などのトレーニング、ペアレントトレーニング、薬物療法などを行うことで困りごとを減らしていくことは可能です。

環境調整

環境調整とは、困りごとが起きないように子どもの特性に合わせて周囲の環境を調整することです。例えば、周りの情報に注意が逸れやすい子どもには、「部屋を勉強するところと遊ぶところに仕切る」「机の上におもちゃを置かない」「学校の席を一番前にしてもらう」などの環境調整があります。

環境調整にはツールを使った方法もあり、忘れものが多い子どもには「To Doアプリに必要な持ち物を入力しておき、家を出る前に通知が来るように設定しておく」などがあります。

席を変えるなど学校などで環境調整を行いたい場合は、担任の先生やスクールソーシャルワーカーなどに相談してみるとよいでしょう。

ソーシャルスキルトレーニング(SST)

SSTとはソーシャルスキルトレーニング(Social Skills Training)の略で、人間が社会で生きていくために必要なスキルを習得するトレーニングのことです。ロールプレイなどの手段を用いて、対人関係や自己コントロール方法などを学んでいきます。

SSTは医療機関や児童発達支援事業所、放課後等デイサービス、学校などさまざまな場所で受けることが可能です。詳しいことは各実施場所にご確認ください。
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ペアレントトレーニング

ペアレントトレーニングとは、保護者を対象として子どもへの関わり方を学ぶプログラムです。具体的には、子どもの特性や性格などを踏まえた上手な褒め方、間違ったことをしたときの注意の仕方などを学びます。

ペアレントトレーニングは児童発達支援事業所、発達障害者支援センター、教育センターなどの行政機関や医療機関で受けることができます。こちらも詳しくは各実施場所に相談してみるといいでしょう。
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薬物療法

ADHD(注意欠如多動症)の治療では薬を使うこともあります。現在の日本で認可されているのはアトモキセチンとメチルフェニデート、グアンファシン(小児のみに適応)などがあります。どちらも医師から処方される薬なので、検討している方は医師に相談してみるとよいでしょう。
ただ、子どもの年齢によっては使用ができない場合があることや、副作用も報告されています。処方前、処方後に関わらず気になることがある場合は、医師と十分なコミュニケーションを取った上で判断していくことが大事です。
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子どもに不注意や衝動性が見られる場合の相談先

子どもに不注意や衝動性があり、日常生活や園・学校などで困りごとがある場合は、以下の場所に相談してみるとよいでしょう。

・保健所/保健センター
・児童相談所
・児童家庭支援センター
・児童発達支援センター
・発達障害者支援センター など

こういった場所では直接出向いて相談できる以外にも、電話などで相談を受け付けている場合もあります。各機関のサイトも確認して、相談しやすい場所に問い合わせてみるとよいでしょう。

ほかにも、自治体に子育てに関する相談窓口が設置されていることがあります。自治体のサイトに掲載されているので、チェックしてみるとよいでしょう。

まとめ

ADDとは、不注意と衝動性が強いためにさまざまな困りごとが生じる発達障害のことです。ADDは過去に用いられていた診断名で、現在ではADHD(注意欠如多動症)と診断名が変わっています。

ただ、診断名に関わらず困りごとは人それぞれ異なっています。診断名にこだわりすぎず、子どもが何に困っているのかを把握することが、適切な対応を行う上でも大切です。そのためにも家庭だけで抱え込まずに、専門家の力も借りながら進めていくとよいでしょう。
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