約40%が二次障害を発症している

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約40%が二次障害を発症している
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発達障害特性を原因とした二次障害を発症している割合は約40%でした。

二次障害で多くあげられたのが「不登校」(121件)です。続いて「不安障害」(57件)、「うつ」(50件)、「自傷」(15件)という回答でした。不登校とうつ、不登校と自傷など、複数の二次障害があるお子さんも多いようです。

他に「反抗挑戦性障害」「ゲーム依存」「睡眠障害」「緘黙」などを発症した例もありました。また、特性である聴覚過敏などがひどくなった、ストレスでじんましんになった、クラスで孤立したという声も寄せられました。
22歳でアスペルガーと診断。二次障害で苦しむ娘を想い考えること
https://h-navi.jp/column/article/35025538

90%以上の子どもが、不安や困難を感じている

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90%以上が不安や困難を感じている
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保護者から見て、日常生活に不安や困難を感じていると感じられたお子さんは、回答したご家庭90%以上に上りました。では、どのような場面で困難を感じているのでしょうか?
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園や学校生活が一番多く、友人関係、学習面、身辺自立・身だしなみが続く
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保護者からみて、園・学校生活(76%)で不安や困難があると感じられることが一番多く、友人関係(72%)、学習面(53%)と続きます。具体的にどのような不安・困難を感じているのでしょうか?次に、具体的な回答内容を紹介していきます。

女の子の発達障害、保護者から見た不安や困難の具体的な内容とは?

園・学校生活での不安・困難

園・学校生活では、下記のような困難やトラブルがあるようです。

■一斉指示に従えない
■切り替えがうまくできない
■トラブルがあっても大人に伝えられない
■忘れ物が多い


エピソードとしては、次のような例があげられています。

「一斉指示が入りにくい」
「高学年になると、先生も説明が簡単になり、理解出来ず泣いて固まる」
「耳からの情報を捉えにくいため、先生からの指示を聞き逃して注意を受ける」

など、一斉指示や口頭指示などが理解できない・気づかず、集団生活にうまくなじめない例。

「給食、遊び、散歩など決まったスケジュールに沿った切り替えができない」
という例。

「何があったのか 誰が何を言ったのかを 明確に教えれないので発覚が遅れる」
など、トラブルがあっても大人へうまく伝えることができない例。

「ハンカチ、ティッシュの予備は登園するリュックの中にある事を知っているのに、(必要になった時に)どうしていいかわからず、スモックで拭いたり友達や先生に借りたりしている」
など、忘れっぽいことや、場面に応じた対応が不得手なために困惑してしまう例。

上記のような困難やトラブルから叱られることが増え、自己肯定感が下がってしまうお子さんもいるようです。中には、不登校や場面緘黙など二次障害を発症する場合もありました。

「学校で声が出せない。後ろから誰か来ると動けなくなるためスイミングでも急に沈む。運動会で動けなくなる」

「私立中学に通学していたが、コミュニケーションの取り方がうまくいかなかったり、誤解をされたりしたことで孤立ぎみになったため学校をやめて、本人が興味を示していた海外に留学させている。しかし現在、言葉の壁にぶち当たっている真っ只中で、閉鎖気味になってきた」

不登校などの二次障害を発症する前に、対人関係や集団生活のフォローが必要になると考えられます。

友人関係での不安・困難

友人関係では、女の子特有の交友関係でのトラブルについての回答が目立ちました。微妙なニュアンスが分からないためにガールズトークについていけず、ストレスを感じてパニックを起こしたり登校渋りにつながってしまうという声も。

「ガールズトークについてけない、何となく浮いてるなど気になる部分がある。学校で頑張るせいか、家庭では未だにパニック起こしたり不注意が多い」
「思春期では友人関係に苦しんでいました。女の子特有の集団発想など、気持ちがわからないためにしばしばトラブルに」

いじめを受けてしまう場合もあるようです。

「今まで話かけてくれていた子から、まったく話かけてもらえなかったり、声をかけるとみんな黙ってしまい、自分でどうしたらいいのか分からない為に辛い」
「集団登校で、死んだらええのに、と言われたり、持ち物を捨てられる」

反対に、中学校までは孤立していたものの、自分に合う学校を見つけられたことで転機となったお子さんもいました。

「女の子が作りがちな派閥が嫌いで、中学までは孤立していた。通信制高校に入り、生徒会的な仕事をきちんとしていたら、派閥に入らなくても認められるようになってきた」

学習面での不安・困難

苦手教科がある、理解に時間がかかるという悩みを持つお子さんがいるようです。

「算数が苦手」
「文を読むのが苦手、+−=などの意味が全くわからなかった」
「みんなと同じ宿題がこなせない」


書字障害や注意欠如などが原因で、学習で必要な準備ができない場合もありました。

「連絡帳が書けない」
「忘れ物、連絡事項が記憶できない」


感覚過敏が原因で、授業に集中できないお子さんもいました。

「聴覚過敏があるため、授業中に隣のクラスの声も聞こえていたらしい」

一方、「行けそうな時間割のところだけ行く。 教室には入れない。授業を受けていないので勉強が分からない」というように、不登校になったことで学習面で遅れてしまうケースもありました。

身辺自立・身だしなみでの不安・困難

感覚過敏やこだわりによって、身だしなみに関わるトラブルが起こることもあるようです。

「感覚過敏から特定の服ばかり着たがる」
「服の色にこだわりがあり体操服が着られない」


また、身だしなみをきちんとしていなくてはいけないという意識が低いお子さんも多いようです。

「髪の毛がいつもボサボサ」
「変な格好も平気で外に出る。上下がちぐはぐだったり、季節感がおかしかったり、年齢的に幼かったりする」
「寒暖に合わせて服が選べない・ボタンの掛け違いや前後逆でも気づかず出かけてしまう」


また、中にはこだわりすぎてしまうようになった例も。

「中1までは、無頓着で、髪の毛ボサボサ・服もダサい。 中2からは、気にしすぎて、美容品や服にお金が掛かる」

衛生面で問題が出てしまう場合もあるようです。

「洗髪しなくても気にならない」
「時間に間に合わないので、毎日風呂やシャワーを浴びれない日がある。心身が落ちているときは何日も風呂に入らず不衛生」


身体面で大きな影響が出ている場合があるようです。

「本人が、体が疲労してても気がつかず、逆にテンションオーバーしてしまい、睡眠障害が出たり、こだわりが強いため、成長がどうしてもそこで止まってしまう」
「起立性調整障害のため朝起き上がれず、眩暈・吐き気をもよおして登校・外出できない。PMS・生理痛がひどく月の半分は体調が悪い」

親子関係での不安・困難

親子関係では、家庭内での暴言・暴力、嘘などについて悩んでいる保護者も多くいました。

「母親への異常な反発」
「かんしゃくから家庭内暴力になること」
「自分の感情を抑える事ができない。パニックを起こす」
「嘘をつく、兄弟をいじめる、お金を盗む」


家庭内のトラブルから「普段の生活そのものを家族と共有することが大変」と感じてしまう保護者も多いようです。

社会的な活動ができない状態について、どのように対応してよいか分からず困惑している様子もうかがえました。

「人との距離感が近い。感覚過敏や体調不良、気が乗るときと全く動けないときの差が大きい」
「友達が一人もいない、自己肯定、自尊心が低く、不安が強い。社会に出られない。働く勇気がない。何事も人のせいにする。いつもイライラしてる」


その他、睡眠に関する困難について、多くの声が寄せられました。

「ストレスから夢遊病、夜驚症」
「不眠症、イライラ」
「就寝前に家中の戸締りを確認しないと眠れない。死んだらどうしよう、といういう気持ちに襲われ不安で眠れない」


睡眠のトラブルについても、本人はもちろん、一緒に暮らす家族への影響が大きく、悩む保護者が多いようです。
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