90%以上が学校や職場でトラブルや困難を経験

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90%以上が、学校や職場などでトラブルや困難を経験している
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多くの当事者が、学校や職場でのトラブルや困難に直面しており、特に仕事でのトラブルや職場での人間関係に悩んでいる様子がうかがえました。

■仕事でのトラブル(35件)
■人間関係(35件)
■学習の遅れ(15件)


仕事でのトラブルについては、スムーズにこなせなかったり、ミスをしてしまうという例が多くあげられました。
「上司の指示が理解できない、仕事のミスが多い、人の気持ちが分からない、時間や締め切りを守れない、仕事中に眠くなってしまう」
「やらなければならないことを優先度合いで順番をつけ実行するのが苦手なため、いつも手一杯で結果も中途半端」
「電話対応の仕事をした時に、電話しながらメモができなくて、電話を切ったあとに、内容を忘れる相手の名前や会社の名前を忘れる」
「マニュアルがないと戸惑う。マニュアルから逸脱するのに抵抗がある」
「仕事では、不注意のため介護現場で利用者さんに怪我をさせてしまった」


また職場での人間関係についても、世間話ができなかったり、飲み会への参加が苦痛で断るうちに、同僚との関係がぎくしゃくしてしまうようです。
「休憩時間の世間話が上手くいかない」
「飲み会が苦痛」「飲み会への不参加が続く。何度も誘われるが仕事するだけでいっぱいいっぱいでヘトヘトなので何度も断り嫌われる」


ただ、中には「以前は多くあったが、現在の職場にはカミングアウトして、できないところのサポートと配慮をしてもらいやすくなった」という風に、発達障害について周囲に伝えることで、必要な配慮をしてもらえるようになったという回答もありました。

第二次性徴時の体の変化についての困難やトラブルの内容に、特徴がある

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約半数には困難やトラブルはなく、約25%は経験している
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第二次性徴時の体の変化については、約半数は困難やトラブルを経験しなかったという回答でしたが、約25%からは、次のような困難やトラブルについての声があがりました。

■体の変化が受け入れられない(13件)
■PMSなど生理に関連する体調不良(12件)
■自分の性別への違和感(9件)


まず、急激な体の変化についていかず、対応ができなかったという意見が目立ちました。
「自分に何が起こったのか理解できなかった。受け入れがたかった」
「急激な身体の変化による不安や不眠」
「ブラジャーをつけることが物凄く気持ち悪く、つけずにいたら母に酷く叱られた。月経にもなかなか対応できず下着を汚してばかりいた」


生理に関する困難も多くあげられました。ホルモンバランスの変化によるイライラのほか、一定しない生理周期にパニックになる、ゆううつになるなどの例も。
「10才くらいで初潮がありPMSが現在もきついです。思春期はいつもイライラしてて家の中で荒れていました」
「生理が来なくなったり、早まったりと予測ができず初めはパニックになることが多かった」
「生理前のゆううつ感、自殺願望、生理が来るたびになんで妊娠しないのにと思った」


それまで意識していなかった性差に直面し、自分の性を受け入れられない、理解が難しかったという人もいました。
「自分の性別を受け入れられない」
「女の体になるのが気持ち悪かった。今も、胸を潰して腰を狭くできるならそうしたい」
「性別の概念がよく分からないので、勝手に分けられる体になることに抵抗があった」


困難やトラブルがあった25%については、体の急激な変化に加え、大人の女性として見られていくことに対して、うまく対応ができず混乱してしまったことがうかがえました。

約62%が学習面での困難を経験している

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62%が学習面で困難を経験している
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学習面での困難としては、下記のような内容が多く寄せられました。

■得意不得意の差が大きい(33件)
■集中できない(17件)
■読み書き困難(12件)
■宿題忘れ(8件)


得意不得意の差が大きいという人の中でも、算数・数学ができないという回答が20件ありました。
「数学が全然分からなかった」
「今思えば数学が極端にできない。答えが1つである性質には魅力を感じるのだが、できない」
「算数の繰り上がりの足し算から分からなくなった。(中略)コンパスなどをうまく使えず、図形の問題に時間がかかった」


また、国語や英語について苦手感があるという声も数件ありました。
「漢字は読めるのに、書くことができない。英語のスペルが全く覚えられない」
「漢字が覚えられない。忘れるのが早い」
「文法が苦手なため国語や英語も苦手で覚えられなかった」


逆に、「小数点や分数の計算は未だにできない。(中略)文を書く事は好きだったため、国語表現の成績だけはよかった」など、得意な科目についてはよくできたという声もありました。

集中力のなさからの困難としては、下記のような例があげられました。
「集中力が続かない、文章は読めても理解できない」
「集中して聞き続けられない、書字が遅く、また聞いていることを要約しながら書けないため板書が困難」
「過度集中の特性を持ちつつも、通常時に机に向かって一つのことに集中していられない」


また、過集中の特性を生かせるときと生かせないときがあるという人もいました。
「過集中の時はテストの成績も良いが、そうじゃないと全く勉強できない」
「始める前に色々と考えてしまうと、思考で頭がいっぱいになってしまい、何もできなくなる。ただし、一度始めれば一般的以上の集中力や成果を発揮」


読み書き困難については、次のような回答がありました。
「文章題の意味が取れない」
「成人してからも逆さ字をかいてしまう。読めるけどかけない」
「指示代名詞の理解が難しい。『ちゃ、ちゅ』など小さな文字の読み書きができない」


また、板書がなくなったことで理解が難しくなったという場合もあるようです。
「先生の言葉だけでは理解できないので、高校大学で黒板などをほとんど使わなくなってくるとついていけなくなった」

教科によって得意不得意の凸凹が大きかったり、不器用さや集中できないことなどから勉強に支障が出てしまう場合が多くあるようです。
次ページ「約半数が、ファッションや身だしなみでのトラブルや困難を経験」

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