新学期はストレスに注意⁉子どもが出すイライラサイン・症状って? 親子のストレス発散方法もご紹介!

ライター:発達ナビ編集部
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新学期が始まりもうすぐ1ヶ月。環境や関わる人が大きく変わることの多い新学期は、気づかないうちに疲労やストレスがたまりがち。子どものなかには変化に弱かったり、ストレスをうまく発散できず、どんどんため込んで辛くなってしまう子もいます。そうなる前に、子どもの心のSOSサインを察知し、ストレス発散を促すことが大切です。

この記事では、子どもがストレスを感じているサインやそれに伴う症状、ストレスをうまく発散する方法をご紹介します。

春は入園・入学・進級の季節。子どもはストレスを感じやすい?

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入園・入学・進級をむかえた親子も多いこの季節。「うちの子も〇年生かあ…」など、子どもの成長をしみじみと実感している保護者の皆さんもいるのではないでしょうか。

一方、入園や入学となると、新しい園や学校、知らない先生など、初めての環境で、変化を大きく感じる親子も多くいるのではないかと思います。例えば、この春幼稚園などに入園した子どもは、初めての集団生活やいつも一緒にいた母親がいないといった変化、学校に入学した子は、友達・先生との関係構築がいままでより複雑になったり、学習が始まったりといった変化をむかえます。また、保護者にとっても、本格的なママ友・先生とのつきあいやPTA参加など初めて経験することがあります。

子どもにも保護者にも、分からないことや初めてのことだらけの新学期は、疲れやストレスがたまりがちな季節でもあります。

特に発達障害があると、環境の変化に不安を感じやすいことが多く、ストレスを過剰に感じてしまった結果、登園・登校しぶりにつながったり、放っておくとゆくゆくは二次障害につながったりする場合もあります。

子どもが新たな環境に慣れ、快適に過ごしていくには、ストレスサインや症状を感じ取り、適度に発散させていくことが重要です。この記事では、子どものストレスサインや気をつけたい症状、親子それぞれのストレス発散方法について紹介します。

子どものこんな様子に要注意!不安・イライラ…心のSOSサインとは?

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子どもがストレスを感じているサインは、生活場面から分かるものから、細かな行動・しぐさの変化までさまざまです。

学校・園での様子や行動の変化

・学校での活動への意欲がない
・挨拶に元気がない
・体調不良をよく訴える・保健室へ行く回数が増える
・友達と関わろうとしない
・他学年の子とばかり遊ぶようになった
・赤ちゃん返り・幼児退行のような行動が見られる など

からだの変化

・発熱・腹痛が多くなった
・息苦しさを感じている様子が見られる
・嘔吐、気持ち悪さを感じる頻度が多くなった
・アレルギー症状の悪化、新たな症状の出現
・睡眠の質の低下(寝つきが悪くなった、「眠れない」とよく言うようになった、怖い夢を見る、過度に睡眠時間が増えた、朝すんなり起きられないなど)
・チックや自傷行為が見られるようになった
・急激にやせた、あるいは太った など

表情や会話の変化

・感情の起伏が激しくなった
・ちょっとのことで癇癪を起こしたり、反抗したりすることが増えた
・無表情の時が多くなった
・何もしないで長い間ぼんやりしている
・挨拶をしなくなった
・独り言を言うようになった
・元気がない など

ここで述べた症状や状態の変化はあくまでも一例です。子どもが新学期に入って、明らかにこれまでとは違う言動や反応を見せるようになったら、少し注意して見てあげた方がよいでしょう。
参考:こころのSOSサインに気づく|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/parent/mental/sos/sos_01.html
参考:学校における子供の心のケア|文部科学省
https://anzenkyouiku.mext.go.jp/mextshiryou/data/seikatsu07.pdf

新学期、子どものストレスサインを感じたら…サポート・発散方法は?

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では実際、子どものストレスサインを感じたら、どのような発散方法があるのでしょうか。一例をご紹介します。

ゆっくり話したり、スキンシップをとったりする時間を意識的に設ける

新学期は、親子ともにバタバタとした生活を送ってしまいがち。なかなか親子でゆっくり過ごす時間が取れていない、と感じている方も多いのではないでしょうか?

入園や入学などを経て、少しお兄さん・お姉さんになったとはいえ、まだまだ子どもです。慣れない環境にへとへとになってしまったり、学校では気を張ったりしていることもあるかもしれません。

親子でゆっくりお話をしたり、スキンシップをとったりするだけでも、子どもの安心感が高まります。また「いつもと違うかも?」という子どもの変化を確かめることもできます。忙しい時期ゆえに、親子でゆっくり過ごす時間は見逃してしまいがちです。少し意識して、子どもと接する時間を増やしてみましょう。

子どもの特性にあったサポートをする

特に発達障害のある子どもは、新学期に発生しやすい流動的な時間割のような、「いつもと違う」「見通しがもてない」ことに対してとても不安に感じてしまうことがあります。また、子どもの特性にあった合理的配慮が、新学期になりたてでなかなか受けられず、どうしても学校でうまく活動できずに落ち込んでしまうこともあるかもしれません。

家庭でも、子どもの特性にあったサポートを心がけることが大切です。例えば、新しい教室の場所や新学期の予定をあらかじめ伝えておくなど「できる限り事前に伝える」ことで、新しい場所に一歩踏み出せるようサポートしてみるとよいでしょう。

また、家庭で子どもの特性に合ったサポート方法を探ることができれば、その方法を学校でも同じように先生に実行してもらうなど、合理的配慮の導入もスムーズになることがあります。
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新学期は新しい先生との出会いの季節! 合理的配慮を頼むポイント、 先生との関係性づくりのコツって?

定期的に、好きなことを存分にさせる

園や学校での活動以外にも、好きで熱中している活動がある、というお子さんもいるのではないでしょうか。好きな活動を存分にさせることがストレス発散になることもあります。

新学期で疲れて、少しやる気や元気がない様子の子どもでも、もともと好きだったことに誘ってみて、乗り気になれば、この活動がストレス発散や、生活のモチベーション維持のきっかけになるかもしれません。

学校終わりや休日などを見て、子ども自身が好きなことに思いっきり熱中できる環境を用意するのはいかがでしょうか。

登園・登校しぶりが激しい場合は無理に行かせず、家庭でゆっくりできるようにする

新学期は登園・登校しぶりが多くなる時期。登園・登校しぶりをされてしまうと、親としても仕事に行けなかったり、園や学校に連絡するのに気が引けてしまったりなど、困ってしまうことも多いかと思います。

今まで親元を離れた経験がない場合や低年齢の子どもの場合は、慣れるまである程度時間がかかることもあります。次第に学校や園に馴染むケースも多いので、過度に心配しすぎずしばらく様子を見ることも必要です。

ただ、登園・登校を嫌がる子どもを無理に行かせることが続いてしまうと、園や学校へのイメージがどんどん悪いものになっていってしまいます。

登園・登校しぶりを見せた場合は、まず「行きたくない気持ちを受け止めること」を心がけることが大切です。子どもの気持ちに共感し、認めてあげることで、子どもの感情の波や不安定さが落ち着いて、登園・登校できることもあります。

どうしても行きたがらない場合は、強制せず、家で過ごせるように工夫することも一つの手です。そのかわり、園や学校に行かないという選択をした日も、ただ、だらだらさせてしまう・放っておくのではなく過ごし方を工夫することをおすすめします。

例えば、その日やることを子どもに決めさせたり、感じていることを紙に書きだしてもらったりするなど、子ども側の活動を促してあげることを心がけましょう。
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9年続いた登校しぶり。ようやく辿り着いた「親だから出来ること」

それでも、二次障害につながってしまったら…

発達障害の子どもの場合、ストレス耐性が弱いことがあり、なかなかストレスを消化できないまま、二次障害につながってしまうこともあります。

二次障害には以下のようなものがあります。
・うつ
・対人恐怖
・ひきこもり
・不登校


環境が変わる新学期は、ストレスがたまりがちです。もし、上記のような症状の傾向が見られたら、スクールカウンセラーや臨床心理士、精神科医などの専門機関に相談しましょう。
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