息子自身も経験を積んで…

息子が高等部の頃、買い物体験をさせるため、放課後等デイサービスの帰りにコンビニで夕飯後のデザートのお菓子を買わせていました。
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自閉症の息子が「一人で買い物」、身につけるべきスキルはお金の計算じゃなかった!

ある日、「お金なかった」と言って、何も買ってきませんでした。お金を渡すのを私が忘れていたからです。レジでお財布を開けて相当焦ったと思います。でも、目の下に涙の跡もありません。パニックを起こした気配もありません。昔だったらとんでもないことになっていたでしょう。

子どもたちが幼い頃から、こだわりやわがままについてよく話していたママ友達も、同じような経験をしていたようです。
「放課後等デイサービスでお弁当を買いに行ったときのこと。息子の欲しい弁当が売り切れになりパニクるやろうなと思いましたが、ちゃんと、他ので対応出来ていましたと、後で報告されたときは、凄い‼と思い、息子を褒めました。幼稚園の時なら、ありえへん (笑)」

幼い頃は甘えさせていい

定型発達の人も自己中心的な子ども時代、わがままだった子ども時代から、人生経験を積むなかで、折り合いをつけ、自分の感情をコントロールすることが出来るようになります。

障害の有無にかかわらず、幼い頃、親や周りの大人が安心安全を与えてやると「この世はそんなに怖くはない」と体験し、嫌なことでも乗り越えられるようになると、私は感じています。

さて、息子はもうすぐ20歳。今までの人生の中で「わがままではなく、こだわりがあっても思い通り事は進まないんだな」ということをゆっくりですが学んでいっているように思います。

「『お母さんを騙すために、これは僕の“わがまま”だけど、“こだわりの振り”をしよう』」となってくれたらいいな」なんて妄想しています。でも、こんなことが出来るようになったら、息子ではなくなってしまう気もして、「それも悲しいな」と思う身勝手な私でした。

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