たとえ就労できたとしても

障害者雇用実態調査をみると、民営事業所での雇用実態において、身体障害のある人は正社員の割合が5割を超えていますが、それ以外の障害の場合は正社員の割合は2~3割で、半年更新や3ヶ月更新の有期雇用の割合が多いようです。勤続年数も、知的障害の場合は7年程度ですが、発達障害や精神障害のある人は平均3年程度だとわかります。

実際に私の周りでも、職場で理解されず、なかにはいじめにあうなどして、就労移行支援事業所や福祉作業所に戻ってきている知人の子もいます。

そうなると「企業就労おめでとう」と喜んでいられるのは一時のことなのかもしれません。でも、こういう書き方をしてしまうこと自体が負け惜しみで、「“比べる病”を未だに卒業できていないな」と自分の小ささをシミジミ感じます。
平成 30 年度障害者雇用実態調査結果 | 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_05390.html

青い鳥を探して

みなさんもご存じだと思いますが、「幸せの青い鳥」という童話があります。

“クリスマスの前の晩、貧しい木こりの息子チルチルと妹のミチルは、魔法使いのおばあさんにたのまれ、光の精や水の精などの妖精に導かれながら、夢の中の世界へ青い鳥をさがしに出かけます。

けれども、思い出の国へ行っても、幸福の国へ行っても、未来の国へ行っても青い鳥はみつかりません。やっと青い鳥をつかまえたと思うと、すぐ色がかわってしまったり、死んでしまったりします。

やがて、朝になり、ふたりは目をさましました。するとどうでしょう、青い鳥は、木こり小屋の鳥かごの中にいるではありませんか。ほんとうの青い鳥(しあわせ)は、すぐそばの、自分たちの生活のなかにあったのです”

私は長く独り身で、パートナーができてからも不妊症で治療していました。なかなか子どもを授からず、このままずっと自分だけのために生きるのかと思い、何とも言えない気持ちになっていました。

でも、身勝手なことですが、今は発達障害のある息子のことで毎日悩んでいます。子どもは自分の命であり、宝であり、生き甲斐ですが、同時に心を掻き乱す原因でもあります。でもそれが親になるということ、自分が選んだ道なのだと感じています。

仮に子どもが事故にあったり、縁起でもありませんがもしも誘拐されてしまったりしたら…と考えると、文句を言っていたことを反省するでしょう。

自分以外の誰かのために生きるのは大変なことですが、もしかしたら幸せなことなのかもしれません。それから、わが子であっても自分以外の人間のことを常に考えているというのは、人として修業していることなのかもしれないと思います。

目の前に居るわが子は、実は、青い鳥なのかもしれません。

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