夫のさりげない一言で気づいた、みんなの「普通」と発達障害息子の「普通」の間にいる自分

2021/01/18 更新
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前回にひきつづき、コウが1年生のときの運動会の話です。

午後の部で行われたダンスは子ども達が遠くて小さくて、「さすが小学生!園のときとは人数が違うなぁ」と戸惑いながらムービーを撮っていた私でしたが、夫が何気なく言った一言にハっと驚きました。

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丸山さとこ
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集団の中にいるわが子の姿に…?

さらりと衝撃発言をする夫
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集団ダンスを見終わった夫が言った、さりげない一言

前回にひきつづき、コウが1年生のときの運動会の話です。午後の部で行われたダンスは子ども達が遠くて小さくて、「コウのいる班は…どこ?」と撮るべき場所も分からないままスマホを構えていました。

『やっぱり、小学生にもなると人数が増えるし規模も違うなー。でも、一応ムービーのどこかに入ってるよね!』と思いながらスマホをしまう私に、夫が「コウがどこにいるか分からないなんて初めてじゃない?」と言いました。

一瞬意味が分からず、「え?どこにいるか…?」としばらく考えてから「あぁ…本当だ!そんなこと初めてだね!?」と驚きました。

「見つからない」のも「見つかる」のも、どっちも普通?

集団の中にいるコウが見つからないことは初めてで、夫に言われて気づいてからは本当に衝撃を受けたのですが、言われるまでは全く気づきませんでした。
「ふつう」の形は、コウと一般では違っていて…?
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”遠くに見える集団ダンスの中でわが子を見つけられない”という出来事があまりに普通のことだったからです。

一方、お昼にコウを呼びに行ったときに見た”1人ポツンと残っている姿”や、”親の呼びかけに応えず、話しかけても興味なさそうにフラっとどこかへ行こうとする姿”もまた私にとっては普通の光景であり、「あぁ、通常運転のコウだなぁ」と感じるものでした。

翌年以降も”集団ダンスをしているコウ”は見つからないようになりましたが、集団行動の中で浮かないようになったかというとそうではなく、むしろ学年が上がる毎に「授業中の何気ない行動」や「雑談中の振舞い」などの違和感は目立つようになっていきました。

クラスメイト達が”高学年らしい振舞い”をする中で1人”幼児~低学年のような振舞い”をするコウは、「普通にしているとき」が一番見つかりやすいのだな…と感じます。

2つの”普通”と一緒に過ごす毎日

”一般的に言われる普通”と、”コウとの間で起きる普通”の間で…

コウと暮らしていく中で、”一般的に言われる普通”と、”コウとの間で起きる普通”の両方が私の中ででき上がっていったのかもしれません。私は、それはそれで良いことなのかもしれないなと感じました。
コウが初めての子どもだった私は、比べる「ふつう」を持っていませんでした。
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初めての子育てであるということもあったのかもしれませんが、私はある時期まで”コウにとっての普通”だけを基準に「子どもってこんなものなのかな…?」と思って育児をしていました。

そのため、コウの発達の凸凹に気づくことが遅くなり、療育などの福祉に繋がることも遅れたところがあると思います。
過去にはなかった支援施設の多さに驚く私
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当時は市内に療育施設が少なく、市から案内された施設は「泣いてでもやらせる」スパルタな方針で運営されているところだったので、

『もし早くにそこへ通っていたら親子共々グッタリしていたかもしれない…』

と考えると結果オーライだったのかもしれませんが、もう少し早く繋がっていたほうが情報を得られて、親子共々助かったことも多かったかもしれないなと思います。

学校の”普通”の中で、どう過ごす?

学校での生活には”普通”がたくさんあります。そして、コウはそれらの普通から外れていることがたっぷりあります。
個別の声掛けが必要なコウです
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共同注視は苦手で、集団への声掛けに気づきにくく、個別の声掛けがないと動けないことはしばしばです。

(では個別に声掛けをすれば良いかといえば、「何の話だっけ?」「え…さっき〇〇って言ったのに…?」という指示の通りの悪さで、毎年担任の先生も頭を抱えていらっしゃるようです)

そんなコウへの合理的配慮をお願いする際には、”コウの普通”と”一般的な普通”の両方を知っている必要があるのだと、毎年学年が上がる度に思います。

個別の声掛け、短い指示、視覚支援、連絡帳のチェック等々…先生方には頭が上がりません。
「コウの普通」と「一般的な普通」のどちらも大事
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コウのことを知るために”コウの普通”を学び、社会の中でコウがどのように過ごしているのか、どのように過ごせたら楽になるかを知るために”一般的な普通”を学び、その間で毎日を送っていけたらいいなと考えています。
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