家族に障害がある人がいると負担になる?きょうだい児の結婚問題から考えること

2021/06/02 更新
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きょうだいに障害のある子がいた場合、それをオープンにしている家族もあれば、「絶対に知らたくない」と隠す家族もいます。私の知り合いの中にも、「きょうだいがいじめられるから」、「夫の仕事に影響するかもしれないから」と家族での集合写真を拒んでいる人も実際にいます。

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立石美津子
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障害がある子を隠し通したい理由

過去の歴史の中では精神疾患があったり、障害のある子どもを家の中に閉じ込めて、世間の目から隠す家族もいました。でも、今は随分と時代が変わりました。

冷蔵庫マザー

自閉症のある子を持った親が“リフリジェレータ・マザー(冷蔵庫マザー)”と呼ばれていた時代もかつてはありました。「母親が子どもを冷たく突き放し、拒絶するために“適切な愛の絆”を作れず、そのことが原因で子どもが自閉症になった」と言うのです。

いまだにそんな風に思っている人がいるのでしょうか。

この間、区役所でこんなことが書かれているポスターを見かけました。
「自閉症になったんじゃあない。自閉症として生まれてきただけ」
区役所に掲示されていた啓発ポスター
掲示されていたポスター
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これは14年前に作られたポスターなのですが、このシンプルな当たり前のことがまだ役所に貼られているということは、「理解できない人がいる」のだと感じました。「自閉症になるのは育て方が原因」と考える人たちがいるということです。

私も息子が幼い頃、「愛情不足だから自閉症になったんでしょ。もっと抱っこしてあげたら」と言葉をかけられたこともあります。

そんなことを知ってしまうと、世間のからの偏見や誤解を恐れ、隠したくなる人も出てくるのも無理はないのかもしれません。

きょうだいにこれ以上負担をかけたくない

家族に障害のある子がいると親はその子にかかりっきりになることもあるでしょう。

きょうだいはある意味「あなたは定型発達なのだから、自分で何でもできるでしょ」と構ってもらえないこともあるでしょう。親に甘えたくても、自己主張できず我慢させられることも多くなるかもしれません。

それを知っている親御さんは

「兄弟姉妹に障害があることを婚約者に話したら、破談になってしまうのではないか。」

「親が障害のある子にかかりきりになり、ずっと我慢我慢の人生を歩ませてきた.
せめて、結婚くらいは願い通りにさせてやりたい」

と考えることもあります。

また、「いずれ知られてしまう現実を黙っている訳にはいかなくなる、親が年老いて亡くなったあとのことを考えたら、伝えないわけにはいかない」 という人もいます。

シングルマザーで一人っ子を育てている私がこんなことをいうのは無責任かもしれませんが、話したことにより破談になってしまう相手と結婚したら、その後の結婚生活は幸せなものとなるでしょうか。

兄弟姉妹に障害がある人がいても、それごと受け止めてくれる相手と結婚した方が幸せになれる気がして私はなりません。

結婚後、障害のある子が生まれた場合

家族に障害のある子がいるとその子を中心に家族の絆が深まる場合もあります。反対に、夫や義両親から「家の恥である」と言われ、家族間に溝ができ、離婚に至る人もいます。

そこまで言われなくても、母親は障害を受け止め手帳の交付を受け福祉サービスを受けたいと願っていても、

夫から
「障害だなんて、恥ずかしい」
「診断受けてしまったら“障害者”のレッテルを貼られてしまい、伸びるものも伸びなくなる」
「障害だなんて、それだって個性の一つなんだから」
「似たような子どもは他にもたくさんいるじゃないか」
と言われてしまい、子育ての仕方で家族と意見がぶつかり、もがき苦しむ人もいます。

自身に障害のあるきょうだいがいることを受け止めてくれない相手と家族になることは、前述のようなことも起りえるということではないでしょうか。

だだ、思うこと…
「障害のある本人が世間から偏見を受けたり差別をされたりしないために隠す」というのはちょっと違うのではないかと思います。

人生100年時代、親なきあとの人生は長く続きます。
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そう考えたら、障害があることを伝え、福祉とつながっておくことが大切なのだと思います。

そして、「福祉を活用することで家族やきょうだいに過度な負担をかけることなく、障害のある子自身が自立し生きていける時代になってきているのではないか」と思っています。

このコラムの著者親子がモデルの本

発達障害に生まれて
松永正訓
中央公論新社

このコラムを書いた人の著書

子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方
立石美津子
すばる舎
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