徐々にシフトさせていく

最近、将来の自立を考えて、何かと「さすが社会人」(就労していなくても社会人と特別支援学校高等部では呼んでいた)などと声がけをしながら、家事を徐々にやらせている。

【やらせている家事】
・ゴミ捨て
・カーテンの開け閉め
・新聞を取りに行く
・トイレットペーパーやテッシュの補充
・洗濯物を干す

もし、私の寿命が息子より一日長かったら、こんなことさせなくてもいいのに…と少し悲しくなる。息子は「就職したら」「会社に行ったら」が口癖になっている。母としては「もう、それ言わないで」と言いたくなる毎日が続いている。

就労への夢も一人暮らしは、親としては心配で仕方がないが、夢を壊すような言葉はグッと胸の中に抑えておこうと思った。

執筆/立石美津子
(監修者・鈴木先生より)

どんな親御さんでもお子さんの将来が心配なのです。

今から5年ほど前に群馬県前橋市で開催された第7回日本小児心身医学会関東甲信越地方会の「適応上の問題を呈している子にどのように繋がるか」というシンポジウムで「発達障害児の将来を見据えた早期介入のできる社会へ~就学前から就労まで小児科医にできること~」と題して講演したことがあります。

そこでは、小児科医と精神科医との連携が重要であり、早期介入のためにはかかりつけの小児科医が日ごろの診療の中で子どもの異変や特性に気づいてあげなければならないとお話ししました。しかしながら、交流がないがために一般の小児科医と精神科医との連携はいまだほとんどみられていません。そして、かかりつけの小児科医においては、コロナ禍で学会や講演会などが中止となったこともあり、発達障害(神経発達症)についての知識が乏しく、専門医との連携があまりできていないのが現状です。

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