地域のせいであきらめたくない!「通える範囲」で選ぶのではなく、理想の環境は自分で掴む

知的障害を伴う発達障害のある息子の居場所を求め、引越し先を探す
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引っ越しを決めた私は、息子を育てる上で理想的な環境を求め、綿密なリサーチを始めました。当初、幼稚園は「家から通える範囲」で探していましたが、引っ越しを前提に考えると、今度は候補が多すぎて絞り切れません。そこで、引っ越しを決める理由となった現実を踏まえ、「公立幼稚園があること」「発達支援センターの対応が親切であること」を基準に引っ越し先の自治体を絞っていきました。

息子の発達の遅れに配慮してくれる幼稚園なら、必ずしも公立ではなくてもよかったのですが、ホームページを見ただけでは、加配の先生をつけてくれるかどうか分かりません。1園ずつ電話で問い合わせていくしか確認する術がありませんでした。しかし、全ての私立幼稚園に確認することなど到底できません。いくつか電話した中では手ごたえがなく、これ以上はどうしようもないと思った私は、私立幼稚園は選択肢から外すことにしました。

公立幼稚園であれば数は絞られますし、同じ自治体の公立幼稚園なら運営方針はだいたい同じです。
そして実際に問い合わせてみると、公立幼稚園からは障害や発達の遅れを理由に難色を示されることはなく、加配の話も具体的に出てきました。

連日、さまざまな地域の公立幼稚園や発達支援センターへの電話を繰り返し、引っ越し先を検討するのは大変な作業でした。しかし、これまでのような暗闇を当てもなく模索するような気持ちとは違い、自分で息子の居場所を探して選んでいくという気持ちは前向きで、希望に満ち溢れていました。

運命の出会いからの引っ越し!潮目が変わった私の障害児育児

思い切って引っ越してから、幼稚園や発達支援センターの先生方、そこで出会ったたくさんの方たちに支えられ、生活は一変した。
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ある日、家族で外出した先で、夫がふと「この辺りは引っ越し先の候補として考えている地域の一つだね」と話し出しました。そして、「今、気になって調べていたら、公立幼稚園からも歩ける範囲にちょうど良さそうな物件が出ているのを見つけた」と言うのです。

それは本当に偶然でした。

すぐにその物件を担当している不動産会社に連絡をとり、そのままその日のうちに見学に行くことになりました。そして、見学に行くと大満足な物件。なんと私たちは、そのままそこで契約したのです。良い縁はトントン拍子に進むもので、その後、入園を希望した公立幼稚園への入園手続きも順調に進み、息子には専属の加配の先生がつきました。

その地域の発達支援センターも、私たち家族のためにとても親身になってくれました。引っ越し前から何度もやりとりに応じてくれて、幼稚園と並行して通える療育の候補をいくつも提案してくれたのです。発達支援センターは、私にとって心のよりどころになりました。

思い切って引っ越してから、幼稚園や発達支援センターの先生方、そこで出会ったたくさんの方たちに支えられ、私の生活は一変しました。息子には自閉スペクトラム症と知的障害という診断がつきましたが、地域に確かな居場所を見つけ、安心して息子を育てられると思えたことで、私はかなり前向きになれたのです。

障害や発達の遅れがある子どもをめぐる支援の環境は、非常に地域差が大きいものだと思います。しかし、このような経験をした私は今も、障害がある子どもとその家族が、どの地域で暮らしていても等しく十分な支援が得られるようになることを、願ってやみません。

執筆/べっこうあめアマミ
(監修:藤井先生より)
息子さんの過ごしやすい環境を探すために、何ヶ所も相談し、転居された行動力に頭が下がります。現在、残念ながら支援の地域差があることは、私自身も感じております。私も、全てのお子さんが必要な支援をどこでも受けられて、健やかに過ごせる事を願っております。
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