特別障害者手当をもらうには?障害者手帳は必要?受給は何歳から?認定基準や支給金額は?所得制限や手当をもらうための手続きも解説【行政書士監修】

ライター:発達障害のキホン
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特別障害者手当は、自宅で暮らす重度の障害がある人の経済的負担を軽減するために支給される国の制度です。障害年金とは違い、特別障害手当は、20歳以上で身体または精神に重度の障害があり、常に特別な介護が必要な在宅で生活をしている人が対象となります。受給の条件や金額、申請方法などを紹介します。

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監修: 渡部伸
行政書士
親なきあと相談室主宰
社会保険労務士
慶應義塾大学法学部卒後、出版社勤務を経て、行政書士、社会保険労務士、2級ファイナンシャルプランニング技能士などの資格を取得。現在、渡部行政書士社労士事務所代表。自身も知的障害の子どもを持ち、知的障害の子どもをもつ親に向けて「親なきあと」相談室を主宰。著作、講演など幅広く活動中。

特別障害者手当を受給するには? 申請方法や必要書類を解説

特別障害者手当の認定基準は? 障害者手帳の級数の目安は?

特別障害者手当は、障害年金とは違います。特別障害者手当は、20歳以上で身体または精神に重度の障害があり、常に特別な介護が必要な在宅で生活をしている人が対象です。

身体障害者手帳1、2級程度、または療育手帳1、2度程度の障害が重複している状態、もしくはこれらと同等の疾病・精神障害がある状態が目安といえます。手帳を持っていなくても申請が可能です。

医師の診断書など申請書類にもとづき、自治体が認定します。基準は厚生労働省の「障害児福祉手当及び特別障害者手当の障害程度認定基準」に準じます。

以下の方は申請できません。
・20歳未満
・医療機関に3ヶ月以上継続して入院している
・施設など(グループホームは除く)に入所している

成人年齢は18歳になりましたが、特別障害者手当の申請は20歳以上で変わりません。

特別障害者手当の金額、支払い時期は? 障害の重さによって額は変わるの?

月額は27,980円で、障害の重さによる金額の差はなく、一律です(令和5年4月より)。手当の額は、物価変動等により毎年見直される)。申請月の翌月分から支給されます。原則として毎年2月、5月、8月、11月にそれぞれの前月分までの3ヶ月分がまとめて振り込まれます。
例:5月の支給額=2・3・4月の3ヶ月分83,940円
住んでいる市区町村の福祉担当窓口で申請します。医師の診断書などは所定の用紙が必要なことがあるので、事前に窓口に問い合わせておくとよいでしょう。
特別障害者手当の申請に必要なものは以下です。
・医師による診断書
・本人の戸籍謄本または抄本
・世帯全員の住民票の写し
・本人および配偶者・扶養義務者の住民税課税証明書
・公的年金等を受けている方は年金証書の写し
・障害関連手帳の写し(所持者のみ)
・本人名義の通帳
・印鑑(スタンプ式は不可)
・対象者本人および配偶者のマイナンバーが確認できる書類
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受給中は施設への入所状況や入院状況などを伝える「現況届」を毎年8月に提出します。この手続きは8月以降も受給するために必要です。

また障害の程度が変わることがある場合は通常1~5年の範囲の「有期認定」となります。その場合、再認定期月の約1カ月前に診断書などを再度提出します。提出期限前に市区町村から案内があります。

特別障害者手当の注意点はありますか? 所得制限や、障害年金を受給している場合はどうなる?

特別障害者手当の支給には所得制限があります。

特別障害者手当には所得制限があり、本人の前年の所得が一定額を超える場合、または配偶者や扶養義務者の前年の所得が一定額以上の場合、特別障害者手当は支給されません。
特別障害者手当について
参照:特別障害者手当について|厚生労働省
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障害年金と特別障害者手当の両方は受給できない?

障害年金は所得に算入されるので、所得が一定額を超えていなければ、両方を受給することは可能です。

障害年金の受給については、以下を参考にしてください。
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障害のある子どもが対象の手当って何があるの?

特別児童扶養手当、障害児福祉手当、児童育成手当などがあります。

特別障害者手当は子どもは対象ではありません。障害がある20歳未満の子どもを育てる家庭が対象の手当には、「特別児童扶養手当」、本人が対象の「障害児福祉手当」があります。

特別児童扶養手当
特別児童扶養手当の対象となるのは、おおよそ身体障害者手帳1~3級(一部4級程度)、療育手帳A・B、愛の手帳1~3度程度の場合です。手帳を持っていなくても、障害や疾病により日常生活が困難で、常に介護が必要な場合は対象になります。
特別児童扶養手当は、障害の程度によって支給額が変わります。1級は月53,700円、2級は月35,760円です(令和5年4月より)。
支給されるのは4月、8月、11月の年3回で、それぞれ前月までの4ヶ月分が受給者(家族)の口座に振り込まれます。
所得制限があり、受給者もしくはその配偶者、または扶養義務者の前年の所得により、支給されないことがあります。

受給中は「現況届」を毎年8月に提出します。前年の所得とその年の6月1日時点の児童の養育状況(施設に入所しているかなど)を報告します。この手続きは8月以降も受給するために必要です。

障害児福祉手当
障害児福祉手当の対象となるのは、身体障害者手帳1~2級、療育手帳A・B、愛の手帳1~2度程度です。手帳がなくても、同じぐらいの程度の障害があると認定されると対象となります。

支給額は月15,220円です(令和5年4月より)。5月、8月、11月、2月にそれぞれ3ヶ月分ずつ障害児本人の口座に振り込まれます。支給制限があり、児童施設に入所しているときや、本人や扶養義務者の所得が一定以上の場合は支給されません。

このほかにも親に障害があったり、ひとり親の場合などに支給対象となる「児童扶養手当」や、各自治体独自の支援制度があります。
次ページ「まとめ」

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