おとなしかった自閉症息子が豹変?友達を「叩く」「手が出る」4歳で言葉が増えてきた矢先のトラブル【小児科医アドバイスも】
ライター:志士ノまる
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知的障害を伴う自閉スペクトラム症のある4歳10ヶ月の息子。あまり癇癪がなくおとなしかった息子が、最近気に入らないことがあると手が出るように…今回はそんなお話です。
監修: 新美妙美
信州大学医学部子どものこころの発達医学教室 特任助教
2003年信州大学医学部卒業。小児科医師として、小児神経、発達分野を中心に県内の病院で勤務。2010年信州大学精神科・子どものこころ診療部で研修。以降は発達障害、心身症、不登校支援の診療を大学病院及び一般病院専門外来で行っている。グループSST、ペアレントトレーニング、視覚支援を学ぶ保護者向けグループ講座を主催し、特に発達障害・不登校の親支援に力を入れている。
多様な子育てを応援するアプリ「のびのびトイロ」の制作スタッフ。
ひどい癇癪は経験してこなかった
穏やかタイプの息子を育ててきて、今まで特に癇癪やこだわりに悩まされることはなかった。
もちろん気に入らないことがあるときは泣いたり、散歩中息子の行きたい方向と違う方向へ行こうとすると泣いて地面に座り込み動かなくなるなどはあったが、息子自身の切り替えがうまいのか、その場を移動してしまえば長時間泣き続けて悩まされる…といったことはほぼなかった。
ただし、苦手な場所やこの場にいたくないなどの状況だと、その嫌な場所を離れるまで泣いたり不機嫌は続く。今までも慣れない療育に通い出したときは泣いて教室から出ようとしていたり、いつもと違う保育園の行事のときには泣き続けて行事に参加できずに帰宅したこともあった。つい最近だと息子は動物園や水族館が苦手なようで、動物園内に入ってからずっと不機嫌で動物を何も見ずに通り過ぎ早々に帰宅するなどがあった。嫌なことに対する表現ができているからか、暴れたり手がつけられないほどの癇癪はない。
もちろん気に入らないことがあるときは泣いたり、散歩中息子の行きたい方向と違う方向へ行こうとすると泣いて地面に座り込み動かなくなるなどはあったが、息子自身の切り替えがうまいのか、その場を移動してしまえば長時間泣き続けて悩まされる…といったことはほぼなかった。
ただし、苦手な場所やこの場にいたくないなどの状況だと、その嫌な場所を離れるまで泣いたり不機嫌は続く。今までも慣れない療育に通い出したときは泣いて教室から出ようとしていたり、いつもと違う保育園の行事のときには泣き続けて行事に参加できずに帰宅したこともあった。つい最近だと息子は動物園や水族館が苦手なようで、動物園内に入ってからずっと不機嫌で動物を何も見ずに通り過ぎ早々に帰宅するなどがあった。嫌なことに対する表現ができているからか、暴れたり手がつけられないほどの癇癪はない。
思い通りに行かないとき
そんな息子も最近になって困りごとが出てきた。自分の気持ちを表現できるようになったが、その方法が思い通りにいかないことがあるときに叩いてくるようになったのだ。
息子はテレビが見たいのに「今からご飯だからあとで見ようね」と言われたときや、息子は別の方向へ行きたいのに「こっちに移動しようか」と言われたときなど、思い通りにならないとすぐに手が出てしまう。
ママの「ダメよ」「やめなさい」などの否定的な言葉にはとても敏感で、すぐに不機嫌になり叩いてくるので、あまり否定的な言葉にならないように言い換えたりしてるが、日々忙しい毎日を送っていると言い換えなど忘れて叩かれお互い嫌な気持ちになることが増えている。
療育の先生に相談したところ、まだ嫌な気持ちを説明できないせいで、叩くことが表現方法になってしまっている。言葉で説明できるようになれば変わってくるよ。と言われた。
息子はテレビが見たいのに「今からご飯だからあとで見ようね」と言われたときや、息子は別の方向へ行きたいのに「こっちに移動しようか」と言われたときなど、思い通りにならないとすぐに手が出てしまう。
ママの「ダメよ」「やめなさい」などの否定的な言葉にはとても敏感で、すぐに不機嫌になり叩いてくるので、あまり否定的な言葉にならないように言い換えたりしてるが、日々忙しい毎日を送っていると言い換えなど忘れて叩かれお互い嫌な気持ちになることが増えている。
療育の先生に相談したところ、まだ嫌な気持ちを説明できないせいで、叩くことが表現方法になってしまっている。言葉で説明できるようになれば変わってくるよ。と言われた。
「いらなーい」「かえるー」の連呼
息子自身単語はよく出るようになっており、最近は気に入らないことがあると「いらなーい」「かえるー」などのマイナスな言葉を連発するようになっている。
この前、ファミリーレストランに入った際に混んでいて少し順番待ちをしなくてはいけなかった。私は息子に「順番だよ」「待ってようね」などのできるだけ簡単な言葉で何度も説明したが、息子はそれが気に入らなかったようですぐに「いらなーい、かえるー」を連発で私を叩く。それなら仕方ないとレストランを出ると、「(さっき出てきたレストランへ)いくー!」と怒っている。仕方なく戻るとまた順番待ちをしなければいけないため「いらなーい、かえるー」の連発。息子に繰り返し説明しながら順番待ちをしたが、周りの目も気になるしなんだかとても疲れてしまった。
この前、ファミリーレストランに入った際に混んでいて少し順番待ちをしなくてはいけなかった。私は息子に「順番だよ」「待ってようね」などのできるだけ簡単な言葉で何度も説明したが、息子はそれが気に入らなかったようですぐに「いらなーい、かえるー」を連発で私を叩く。それなら仕方ないとレストランを出ると、「(さっき出てきたレストランへ)いくー!」と怒っている。仕方なく戻るとまた順番待ちをしなければいけないため「いらなーい、かえるー」の連発。息子に繰り返し説明しながら順番待ちをしたが、周りの目も気になるしなんだかとても疲れてしまった。
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手が出たときは
保育園でも話を聞くと、気に入らないときに先生を叩くことも増えているとのこと。ただ「もっと前はかみつくこともありましたよね」と先生から言われて、そういえばと思い出した。頻繁じゃないからすっかり忘れていたが、気に入らないときにガブっとやられてあざになったこともあった。かむではなくて手で叩くになっただけ成長しているのかもしれないとふと思った。
ただ、叩くのが今のところまだ大人に対してだけだが、いつお友達に手が出るか分からない不安があり、先生にも相談をしている。
叩かれるたびに息子の目を見て「痛いよ」「悲しい気持ちになる」「○○が嫌だったね」などとお話するようにし、状況に応じて「ごめんね」と言ってもらうようにしている。
執筆/まる
ただ、叩くのが今のところまだ大人に対してだけだが、いつお友達に手が出るか分からない不安があり、先生にも相談をしている。
叩かれるたびに息子の目を見て「痛いよ」「悲しい気持ちになる」「○○が嫌だったね」などとお話するようにし、状況に応じて「ごめんね」と言ってもらうようにしている。
執筆/まる
(監修:新美先生より)
お子さんが小さいころ、同世代の子どもが喜ぶ場所や、そこまで嫌がらない場面でも、自分の子どもだけが不機嫌になってしまうと、保護者としては困ってしまって、そうしたことが繰り返されると疲弊してしまうことがありますね。お子さんが一人ならお子さんに合わせて行動することができても、ほかのきょうだいもいたりすると対応できないこともあります。この子はこういう場面は苦手だからと、はっきり分かってしまえばそこには近寄らないようにすればよいですが、そこまで開き直るまでの期間が保護者としては苦い思い出になることもありますね。お疲れさまです。
まだ言葉が十分育っていない時期に、拒否やイライラを伝える手段として、「叩く」などの手段をとることがあります。もちろん不適切な表現であることは確かで、やめさせたいものではありますが、このことに対して「だめだよ」と言葉で叱っても効果はほとんどありません。嫌だということを伝える手段が獲得できれば叩くということをしなくてもよくなるのですが、簡単にはいかないです。視覚支援などを使って活動の見通しを伝えて、やるかやらないか選べるようにする、やりたくない行動は「×」などのジェスチャーで拒否すれば受け入れてもらえる、その場を離れてカームダウンスペースで落ち着けるなど、本人が拒否できる環境と手段を獲得していくことが必要です。ですがそんなことを試みる前に、言葉が増えてきて、言葉で伝えられるようになると、激しい他害・癇癪は減っていくということも実際には多いかもしれません。
お子さんがまだ発語は単語レベルという場合、言葉の理解もしているようで、複雑なところは十分に伝わっていないかもしれません。この段階では、叩いたことを謝るということにはこだわらなくてもいいかもしれません。「叩くー謝る」が、ただのパターンになって定着するだけになることもあります。叩くことがよくないことであることを伝えたいのであれば、〇と×を絵にかいて伝える(〇:「いや」のジェスチャーの絵、×:叩いている絵)とか、叩くとけがをして血が出てしまって泣いてしまう、というような場面をイラストにして伝えるなど、言葉だけではなく視覚的に伝える工夫もしてみるといいかもしれません。
お子さんが小さいころ、同世代の子どもが喜ぶ場所や、そこまで嫌がらない場面でも、自分の子どもだけが不機嫌になってしまうと、保護者としては困ってしまって、そうしたことが繰り返されると疲弊してしまうことがありますね。お子さんが一人ならお子さんに合わせて行動することができても、ほかのきょうだいもいたりすると対応できないこともあります。この子はこういう場面は苦手だからと、はっきり分かってしまえばそこには近寄らないようにすればよいですが、そこまで開き直るまでの期間が保護者としては苦い思い出になることもありますね。お疲れさまです。
まだ言葉が十分育っていない時期に、拒否やイライラを伝える手段として、「叩く」などの手段をとることがあります。もちろん不適切な表現であることは確かで、やめさせたいものではありますが、このことに対して「だめだよ」と言葉で叱っても効果はほとんどありません。嫌だということを伝える手段が獲得できれば叩くということをしなくてもよくなるのですが、簡単にはいかないです。視覚支援などを使って活動の見通しを伝えて、やるかやらないか選べるようにする、やりたくない行動は「×」などのジェスチャーで拒否すれば受け入れてもらえる、その場を離れてカームダウンスペースで落ち着けるなど、本人が拒否できる環境と手段を獲得していくことが必要です。ですがそんなことを試みる前に、言葉が増えてきて、言葉で伝えられるようになると、激しい他害・癇癪は減っていくということも実際には多いかもしれません。
お子さんがまだ発語は単語レベルという場合、言葉の理解もしているようで、複雑なところは十分に伝わっていないかもしれません。この段階では、叩いたことを謝るということにはこだわらなくてもいいかもしれません。「叩くー謝る」が、ただのパターンになって定着するだけになることもあります。叩くことがよくないことであることを伝えたいのであれば、〇と×を絵にかいて伝える(〇:「いや」のジェスチャーの絵、×:叩いている絵)とか、叩くとけがをして血が出てしまって泣いてしまう、というような場面をイラストにして伝えるなど、言葉だけではなく視覚的に伝える工夫もしてみるといいかもしれません。
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コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
ADHD(注意欠如・多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
SLD(限局性学習症)
LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
ADHD(注意欠如・多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
SLD(限局性学習症)
LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
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