「つま先立ち」は発達障害のサイン?不安だった乳幼児期の気になる行動。4歳の発達検査で指摘され…【専門家アドバイスも】
ライター:ネコ山
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現在5歳で発達障害グレーの息子。生後10ヶ月の赤ちゃん時期から気になる行動をはじめていました。
監修: 新美妙美
信州大学医学部子どものこころの発達医学教室 特任助教
2003年信州大学医学部卒業。小児科医師として、小児神経、発達分野を中心に県内の病院で勤務。2010年信州大学精神科・子どものこころ診療部で研修。以降は発達障害、心身症、不登校支援の診療を大学病院及び一般病院専門外来で行っている。グループSST、ペアレントトレーニング、視覚支援を学ぶ保護者向けグループ講座を主催し、特に発達障害・不登校の親支援に力を入れている。
多様な子育てを応援するアプリ「のびのびトイロ」の制作スタッフ。
つかまり立ちを始めたのは生後10ヶ月ごろ
生まれてからずっと発育が順調だった息子。しかし、生後10ヶ月ごろになっても、なかなかつかまり立ちをしはじめません。今まで順調に育っていたのに、どうしてつかまり立ちをしないのだろう?そう思った私は部屋の中の家具を見渡しました。すると、背の低い家具がないことに気づいたのです。
ローテーブルはあるものの、ハイハイ状態の赤ちゃんからすると手を伸ばしても届かない高さ…。そこでダンボールに本や雑誌を詰め込み、上部にタオルを貼りつけたお手製の台を作ってみました。物珍しいものに興味津々の息子はハイハイで近づき、そのまま一発でつかまり立ち成功!
ローテーブルはあるものの、ハイハイ状態の赤ちゃんからすると手を伸ばしても届かない高さ…。そこでダンボールに本や雑誌を詰め込み、上部にタオルを貼りつけたお手製の台を作ってみました。物珍しいものに興味津々の息子はハイハイで近づき、そのまま一発でつかまり立ち成功!
「やったー!」とうれしい気持ちと同時に、はじめてのつかまり立ちをした息子の足はつま先立ちで、まるで小鹿のように小刻みに震えていたのを覚えています。その後、息子は楽しそうにこの台でつかまり立ちをするようになりました。
それから数日後、低い台での練習を経てついにローテーブルでのつかまり立ちに挑戦!立ち方のコツをつかんだのか、まずはお座りをしてからテーブルに手を掛け、一気に立ち上がったのです。「やったー!すごいよ頑張ったね!」と私もはしゃぎ、息子の一つひとつの成長がうれしかったです。
それから数日後、低い台での練習を経てついにローテーブルでのつかまり立ちに挑戦!立ち方のコツをつかんだのか、まずはお座りをしてからテーブルに手を掛け、一気に立ち上がったのです。「やったー!すごいよ頑張ったね!」と私もはしゃぎ、息子の一つひとつの成長がうれしかったです。
つま先立ち…!?
つかまり立ちができるようになってから数日、息子がいつ転んでも助けられるように近くで構えていて気づいたことがあります。
それはずっとつま先立ちをしていること。
初めは「足の裏の感触が慣れないのかな?」と、思っていましたが、伝い歩きを少しだけしはじめてもつま先立ちのまま。たまにかかとを地面につけて足全体に重心を置くことはありますが、伝い歩きするときはつま先立ち。いや普通に疲れると思うんですが!?
つま先立ちが気になったのでインターネットで検索してみると『発達障害』の文字がたくさん浮かび上がってきました。その文字にドキリとしたことを覚えています。これが私が初めて発達障害という言葉を意識した出来事でした。
それはずっとつま先立ちをしていること。
初めは「足の裏の感触が慣れないのかな?」と、思っていましたが、伝い歩きを少しだけしはじめてもつま先立ちのまま。たまにかかとを地面につけて足全体に重心を置くことはありますが、伝い歩きするときはつま先立ち。いや普通に疲れると思うんですが!?
つま先立ちが気になったのでインターネットで検索してみると『発達障害』の文字がたくさん浮かび上がってきました。その文字にドキリとしたことを覚えています。これが私が初めて発達障害という言葉を意識した出来事でした。
発達障害について調べていくと、10ヶ月くらいの乳児にみられる発達障害かもしれない特徴がいくつか紹介されていました。しかし息子は、つま先立ち以外の特徴には当てはまりません…どういうこと?
保健師さんに相談してみた
私たちの住む自治体では、3歳までの乳幼児と保護者向けに予約なしで参加できる親子健康相談というのがあります。保健師さん・栄養士さんが常駐で、身長体重などの測定・発達や離乳食などの相談ができる行政サービスで、私たちはこちらをよく利用していました。主な目的は身体測定だったのですが、保健師さんにちょっとした悩みや疑問を話したり、アドバイスや知らなかった行政サービスを紹介してもらったり、初めての育児に奮闘する私にとって、心の支えのような存在でした。
この日も身体測定を目的に親子健康相談を訪れました。身長体重ともに成長曲線上振れの息子、「ほかに何か聞いておきたいことなどありますか?」と保健師さんに聞かれたので、最近気になっているつま先立ちについて話すことにしました。
つかまり立ちをし始めた月齢や、つま先立ちの様子などを話すと、保健師さんは「つかまり立ちしはじめたばかりだから、どんなもんかな〜こんな感じかな〜って模索してるんじゃないかな」とのことでした。
この日も身体測定を目的に親子健康相談を訪れました。身長体重ともに成長曲線上振れの息子、「ほかに何か聞いておきたいことなどありますか?」と保健師さんに聞かれたので、最近気になっているつま先立ちについて話すことにしました。
つかまり立ちをし始めた月齢や、つま先立ちの様子などを話すと、保健師さんは「つかまり立ちしはじめたばかりだから、どんなもんかな〜こんな感じかな〜って模索してるんじゃないかな」とのことでした。
その言葉に「確かに!つかまり立ちをはじめたばかりだから、きっとそうかも!立つことに慣れてきたり、歩きはじめたりしたらかかとをつけて歩くんじゃないかな」と、私も納得しました。
その日から息子がつま先立ちをしていても気にならなくなりました。
その日から息子がつま先立ちをしていても気にならなくなりました。
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しっかり歩くようになっても…
1歳ちょうどで1人歩きをはじめた息子は、靴を履いて外を散歩するようになりました。歩くときは足裏全体を地面につけてドテドテと歩く、いかにも幼児らしい歩き方でしたが、ふと見ると、つま先立ちをしていることがありました。本当に不意につま先立ちで歩くのです。
相談した保健師さんは「つかまり立ちをしはじめたばかりだから…」と、仰っていましたが、歩きはじめても息子はつま先立ちをしています。あれ?とは思いましたが、基本的に足裏をつけて歩いているし、たまにつま先立ちで歩いていても何も不都合なことがないので「よく分からないなぁ、個性的だなぁ」と思うに留まっていました。
発達検査で指摘された
4歳ちょうどで発達検査をしました。このころには、つま先立ちのことは私もすっかり忘れていたので、検査のときに指摘されたことが衝撃でした。
発達支援センターで心理士さんに検査をしていただいたのですが、検査以外の息子の様子も注視する心理士さん。
「つま先立ちが気になります」とのことでした。
どうやら息子のつま先立ちは、歩きはじめで模索中なのではなく、心理士さんにとって発達上、気になるポイントだったようです。
発達支援センターで心理士さんに検査をしていただいたのですが、検査以外の息子の様子も注視する心理士さん。
「つま先立ちが気になります」とのことでした。
どうやら息子のつま先立ちは、歩きはじめで模索中なのではなく、心理士さんにとって発達上、気になるポイントだったようです。
生後10ヶ月のころ、インターネットで検索したときに「つま先立ち」「発達障害」と出てきたのに、そのときは「発達障害かもしれない」とは疑いませんでした。それは当時の息子には、「つま先立ち」とともに記載されていた、逆さバイバイやくるくる回る、目が合わないといった様子はまったくなかったからです。
その後、5歳になった息子はADHD+ASDの傾向があり、児童精神科医からグレーゾーンの診断を受けることになるのですが…そのお話はまた次回以降に書きたいと思います。
その後、5歳になった息子はADHD+ASDの傾向があり、児童精神科医からグレーゾーンの診断を受けることになるのですが…そのお話はまた次回以降に書きたいと思います。
執筆/ネコ山
(監修:新美先生より)
つま先立ち歩きについて聞かせていただきありがとうございます。
確かに、「つま先立ち」で検索すると、「自閉症」「発達障害」のキーワードはけっこう出てくるので、心配になって受診したということはよく聞きます。また自閉スペクトラム症などの発達障害と診断されたお子さんの幼児期早期を振り返ると、つま先立ちで歩いていたという記録が残っていることはあります。ですが逆に、つま先立ち歩きをしているお子さんの大半は、特別何かの診断につながることはなくただの歩き方の個性だったということも多いのです。
特に、歩き始め数ヶ月程度は、歩き方を模索する過程で、一時的につま先立ち歩きをするお子さんは少なくありません。歩き始めの数ヶ月は何も気にしなくてよいでしょう。
歩き始めて1年以上経ってつま先立ち歩きが目立ち、足を床につくことができないぐらいかかとの関節やふくらはぎが固くなっている場合や、歩き始めよりも1年以上たってからの方がだんだん転びやすくなってきた場合、片足だけ明らかにつま先立ちでアンバランスな場合などは、まれに神経などの病気が隠れていることがあるので、一度受診をおすすめします。
かかとの関節が固いわけじゃなく足をついて歩くこともできるけど、ときどきつま先立ち歩きもするという場合の多くは、特別何かの診断につながるものではない、歩き方の個性の範囲のことが多いので、つま先立ち歩きだけで何かを疑って心配する必要はないでしょう。
自閉スペクトラム症のお子さんがつま先立ち歩きをすることがある理由として、足底の感覚が過敏で足底をべったりつきたくないという場合や、足底の感覚が鈍感でつま先に集中して感覚を入力したいという場合、体の使い方が不器用な場合などがあります。
つま先立ち歩きは確かに自閉スペクトラム症のお子さんにときどき見られる特徴ではあるのですが、つま先立ち歩きだけで自閉スペクトラム症だといえるものではないので、「こういう歩き方をする子なんだな、もしかしたら足の裏が敏感なのかもしれないな、だから靴下履くの嫌がるのかな?」などなど、お子さんの特徴の一つとしてただ観察していればいいと思います。
つま先立ち歩きについて聞かせていただきありがとうございます。
確かに、「つま先立ち」で検索すると、「自閉症」「発達障害」のキーワードはけっこう出てくるので、心配になって受診したということはよく聞きます。また自閉スペクトラム症などの発達障害と診断されたお子さんの幼児期早期を振り返ると、つま先立ちで歩いていたという記録が残っていることはあります。ですが逆に、つま先立ち歩きをしているお子さんの大半は、特別何かの診断につながることはなくただの歩き方の個性だったということも多いのです。
特に、歩き始め数ヶ月程度は、歩き方を模索する過程で、一時的につま先立ち歩きをするお子さんは少なくありません。歩き始めの数ヶ月は何も気にしなくてよいでしょう。
歩き始めて1年以上経ってつま先立ち歩きが目立ち、足を床につくことができないぐらいかかとの関節やふくらはぎが固くなっている場合や、歩き始めよりも1年以上たってからの方がだんだん転びやすくなってきた場合、片足だけ明らかにつま先立ちでアンバランスな場合などは、まれに神経などの病気が隠れていることがあるので、一度受診をおすすめします。
かかとの関節が固いわけじゃなく足をついて歩くこともできるけど、ときどきつま先立ち歩きもするという場合の多くは、特別何かの診断につながるものではない、歩き方の個性の範囲のことが多いので、つま先立ち歩きだけで何かを疑って心配する必要はないでしょう。
自閉スペクトラム症のお子さんがつま先立ち歩きをすることがある理由として、足底の感覚が過敏で足底をべったりつきたくないという場合や、足底の感覚が鈍感でつま先に集中して感覚を入力したいという場合、体の使い方が不器用な場合などがあります。
つま先立ち歩きは確かに自閉スペクトラム症のお子さんにときどき見られる特徴ではあるのですが、つま先立ち歩きだけで自閉スペクトラム症だといえるものではないので、「こういう歩き方をする子なんだな、もしかしたら足の裏が敏感なのかもしれないな、だから靴下履くの嫌がるのかな?」などなど、お子さんの特徴の一つとしてただ観察していればいいと思います。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
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