小さな暴走機関車!?違和感だらけのASD長男の幼少期。入園式で大暴れ、両親はボロボロに…もう手に負えない!と発達相談に駆け込んで【新連載】
ライター:よいこ
初めまして。長男あー、次男いーの4歳差男子育児に奮闘中のよいこです。長男あーには自閉スペクトラム症、次男いーにはADHDがあります。そして、母である私もADHDグレーゾーン、夫も発達障害グレーゾーン疑惑(?)という発達凸凹な4人家族です。今回は長男あーの1、2歳から幼稚園入園した頃の様子についてご紹介します。
監修: 森 しほ
ゆうメンタル・スキンクリニック理事
ゆうメンタルクリニック・ゆうスキンクリニックにて勤務。産業医として一般企業のケアも行っている。
・ゆうメンタルクリニック(上野/池袋/新宿/渋谷/秋葉原/品川/横浜/大宮/大阪/千葉/神戸三宮):https://yuik.net/
・ゆうスキンクリニック(上野/池袋/新宿/横浜):https://yubt.net/
言葉も早く、目も合ったけど...言いようのない違和感があった幼少期
長男あーは3歳半健診で自閉スペクトラム症(ASD)疑い、4歳で正式に診断されました。 そこから紆余曲折を経て、今は特別支援学級(情緒障害学級)在籍の小学6年生。健康と折れない心が取り柄のあーくんも、来年からは中学生です。
1、2歳頃のあーは、言葉も早く目もよく合う子どもで、いわゆる発達障害の代表的な症状が出現していませんでした。でも、言いようのない違和感は、その頃からずっと付きまとっていたように思います。
例えば、真夏の炎天下で1時間でも2時間でも用水路に石を投げ入れ続ける。何度呼んでも振り向かない。「自分でしたい」という欲がなく(いわゆるイヤイヤ期がない)、なんでもずっと人にやってもらっていて、それに対する疑問がない。きちんと座ることができず常に軟体動物のよう……。
どんなに言い聞かせても、時に(時にでもないけどよ)怒っても伝わっている感じもなく、私の怒り声が全く聞こえていないか、あるいは聞こえたとしても怒られたこと自体にショックを受けて泣くかのどちらか……。私はそんなあーの様子にイライラを募らせて、ただただ親子仲が不穏になっていく日々を過ごしていたのでした。
1、2歳頃のあーは、言葉も早く目もよく合う子どもで、いわゆる発達障害の代表的な症状が出現していませんでした。でも、言いようのない違和感は、その頃からずっと付きまとっていたように思います。
例えば、真夏の炎天下で1時間でも2時間でも用水路に石を投げ入れ続ける。何度呼んでも振り向かない。「自分でしたい」という欲がなく(いわゆるイヤイヤ期がない)、なんでもずっと人にやってもらっていて、それに対する疑問がない。きちんと座ることができず常に軟体動物のよう……。
どんなに言い聞かせても、時に(時にでもないけどよ)怒っても伝わっている感じもなく、私の怒り声が全く聞こえていないか、あるいは聞こえたとしても怒られたこと自体にショックを受けて泣くかのどちらか……。私はそんなあーの様子にイライラを募らせて、ただただ親子仲が不穏になっていく日々を過ごしていたのでした。
幼稚園入園式でのハプニング!
そんな長男あーも3歳になり、幼稚園へ入園する時がやってきました。お友達ができるのか、先生の言う通りに動けるのか(一斉指示が通るか)、みんなと同じ行動ができるのか……不安半分、期待半分で入園の日を迎えました。
なんといっても第一子の入園式、キラキラの思い出に……なるはずでしたが、教室で同い年の子どもたちがみんな大人しく座っている中、あーは1人走り回り、式本番では見かねて押さえつけようとした夫のメガネを破壊、私の借り物のコサージュも破壊……!
もうご家庭では手に負えない! と市の3歳半健診で前のめりに相談しましたが、児童精神科の受診はなんと半年待ち。その後、ようやく自閉スペクトラム症の診断が出て、療育へとコマを進めることができたのでした。
なんといっても第一子の入園式、キラキラの思い出に……なるはずでしたが、教室で同い年の子どもたちがみんな大人しく座っている中、あーは1人走り回り、式本番では見かねて押さえつけようとした夫のメガネを破壊、私の借り物のコサージュも破壊……!
もうご家庭では手に負えない! と市の3歳半健診で前のめりに相談しましたが、児童精神科の受診はなんと半年待ち。その後、ようやく自閉スペクトラム症の診断が出て、療育へとコマを進めることができたのでした。
実は、長男あーだけではなかった…次男いー、そして両親にも特性が?
長男あーの怒涛の育児に追われる中、4歳差で誕生した次男の「いー」。あーと比べて、なんて穏やかで育てやすい子なの! と思っていた私ですが、実はいーにも特性があり、のちに「不注意優勢型のADHD」であることが発覚。かく言う母の私も、大人になってから発達検査を受けてADHDグレーゾーンということが分かりました。さらに、夫も未診断ながら、発達の偏りがかなり強めなタイプなんです。
そんな4人が集まった発達凸凹ファミリー、斜め上の出来事がたーくさん!起こります。もう私のお腹はいっぱい……主にASD長男あーのエピソードが中心とはなりますが、いろいろ話を聞いてやってくださいよ。
そんな4人が集まった発達凸凹ファミリー、斜め上の出来事がたーくさん!起こります。もう私のお腹はいっぱい……主にASD長男あーのエピソードが中心とはなりますが、いろいろ話を聞いてやってくださいよ。
執筆/よいこ
(監修:森先生より)
ひとことで「発達障害」といっても、その表れ方は多種多様、度合いもさまざまです。症状の出方や程度が異なるのがスペクトラムと言われる所以です。発達障害の原因はまだ分かっていませんが、遺伝的な要素と環境的な要素が絡み合っていると考えられているため、遺伝子も環境も近い家族は、どうしても発達の傾向が似ている場合が多くなってきます。家庭内の一人が支援に結びつくと、家族のほかのメンバーも発達の偏りを自覚しやすく、結果的にお互いを理解するきっかけとなることも多いのです。
発達障害の診断がなかったとしたら、そのようなきっかけもなく過ごしていたかもしれません。発達障害があろうとなかろうと、家族といえども価値観も考え方もそれぞれに違うのに、そのことに気づかずに暮らしている家庭もたくさんあるわけです。家族のメンバーがそれぞれに違うことを理解しあえるということは、かえってラッキーなことかもしれませんね。
ひとことで「発達障害」といっても、その表れ方は多種多様、度合いもさまざまです。症状の出方や程度が異なるのがスペクトラムと言われる所以です。発達障害の原因はまだ分かっていませんが、遺伝的な要素と環境的な要素が絡み合っていると考えられているため、遺伝子も環境も近い家族は、どうしても発達の傾向が似ている場合が多くなってきます。家庭内の一人が支援に結びつくと、家族のほかのメンバーも発達の偏りを自覚しやすく、結果的にお互いを理解するきっかけとなることも多いのです。
発達障害の診断がなかったとしたら、そのようなきっかけもなく過ごしていたかもしれません。発達障害があろうとなかろうと、家族といえども価値観も考え方もそれぞれに違うのに、そのことに気づかずに暮らしている家庭もたくさんあるわけです。家族のメンバーがそれぞれに違うことを理解しあえるということは、かえってラッキーなことかもしれませんね。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
ADHD(注意欠如・多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。