発達検査をしてみて

場面緘黙の次女は家族以外と話せないので、次女自身の本来の能力を見ることができるのがほとんど保護者(私か夫)に限られてしまい、常に「本当に大丈夫か」「本当にこの判断でいいのか」という葛藤と共に過ごしてきました。

今回の検査で、次女の成長を感じたと同時に、客観的な視点(検査結果)が得られたことにとても安心しました。今までなんとなくブラックボックスだった次女自身の能力に少し光があたり、次女への関わり方の道筋が、今までより見えやすくなったように感じたのでした。
執筆/まりまり
(監修:新美先生より)
場面緘黙の娘さんの発達検査についてのエピソードを教えて下さりありがとうございます。
場面緘黙がある場合でも、言葉を使わずに知的水準を測るフォーマルな検査もいくつかあり、またWISCなどでも言葉を使わない検査のみ実施するという場合もあります。また音声言語で話せなくても、筆談ができるならそれで言語性の水準も(参考値になりますが)算出できることもあります。といっても緘黙の方は、緘動(動けなくなってしまう)になってしまうこともあり、検査自体実施できないということもあります。無理して検査を実施しようとして、検査自体を嫌な記憶にしてしまうと、その後も抵抗感が強まってしまうこともあります。実施できない場合は無理せず、時を待つのがよいでしょう。成長して検査の目的を理解して実施のモチベーションを持てるようになったり、話せずとも他者との関わりに抵抗感が減ってきたりすることで、まりまりさんの次女さんのように、再挑戦で検査を受けることができるようになることはよくあります。フォーマルなアセスメントを受けることは必須ではないけれど、客観的な指標が見えたことで、ご本人の特徴や支援の方向性の参考になることもありますよね。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

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