発達障害の息子は自立していける?「親なきあと」に必要な3つの要素とは?

ライター:LITALICOライフ
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発達障害がある子の場合、子どもたちを見守る保護者にとって、「自分がいなくなったあと、この子はどうやって一人で生きていくんだろう」というのは、切実な悩みなのではないでしょうか。学校の先生や病院・療育施設の先生、身近な人に改めて相談しにくいそんな悩み。今回は発達障害のあるお子さまの保護者向けに開催された「親なきあとのお金と自立」をテーマにしたオンライン勉強会体験ルポをお届けします。

息子は自立して一人で生活していける?イメージが湧かず不安…

LITALICOライフの勉強会について、ある高校2年生のお子さんのお母さまの体験ストーリー仕立てでご紹介します。

高校2年生の息子は、ASD(自閉スペクトラム症)の診断があります。

小学校・中学校と、学校の先生や療育施設の先生方と相談した上で通常学級に所属していますが、なかなか周囲になじめず不登校気味です。今は自分の好きなゲームを通じて友人ができ、楽しそうに過ごしている姿も見られるようになってきましたが、ゲームばかりの日常に不安を感じています。

そんな息子も来年には中学卒業。これからの進路を考えるタイミングです。親としては将来的には就職をして一人で生活していけるよう自立してほしいと考えています。
発達障害のあるわが子に、将来は自立してほしいと考えている保護者のイメージ
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とはいえ、これまで時には不登校になり、家に引きこもってゲームばかりの姿を見てきた親からすると、本当に息子が将来自立できるのか、周りとコミュニケーションを取りながら一人で生活できるのかというイメージがなかなか湧かないのが正直なところ。

漠然とした不安を抱えた中で見つけたのは、発達障害のある子の「親なきあと」の自立を考えるオンライン勉強会のお知らせでした。
「親なきあと」というとまだ先のような気もしますが、何があるか分からない世の中。少しでも今の不安を軽くする手助けになれば……。そんな思いで参加を申し込みました。

自立した生活を営んでいくために。要素は「仕事」「住まい」「お金」の3つ

オンライン勉強会には小学生〜大学生の子どもがいる保護者まで、幅広い層が参加していました。

それぞれ知りたいことや不安に感じていることは違いましたが、共通して「自分たち親がいなくても子どもたちが生きていくために、親に何ができるのか」という悩みを持っていて、同じように感じているのは自分だけじゃないんだと少しホッとしました。

講師の方からは、子どもが自立して生活していくためには「仕事」「住まい」「お金」の3つの要素が関係してくること、今日のオンライン勉強会では3つそれぞれについて基本的な考え方を解説するというお話がありました。

まず「仕事」に関しては、一般就労と福祉的就労の大きく分けて2つがあること。さらにその中でも、一般雇用と障害者雇用、就労継続支援A型と就労継続支援B型に分けられることの解説がありました。
一般就労と福祉的就労という仕事の選択肢について説明を受けているイメージ
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それぞれの働き方によって障害者手帳の有無や雇用契約の有無など、細かい条件が異なります。その上で、特性に合わせて労働条件、労働時間などが変わり、賃金にも影響があることが分かりました。

金銭面だけで見れば、一般雇用が最も平均賃金が高くなりますが、無理をして働いて身体を壊しては元も子もありません。どういう働き方が息子に合っているのか、その働き方を選んだ時に収支のバランスがどうなるのか、継続的に生活していけるのかを考える必要があると感じました。

成年後見制度?「お金」の面は親も分からないことだらけ。専門家の力を借りてもいいかも

最後に大事な「お金」に関するお話がありました。お金については、収入を得る方法、お金を管理する方法、お金を準備する方法の3つが考え方の基本になるとのこと。

どんな仕事、どんな住まいを選ぶかによって得られる収入、必要になる支出は変わってきます。その上で状況の変化があったとしても対応できることが重要で、障害基礎年金など公的な支援を受けるのか、それとも親が資産を残しておいて子どもが使えるように手続きを進めておくのかなど、さまざまな知識を使って準備をしておく必要があると感じました。

「成年後見制度」や「信託」など、耳にしたことはあってもなんとなくきちんと理解はできていない言葉・制度の説明もあり、勉強になりました。
変化にも対応できることの重要性について考える保護者のイメージ
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息子や家族の生活はこれから何十年と続いていきます。発達障害の特性が見られる息子がスムーズに自立するのは難しいかもしれません。高い給料をもらう職業につくのは難しかったり、時には不登校になった時のように働けなくなったりすることもあるかもしれません。

でも今回の勉強会に参加してみて感じたのは、「もしも」の時に受けられるサポートや選べる選択肢はたくさんあること、そして「息子にとっての自立をどう考えるか」「どれくらいの金額が自立のために必要なのか」を具体的に見通しをつけることで、今から準備できることがたくさんあるということです。

特にお金のことについては専門家の知見も交えてアドバイスをいただきたいので、LITALICOの個別相談に申し込み、具体的な準備の方法について相談できたらと思います。

早すぎることはない!「親なきあと」の自立について考えるきっかけに

LITALICOライフでは、保護者さま向けの無料オンライン勉強会『親なきあとのお金と自立』を開催中です。
無料保護者向け勉強会「発達障害がある子の親なきあとの自立」日程・詳細はこちら
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

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