一緒に困りごとを目撃した私と夫。このことで夫婦関係に変化が
入園式のあと夫と相談し、医療に一刻も早くつながることを目指しました。
それまで仕事で家にほとんどおらず、息子の様子をほぼ知らなかった夫は、私が話す息子のこだわりは私の気にしすぎだと思っていたところがありました。発達支援センターに定期的に通っていたことも、当初の悩みの種であった言葉の遅れが解消してからは無意味だろうと言っていました。私が息子に困りごとがあると思い込み、大騒ぎして障害児に仕立てようとしているのではないかと言われたこともありました。
しかしながら入園式でのパニックを見て、息子本人が困っていることに気づき、親が手助けできることはやってやりたいと言ってくれるようになりました。受診の状況や、幼稚園とのやりとりの話について関心をもって聞いてくれ、2人でどうするかを考えられるようになり、私は心からほっとしました。
それまで仕事で家にほとんどおらず、息子の様子をほぼ知らなかった夫は、私が話す息子のこだわりは私の気にしすぎだと思っていたところがありました。発達支援センターに定期的に通っていたことも、当初の悩みの種であった言葉の遅れが解消してからは無意味だろうと言っていました。私が息子に困りごとがあると思い込み、大騒ぎして障害児に仕立てようとしているのではないかと言われたこともありました。
しかしながら入園式でのパニックを見て、息子本人が困っていることに気づき、親が手助けできることはやってやりたいと言ってくれるようになりました。受診の状況や、幼稚園とのやりとりの話について関心をもって聞いてくれ、2人でどうするかを考えられるようになり、私は心からほっとしました。
児童精神科を受診し診断へ。問題なく幼稚園時代を過ごし小学生へ……
その後はすぐに児童精神科を受診し、自閉スペクトラム症(ASD)の診断を受けました。幼稚園の先生方には丁寧に対応してもらったため、幸いにもスムーズに通い、無事卒園しました。そして小学校の入学式では希望者のみの前日リハーサルに参加し、当日は落ち着いて参加できました。入園式の大パニックの経験をいかすことができ、何事もなく終わってほっとしました。
小学校の1年、2年生のあいだは週に2時間、通級指導教室に通い、通級指導教室の担任、通常学級の担任との3人共有の連絡帳のおかげで、ちょっとした困りごともいち早く先生方に伝えられ、即座に対応してもらえました。このことで、「困ったときは先生が助けてくれる」安心感が息子の中でアップしたこともよかったです。
私の住む地域では通級指導教室は原則1年限り(延長しても2年まで)とのことで、2年生で通級を卒業しました。3年生の今は問題なく学校に通っていますが、もし困りごとが目立つようなら、再入級を打診するつもりです。
小学校の1年、2年生のあいだは週に2時間、通級指導教室に通い、通級指導教室の担任、通常学級の担任との3人共有の連絡帳のおかげで、ちょっとした困りごともいち早く先生方に伝えられ、即座に対応してもらえました。このことで、「困ったときは先生が助けてくれる」安心感が息子の中でアップしたこともよかったです。
私の住む地域では通級指導教室は原則1年限り(延長しても2年まで)とのことで、2年生で通級を卒業しました。3年生の今は問題なく学校に通っていますが、もし困りごとが目立つようなら、再入級を打診するつもりです。
「困ったことは工夫すれば対処できる!」ことを経験してのびやかに育ってほしいです
入園式以前は、自閉スペクトラム症(ASD)だとしても困り感は少ないだろうと思っていました。数字に強く、文字が読めるようになったのも早かったですし、語彙も豊富でよくしゃべるし、IQも高めだったので安心していた部分もありました。
ですが、入園式の様子を見て、できることとできないことの凸凹が激しいところがあると痛感しました。早めに医療とつながり、診断名がついたことで、親や本人のわがままではなくできないことがあると学校側に伝えられたことは助かりました。今も息子にはしつこいくらいに予定を伝え、一緒に確認することで、息子が誤解する余地を与えないように気をつけることでパニックを防いでいます。
今後、息子には困ったときに「困っています」と自分で言える子になってほしいです。匂いに敏感で通れない場所があったりするのですが、エッセンシャルオイルを持ち歩くことで通ることができるようになりました。こんな風に困ったことがあっても工夫すれば対処できるといった経験を積みながら、自分でどうすればよいかを考えられるようになってほしいです。
願わくば、自身の特性に引け目を感じないでのびやかに育ってくれればと思います。
イラスト/海乃けだま
エピソード参考/いこま
(監修:鈴木先生)
神経発達症のお子さんは「ちょっと」とか「少し」のような抽象的な表現の理解が苦手です。具体的に30秒とか時計で示すか、砂時計などを利用して視覚的に訴えることが必要となります。早めに診断することで今後の方向性もわかり、前もって対処することも可能になります。世間のASDに対する理解が広まれば、「自分はASDなので〇〇なことは苦手です」とか「具体的に話してください」などと普通に自己紹介できる社会になっていくのではないかと常々思っています。
ですが、入園式の様子を見て、できることとできないことの凸凹が激しいところがあると痛感しました。早めに医療とつながり、診断名がついたことで、親や本人のわがままではなくできないことがあると学校側に伝えられたことは助かりました。今も息子にはしつこいくらいに予定を伝え、一緒に確認することで、息子が誤解する余地を与えないように気をつけることでパニックを防いでいます。
今後、息子には困ったときに「困っています」と自分で言える子になってほしいです。匂いに敏感で通れない場所があったりするのですが、エッセンシャルオイルを持ち歩くことで通ることができるようになりました。こんな風に困ったことがあっても工夫すれば対処できるといった経験を積みながら、自分でどうすればよいかを考えられるようになってほしいです。
願わくば、自身の特性に引け目を感じないでのびやかに育ってくれればと思います。
イラスト/海乃けだま
エピソード参考/いこま
(監修:鈴木先生)
神経発達症のお子さんは「ちょっと」とか「少し」のような抽象的な表現の理解が苦手です。具体的に30秒とか時計で示すか、砂時計などを利用して視覚的に訴えることが必要となります。早めに診断することで今後の方向性もわかり、前もって対処することも可能になります。世間のASDに対する理解が広まれば、「自分はASDなので〇〇なことは苦手です」とか「具体的に話してください」などと普通に自己紹介できる社会になっていくのではないかと常々思っています。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
ADHD(注意欠如・多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
ADHD(注意欠如・多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
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