夫が息子の障害受容をしたきっかけは

ですが、その後も発達検査を半年~1年に1度くらいのペースで受けることになり、そのつど夫婦で同席するようになっていく中で、夫の息子への理解も少しずつ変わっていったように感じています。

「根性論だけで叱っても、息子には伝わらない」
「息子に何かを伝えるときは、息子が分かるよう工夫して伝えないといけない」

といったことを感じたのではないかと思います。また、テレビで児童精神科を舞台にしたドラマが放映されていたとき、私が毎回録画して見ていたら、夫も一緒に見るようになりました。

そのときにドラマに出てきた発達障害の子どもたちの行動パターンやしゃべり方が、うちの息子にそっくりだったのを見て、夫はどこか腑に落ちた様子だったようでした。その頃あたりから、息子を怒鳴りつける回数は減ったように思います(ゼロになったわけではありませんが)。わが家では、あのドラマの効果は結構あったように思いました。
ドラマ内の発達障害の子どもたちの行動パターンやしゃべり方がうちの息子にそっくりだったのを見てどこか腑に落ちた様子だった夫
ドラマ内の発達障害の子どもたちの行動パターンやしゃべり方がうちの息子にそっくりだったのを見てどこか腑に落ちた様子だった夫
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子育てをすることで分かった夫の別な一面。これからも話し合って進んでいきたい

子育てが始まるまでは、夫のことを「情緒の安定した、できた人」だと思っていました。ですが、特性のある息子の子育てが始まってからは、受け入れがたい出来事に直面した時の対応の難しさなど、夫の子どもっぽい面にも気づきました。おそらく、夫から見た私も然りなのではないかと思います。

でも、何かあるたびに、話し合って二人で決めていく姿勢は、子どもが生まれる前と変わりません。そこは今後も変えずにいけたらなと思っています。
イラスト/SAKURA
エピソード参考/苗

(監修:室伏先生より)
旦那様の息子さんへの接し方の変化や、それに対する苗さんのお気持ちを共有してくださり、ありがとうございます。外来でも、ご家族間(お父様だったり、おじいさま・おばあさまだったりさまざまです)での意見の違いについてご相談をいただくこともありますし、共感される読者様も少なくないかもしれません。子どもが可愛くてしょうがなくて、みんな子育てに一生懸命だからこそ、価値観の衝突が生じることもあるでしょうし、家族そして自身の喜怒哀楽さまざまな感情に気づく場でもありますよね。特性を理解することは、発達障害についての知識がないとなかなか難しいことですし、旦那様もとても戸惑われたと思います。旦那様はさまざまな葛藤を乗り越えて知ろうとしてくださり、苗さんは旦那様のお気持ちを考えられて理解してくださるのをぐっと待たれたのだと思います。とても素晴らしいことだと思います。
これからも素敵なご夫婦、ご家族でいらっしゃることと思います。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
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