息子の他害行為に変化が?

息子が年中になった時、児童発達支援に年少のお友達が入ってきました。そのお友達はよく走るお子さんで、その子のあとを追いかけるのが楽しい息子は、お友達と会えるのを楽しみにしていました。

その日も息子は、お友達と一緒に走るのを楽しみに登園しました。ただ、いつもそのお友達のママが「一緒に走ろう」と誘ってくれるのですが、その日はママはおらずそのお友達だけでした。息子は一緒に走りたいのに、お友達は誘っても走ってくれません。すると息子は、泣きべそをかきながら、そのお友達の髪を引っ張ってしまいました。私は慌てて止めましたが、その一方で「あること」にびっくりしました。

それまでの息子は人ではなく物に関心があり、それまでの他害行為は欲しい物が手に入らないから、相手の髪を引っ張ることばかりでした。ですが、この時初めて物ではなく人に関心を持ち、一緒に遊んでほしくて怒ったのです……。

他害行為は決して許されることではないのですが、物ではなく人に関心をもつようになった息子の変化に驚きました。

年長で他害行為は減り、小学生になった今は友達とのトラブルはなくなりました

年長に入ってからは児童発達支援でもこども園でも他害行為はほとんどなくなりました。少し言葉も増え、気持ちを伝えられるようになったというのもありますし、環境に慣れたというのもあったからだと思います。

就学前は、子ども園には通わず児童発達支援だけ通わせればよかったのかと何回も思いましたが、小学校に入学して間もないまだ慣れていない時にこども園のお友達と昼休み遊んでいた話を担任の先生から聞き、こども園にも通わせていてよかったと思いました。

9歳になった息子は、お友達のことが大好きです。今はお友達とのトラブルはありません。ただ先生の言うことを聞けないとき、特に好きなことをしている場面で切り替えられないとき、先生や支援員さんに対してひっかいたり、髪を引っ張るなどの他害行為が出てしまうことがあるようです。
他害行為が完全になくなったわけではないので、もっと気持ちを伝えられるようになれるといいなと思っています。他害という形ではなく、気持ちがきちんと伝えられたり、切り替えができたり、気持ちのコントロールができるように成長していってくれたらと願っています。
9歳になった息子は、お友達のことが大好きです。今はお友達とのトラブルはありません。
9歳になった息子は、お友達のことが大好きです。今はお友達とのトラブルはありません。
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イラスト/カタバミ
エピソード参考/ゆきこ

(監修:鈴木先生より)
自閉スペクトラム症の他害行為は一種の縄張り意識の現れとも考えられています。相手が自分の縄張り範囲内に入り近づくと攻撃する場合がみられます。ただ、環境に慣れたり、言葉が増えてきたりするとこうした縄張り意識は軽減していくこともあります。知的発達症を伴っていると言葉での説明が難しいことも多く、気持ちがうまく伝えられない場合にはどうしても手が先に出てしまいがちです。他害行為をしない環境に配慮するような工夫が大事です。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。


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