突然のめまいや吐き気、頭痛…発達障害と関係が?成人して見つけた「名もなき不調」との付き合い方

ライター:寺島ヒロ
突然のめまいや吐き気、頭痛…発達障害と関係が?成人して見つけた「名もなき不調」との付き合い方のタイトル画像
Upload By 寺島ヒロ

ASD(自閉スペクトラム症)のある子どもとの日々は、予測不可能な状況に常に立ち向かわなければなりませんが、特に私が悩まされたのが突然の体調不良。昨日まで楽しみにしていたのに朝具合が悪いとか、ルンルンで出かけたのに出かけた先で気分が悪くなってお迎えとか……。病気や怪我とは言えない名前のつけにくい「不調」がしょっちゅう出てくるのです……。

監修者室伏佑香のアイコン
監修: 室伏佑香
東京女子医科大学八千代医療センター 神経小児科
名古屋市立大学大学院 医学研究科 生殖・遺伝医学講座 新生児・小児医学 博士課程
筑波大学医学部卒。国立成育医療研究センターで小児科研修終了後、東京女子医科大学八千代医療センター、国立成育医療研究センター、島田療育センターはちおうじで小児神経診療、発達障害診療の研鑽を積む。 現在は、名古屋市立大学大学院で小児神経分野の研究を行っている。

気圧の少しの変化に弱いASD息子

わが家の凸凹きょうだいの兄タケル(自閉スペクトラム症(ASD)・22歳)は特に「こまめに」体調が悪くなるタイプ。
大きな病気をしたことはないのですが、暑いと言っては目を回し、寒いと言っては硬直し、気圧が下がれば頭痛が起こり、上がれば吐き気を催します。
暑いと言っては目を回し、寒いと言っては硬直するASD息子
暑いと言っては目を回し、寒いと言っては硬直するASD息子
Upload By 寺島ヒロ
さらに聴覚過敏もあるので、大きな音がすると頭が真っ白になって、今自分が何をしようとしていたのか、どういう状況なのか分からなくなり強い不安に襲われてしまうようなこともありました。
外であれば、ブルブル震えてその場から動けなくなってしまうようなこともあったのです。

自分の体が思うように動かずパニックに……!

タケルが幼く、また、本人も発達障害についてよく知らなかった頃は、その都度「全てが曖昧で体が動かない!」「なんだか黒いものが足元にあるようだ! 見てもないけどあるような気がする!!」とパニックを起こしていました。
親のほうも、本当になぜこんなにしょっちゅう具合が悪くなるのか分からず、タケルが出かける予定先に連絡をしたり、自分がスケジュールのやりくりをしたりすることが大変で、ほとほと困り果てていました。

パターンを覚えて、便利なデジタル機器で先読み!

今でも、その「変化に弱い体質」が治ったわけではありませんが、タケル本人や周りにいる人たちが、タケルの不調が起こるパターンを考慮して予定を入れることで、ある程度不調が起こる頻度を抑えられるようになりました。
お天気や人出の多さを考慮して出かける場所や時間を調整!
お天気や人出の多さを考慮して出かける場所や時間を調整!
Upload By 寺島ヒロ
また、ノイズキャンセラー(ノイズキャンセリングイヤホン)を使うことで、大きな音からのストレスを軽減したり、低気圧が近づくと教えてくれるスマートフォンのアプリを使って、気圧の変化が大きくなりそうなときは早めに帰宅するようにしたりしています。
児童支援最大化バナー
PLUSバナー

ASDの「特性」がなくなるわけではないけれど……

タケル本人も20歳を過ぎた頃から、一人の時に具合が悪くなってもパニックを起こさず、「自分で連絡して予定を変える」「しばらく安全なところで休む」「病院に行ったほうがいいか周囲の人に聞く」などの対処ができるようになりました。
 
発達障害があっても、ちゃんと成長してるんだなあと思ったものです。
執筆/寺島ヒロ

(監修:室伏先生より)
タケルさんの体調不良と、それに対するヒロさん・タケルさんの工夫について共有くださり、ありがとうございます。
予測できない体調不良、タケルさんもヒロさんもおつらかったですね。まだうまく言語化できない年齢、発達段階のお子さんも、周囲には理解しにくいさまざまな不調や不快と戦っているのだろうな、と考えさせられました。
タケルさん、そしてご家族が不調を予測して予定を上手に組まれているご様子、素晴らしいですね! 不調と上手に付き合ったり、対処ができるようになっていることは、タケルさんにとって大きな自信につながっていることと思います。
前の記事はこちら
https://h-navi.jp/column/edit/article_parts/35029751
感覚過敏、感覚回避、感覚鈍麻、感覚探求。感覚の偏り4つのパターンを解説ーーマンガで学ぶ感覚過敏【専門家監修】のタイトル画像

感覚過敏、感覚回避、感覚鈍麻、感覚探求。感覚の偏り4つのパターンを解説ーーマンガで学ぶ感覚過敏【専門家監修】

偏食・好き嫌いが激しいのタイトル画像

食べられる味付けと、そうでないものがあるときは…

外食時の体調不良、ついに理由が判明!早速取り入れた「あるアイテム」発達障害小3娘の反応は..?のタイトル画像

外食時の体調不良、ついに理由が判明!早速取り入れた「あるアイテム」発達障害小3娘の反応は..?

【医師が解説】子どもの繰り返す嘔吐「自家中毒」とは?原因と発達障害との関連、家庭での対処法のタイトル画像

【医師が解説】子どもの繰り返す嘔吐「自家中毒」とは?原因と発達障害との関連、家庭での対処法

深夜1時まで寝つけず癇癪!静かな夜、聴覚過敏のある自閉症息子が「うるさい!」と嘆いたのは…【専門家アドバイスも】のタイトル画像

深夜1時まで寝つけず癇癪!静かな夜、聴覚過敏のある自閉症息子が「うるさい!」と嘆いたのは…【専門家アドバイスも】

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。


児童支援最大化バナー
PLUSバナー


年齢別でコラムを探す


同じキーワードでコラムを探す



放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

コラムに対する投稿内容については、株式会社LITALICOがその内容を保証し、また特定の施設、商品及びサービスの利用を推奨するものではありません。投稿された情報の利用により生じた損害について株式会社LITALICOは一切責任を負いません。コラムに対する投稿内容は、投稿者の主観によるもので、株式会社LITALICOの見解を示すものではありません。あくまで参考情報として利用してください。また、虚偽・誇張を用いたいわゆる「やらせ」投稿を固く禁じます。「やらせ」は発見次第厳重に対処します。