「誰に相談すればいい?」娘が知的障害と診断されネット検索する毎日。悶々とする私の価値観を変えたのは

ライター:よしだ
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わが家の長女は中学1年生。軽度知的障害・ASD・場面緘黙の診断を受けています。今日は子育てに悩みすぎてあるところに相談に行ったお話をさせていただきたいと思います。

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監修: 森 しほ
ゆうメンタル・スキンクリニック理事
ゆうメンタルクリニック・ゆうスキンクリニックにて勤務。産業医として一般企業のケアも行っている。 ・ゆうメンタルクリニック(上野/池袋/新宿/渋谷/秋葉原/品川/横浜/大宮/大阪/千葉/神戸三宮):https://yuik.net/ ・ゆうスキンクリニック(上野/池袋/新宿/横浜):https://yubt.net/

検索に検索を重ねる日々

わが子を育てるなかで不安を感じたとき、またはわが子に障害や生きづらさがあると分かった後、保護者が必ずすることといえばインターネット検索ではないでしょうか。

この子はなぜこのような行動をするのか、保護者としてどう対応していけばいいのか……。私もスマートフォンにかじりついて検索をしていました(その時にこちらのLITALICO発達ナビを見つけて、延々と記事を読んでいたことを思い出します)。難しい言葉で書かれた専門的なWebサイトはよく分からないけれど、発達ナビには、同じような特性を持った子どもを育てている人がいること、子育てをしていて同じような気持ちを共有できる人がいるということを知り、それは私の心の支えになりました。
発達ナビのコラムが心の支えになっていた
発達ナビのコラムが心の支えになっていた
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発達障害関連のセミナーに参加して

私は長女が小学6年生の時に、「もっと子どものためにできることを知りたい」と考えて発達障害関連のセミナーに参加したことがあります。発達障害や生きづらさを抱えた子どもの保護者向けセミナーは、おそらくたくさんあると思います。私はインターネットで見つけたそのうちの一つに申し込みました。
セミナーの講師に悩みを相談すると……。
セミナーの講師に悩みを相談すると……。
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セミナーの講師の方は発達障害があるお子さんを育てていて、一対一で私の話を聞いてくださいました。当時の私の悩みと言えば、目前に迫った長女の修学旅行でした。新しい場所が不安な長女のため、インターネットで宿泊先の画像を見せたりスケジュールを事前に確認したりと対策していましたが、長女の不安感は相変わらず残っていたからです。

その話を講師の方にすると、さらりと「修学旅行、行かなければいいじゃないですか」と仰いました。私はその時本当に驚きました。今の今まで、「行かない」という選択肢を考えたことがなかったのです。学校行事は必ず参加するものだと思い込んでいた私はなんて狭い価値観を持っているのだと感じました。
家族や学校以外に相談できる第三の場所も時には必要なのかもしれない
家族や学校以外に相談できる第三の場所も時には必要なのかもしれない
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第三者に相談したことで

もし、長女が本当に行きたくないと感じているなら修学旅行に行くのを辞めさせたと思います。このセミナーを受けたことで、私の固まった価値観を訂正してもらえた気がしました。長女の場合は、行きたいけれど不安があって行けないので、今回のアドバイスは当てはまりませんが、第三者に相談するのは大切だなと感じました。

障害のある子どもについて相談に行ったり学校とやり取りをしたりしているのは、おそらくほとんどが母親だと思います。夫婦で子どもについての話し合いがうまくいかなかったり、ひとりで抱えてしまったりしている方もいるかもしれません。そいう場合に、学校や病院、知人などのほかにもなるべく相談できる場所、話を聞いてもらえる場所が必要だと、今回セミナーを受けたことで改めて感じました。
(監修:森先生より)
問題をひとりで抱え込むよりも誰かに相談するといいのは、客観的に問題を見ることができるからです。さらに拡げて、頼る先を行政や支援機関など複数持つようにすると、より広い視点で物事が見られるようになります。
保護者の視点や学校の先生の視点からだけでなく、第三者である専門家の視点からのアドバイスをもらうことはとても大切ですね。アドバイスに従うかどうかは別として、「こんな視点もあるのだな」と思うだけでも、気持ちは軽くなるのです。

今回のケースでは、「修学旅行に行かないという選択肢もあるけれど、自分が行きたいから頑張ろう」と思うのと、「行かなきゃいけない、どうやって耐えよう」と思うのとでは、困難にぶつかったときの気持ちや乗り越えた後の達成感がだいぶ違ってくるのです。
さまざまな価値観があるということを知ると、解決策も浮かびやすくなるのではないでしょうか。
前の記事はこちら
https://h-navi.jp/column/article/35029758
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

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