電車で癇癪、行列に文句、迷子騒動…小4自閉症息子との外出は後悔の連続。でも、いつか「成長のもと」になると信じて

ライター:taeko
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ASD(自閉スペクトラム症)の長男ミミは小学4年生、次男のふーは幼稚園年長で診断はありません。先日みんなで電車にのっておもちゃ屋さんへ買い物に出かけたのですが、さまざまなトラブルがありました……。

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監修: 初川久美子
臨床心理士・公認心理師
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
臨床心理士・公認心理師。早稲田大学大学院人間科学研究科修了。在学中よりスクールカウンセリングを学び、臨床心理士資格取得後よりスクールカウンセラーとして勤務。児童精神科医の三木崇弘とともに「発達研修ユニットみつばち」を結成し、教員向け・保護者向け・専門家向け研修・講演講師も行っている。都内公立教育相談室にて教育相談員兼務。

自閉症小4長男と電車にのって買い物へ

おもちゃ屋さんに誘うと「行くー!」とウキウキして乗って来てくれた長男と次男
おもちゃ屋さんに誘うと「行くー!」とウキウキして乗って来てくれた長男と次男
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12月のある土曜日のことです。クリスマスプレゼントが決まらず、サンタさんへの手紙を書けずにいた長男のミミ(小学4年生)。おもちゃをたくさん扱っているお店に見に行けば、欲しいものが見つかると思い、翌日の日曜日に次男のふー(幼稚園年長)も一緒におもちゃ屋さんへ行かないかと誘いました。いつもならお出かけを嫌がる傾向があるミミですが、この時は「行くー!」とウキウキして珍しく誘いに乗って来てくれて、私もうれしい気持ちになりました。

「座りたいのに! 生きるのつらい!」電車移動中もミミからは小さな不満がたくさん出て……

翌日は早めに身支度開始。思ったよりスムーズに支度できたため、早めに駅に着きました。
10分ほど駅のホームで待つことになったのですが、ここでミミは「ヒマ」と早速マイナスモード。私も(もう文句が出た……)とがっくり。ですが、ここで次男のふーが「しりとりしよー」と提案してくれ、みんなでしりとりをしてなんとか雰囲気は良くなりました(ホッとしました)。

到着した電車は混雑していたため座れませんでした。ミミは電車の中で読もうと図鑑を持ってきていたのですが、椅子に座れないと読めないと思ったのでしょう。悔しい気持ちが口から出てしまいました。
「座りたいのに! 生きるのつらい!」
周りに聞こえるような大きな声だったので、私はびくっ!
(なんでこんなことで怒るの……)と不満に思いつつも「あと2駅で乗り換えだよ。すぐ着くよ」、「(電車内モニターの天気予報を見て)ほら、今日晴れだって」とミミの気持ちが切り替えられるように、話をそらしました。
駅のホームで10分ほど待つことになると「ヒマ」と早速マイナスモードになった長男
駅のホームで10分ほど待つことになると「ヒマ」と早速マイナスモードになった長男
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その後電車を乗り換えたのですが、そこでも椅子は空いていません。
「本読もうと思ったのに!」と、またまた大きめの声で不満を言うミミに私は空いているドア前スペースを見つけ「ここに寄っ掛かれば読めるよ」と穏やかに提案、ミミは立ちながら本を見ることで、落ち着くことができました。
「本読もうと思ったのに!」と大きめの声で不満を言う長男を落ち着くつかせることができました
「本読もうと思ったのに!」と大きめの声で不満を言う長男を落ち着くつかせることができました
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全てに対して文句が止まらない⁉ 私もイライラモヤモヤ……!

「もう最悪! 何で入れないんだよ」と言う長男に私もイライラモヤモヤ……
「もう最悪! 何で入れないんだよ」と言う長男に私もイライラモヤモヤ……
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50分ほどで目的地に到着……したのですが、その日はおもちゃ屋さんでイベントがあったようで、入場整理をしていたためすぐに入れませんでした。Webサイトでもっと調べておけば良かった……!
「もう最悪! 何で入れないんだよ」
とミミはまたまたマイナスモード。私も心の中では全てに対して文句ばかりいうミミにイライラモヤモヤ……。
10分ほどでようやくお店に入れた時はホッとしました。

お店ではお目当てのおもちゃが見つかり喜ぶミミ。「このおもちゃをサンタさんにお願いする!」と言う笑顔のミミを見ていると私も心がなごみます。ふーはミミとは別のおもちゃコーナーを見たいとのことで、ミミには「この場所にいてね、私とふーは、あっちの〇〇のコーナーにいるから」と伝え、ふーにつき添いました。ふーのお目当てのおもちゃがある場所からもミミがいる場所を見ることができるので、そばを離れても大丈夫だろうと思ったのです。ですが……。
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ミミがいない⁉ シクシク泣き続けた50分の帰路

しかし、少し目を離したらミミの姿が見えません! 「迷子になった⁉」と私はふーを連れて店内をあちこち探しました。お店は広く、混雑しているのでなかなか見つかりません。「どうしよう!」不安になりながらお店のあちこちを探したところ、5分ほどでようやくミミを発見!「良かった!」と思わずミミを抱きしめました。

その時、ふーがミミに対して「もー! どこ行ってたの?」とちょっと怒った口調で言いました。するとミミはふーを『どんっ!』と叩いてしまいました。ミミも私たちを探して不安な気持ちだったのに、ふーから責められたことが怒りにつながってしまったのでしょう。泣き出したふーに私は「『見つかって良かったね』っていうんだよ」、ミミには「叩いちゃダメだよ」と言うと、今度はミミも泣き出しました。
お店で泣き続ける二人、私の心は疲れ果ててしまいました……。

その後、ふーはおやつを食べて機嫌を直したのですが、ミミは帰宅するまでずーーっとシクシク……。歩いていても電車の中でもシクシク……、帰路の50分間ずっと涙をこぼしていました。
私は(私の心が態度に出てしまっていて、それが子どもに伝わって不安にさせているのかもしれない……)とも反省しました。
迷子騒動、兄弟げんか、50分泣き続けられ……。私の態度も良くなかったのかもと反省する私
迷子騒動、兄弟げんか、50分泣き続けられ……。私の態度も良くなかったのかもと反省する私
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「外出なんてしなきゃよかった!」とも思うけれど、いつか「お出かけは成長のもと」だったと言える日が来る!

やっと帰宅しても、しばらくは座り込んでシクシク泣いていたミミ。それでも、30分ほど過ぎた頃にテレビを見だして、夕ごはんを食べたらすっかりいつも通りのミミになりました。

夜、その日を思い返しながら「遠くに行くといつもケンカになるな……。本当に嫌だな……」、「本当に外出なんてしなきゃよかった……」と疲れ切った私。
でも、少しずつ少しずつ「子どもなんだから揉めるのは当たり前」、「兄弟ゲンカしてもそこから学んで成長すればいい」と思えるようになり、「ミミがサンタさんに手紙を書けたし、お店に行って良かった!」と前向きにとらえることができました。

今は外出してもトラブルばっかりですが、いつか「お出かけは成長のもと」だったと思えたらいいなと思います。
執筆/taeko

(監修:初川先生より)
兄弟連れてのお出かけエピソードをありがとうございます。電車内の混雑、着いた先での待ちなど、お出かけはどう予想しても予想しきれない事柄がありますね。ふーくんのしりとり発案など、一緒だからいいことも、はぐれたあとの素直な一言(「どこ行ってたの?」)によるミミくんの涙も、いいこともそうでないことも起きますね。

はぐれてしまったときは、お互いにとても心細かったことと思います。ミミくんからしたら、不安でいて(もしかしたら二人を探しに動いてしまったかもしれず)、さらに責められたら泣けてくるのも自然なことでしょう。ミミくんの気持ちもふーくんの気持ちも当然そうだろうというところで、挟まれた保護者はより慌ててしまうかもしれませんね。お出かけにしても、きょうだいのもめごとにしても、さまざま気持ちや事情が分かってしまうし、ましてやお出かけだと周囲の目も気になったりして、保護者としては緊張が高まるシーンですね。お疲れ様でした。子どもたちが成長してゆき、そしてお出かけ自体に慣れてゆき、「お出かけは成長のもと」と思える日はきっと来ることと思います。

また、個人的にはミミくんがおもちゃ屋さんで欲しいものを見つけられたのがよかったなと感じました。選択肢がありすぎて(刺激がありすぎて)選べない・決められない子もいるだろう、そして、逆に欲しいものが見つからなくても大変だったろうと思うので、ミミくんは選べる子なんだなと感じました。
前の記事はこちら
https://h-navi.jp/column/article/35029860
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
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