自己管理が苦手なADHD高校生、友人トラブルで親にやつ当たり…自立をどう促す?【公認心理師・井上雅彦先生にきく】
ライター:発達障害のキホン
発達障害や発達に特性がある子どもが思春期になると、交友関係も広がり、悩みも複雑になってくるかと思います。──どこに相談したらいいのか悩んだとき、専門の先生の解説があると心強いですよね。ここでは「人間関係の悩み」について、鳥取大学大学院教授で発達障害を専門とする井上雅彦先生が分かりやすく教えてくれます。(取材/LITALICO発達ナビ編集部)
監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ADHDの高校生。自己管理の苦手さから、部活の人間関係でトラブルに……イライラを親にぶつけてくるようになりました
Q:ADHD(注意欠如多動症)と診断されている高校生の子どもがいます。部活動をしていますが、自己管理が苦手で遅刻や休みが多くなっています。そのことを同級生や先輩から注意されたり、いじられたりすることが精神的な負担となっているらしく、家で親に対しイライラをぶつけてくるようになりました。自立を促さなければいけない年齢だと思いますが、保護者としてどのように関わっていけばよいでしょうか。
A:人間関係に関するストレスや精神的な負担などについては、スクールカウンセラーなども含めて、安心して相談できる場所や人の確保が大切になるでしょう。自己管理については、本人の努力だけで補うことが難しい場合もあるので、スマートフォンやタブレットの活用などについても検討してみましょう。
A:人間関係に関するストレスや精神的な負担などについては、スクールカウンセラーなども含めて、安心して相談できる場所や人の確保が大切になるでしょう。自己管理については、本人の努力だけで補うことが難しい場合もあるので、スマートフォンやタブレットの活用などについても検討してみましょう。
思春期になると、障害特性からくる苦手さから心理的ストレスが高まり、不安や抑うつ傾向が強くなる子どももいます。思春期では保護者に相談しにくいことも増えていくかと思います。スクールカウンセラーなども含めて、安心して相談できる場所や人を確保していくことも大切になってくるでしょう。
自己管理については、本人の努力だけで補うことが難しい場合もあるので、スマートフォンやタブレットのスケジュール管理アプリや、電子タグのような市販されている忘れ物防止グッズなどを使いこなせるように教えていくことも一つの方法です。学校での合理的配慮として、メモを取る時間がかかる場合は写真を撮らせてもらう、連絡帳の代わりにアプリを使うことなども考えられます。高校段階においては、スマートフォンやタブレット機器の持ち込みが制限されている学校も多いので、使用方法などについては学校との話し合いが必要かと思います。
自己管理については、本人の努力だけで補うことが難しい場合もあるので、スマートフォンやタブレットのスケジュール管理アプリや、電子タグのような市販されている忘れ物防止グッズなどを使いこなせるように教えていくことも一つの方法です。学校での合理的配慮として、メモを取る時間がかかる場合は写真を撮らせてもらう、連絡帳の代わりにアプリを使うことなども考えられます。高校段階においては、スマートフォンやタブレット機器の持ち込みが制限されている学校も多いので、使用方法などについては学校との話し合いが必要かと思います。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。