しかし、転園した幼稚園は厳しめだった!?悩みつつも、卒園後に感じたこと

療育園の単独通園クラスに2年間通い、息子は目ざましく成長しました。会話のキャッチボールができるようになり、時間はかかるものの、身の回りのことをかなり自分一人でできるようになり、ひらがなも半分ほど読めるようになっていました。

そしていよいよ年長の年になり、幼稚園の入園式。転入前に幼稚園にも相談し、息子の特性を伝え、加配の先生をつけてもらう手続きも済ませ、園長先生も快く転園を受け入れてくれたのですが……。独自の事前調査で手厚い幼稚園と噂に聞いていたこの幼稚園は、マナーやルールに厳しめな幼稚園だったのです……。

幼稚園のルール一例
・登園したら先生にお辞儀して挨拶
・保護者の方にも挨拶
・靴はきっちり揃える
・運動会やイベント行事は"完璧に"
・食事中はしゃべらない
・家でも靴揃えやお手伝いを頑張る表の記入

子どもたちの可能性を広げるため、さまざまな行事や取り組みをしていて、まさに"手厚い"幼稚園だったのですが、発達ゆっくりな息子にとっては負担が大きいかもしれないと転入後かなり悩みました。しかし、同級生のお友達が息子の手助けをしてくれたり、息子自身も大好きなお友達ができたりと、人間関係に恵まれたこともあり、園生活は何とか楽しむことができていました。

そして夏頃になると、幼稚園の担任の先生から就学先について聞かれました。転入当初から、地域の小学校の特別支援学級に行きたいと伝えていたため、教育委員会の就学相談にかけてもらうことになりました。就学相談では、教育委員会の方数名、市内の小学校の校長先生方、発達相談員の方、そして幼稚園の担任の先生と息子本人・両親で面談を行いました。面談の結果、希望通り地域の小学校(特別支援学級)へ就学できることになりました。

厳しめの幼稚園ではありましたが、息子なりのペースで園生活を頑張り、登園しぶりが少しありつつも無事に卒園できました。この4月から小学校に通っていますが、入学式ではしっかりと自分の席に座り、名前を呼ばれたらはっきりと返事をし、新入生のみんなと足並み揃えて入退場できていました(歓喜)。
小学校の入学式では、きちんと席に座り、名前を呼ばれたらはっきり返事ができた
小学校の入学式では、きちんと席に座り、名前を呼ばれたらはっきり返事ができた
Upload By 海乃けだま
挨拶やマナーに厳しめな幼稚園へ転園したことに、「息子に無理をさせているかもしれない。もっと子どもらしく、のびのび育てる方針の園のほうがよかったのでは……」と葛藤して悩んだ時期もありましたが、小学生になった今、お礼や挨拶・靴揃えができていることを先生に褒めてもらっています。そして、なにより幼稚園のお友達と一緒に同じ小学校に入学したことを息子自身がとても喜んでいるので、転園して良かったと今は思えています。
執筆/海乃けだま
(監修:新美先生より)
2歳半に療育園に通い始めてから、年長の幼稚園転園を経て就学するまでについて詳しく聞かせていただきありがとうございます。ここ十数年間で、小中学校の特別支援教育の様子は著しく変わってきています。ですから保護者の方の小学校時代のイメージとはずいぶん変わってきており、就学した時にどこに通わせたいか?と聞かれてもどう選んでいいか困ってしまいますよね。一般的には、まずは候補になりえるところに実際に見学に行き、いろんな意見を聞いていきながら決めていくことが多いかと思います。海乃さんの場合は、経験豊富でひとでくんのことをよく分かってくれている療育園の先生に、地元の特別支援学級に行くべき!と後押ししてもらえたのですね。

そして、年長での幼稚園(厳しめ)への転入は、迷いや不安がありながらも、ひとでくんが結果的によかったと思える成長を見せてくれたのは何よりです。それまで療育園で築いた土台があって、幼稚園の明確なルールの提示と手厚いサポートによって花開いたのかもしれないなと読んでいて思いました。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

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