完全引きこもり状態の息子を就学支援委員会のための面談へ

希望を決めたあとは、就学支援委員会のための面談がありました。
息子は、病院受診やカウンセリング、支援センターなど全てに対して拒否感が強かったので、この面談に行くこともとても嫌がりました。自分の事であっても、必要性や自分にとってのメリットを見いだせなければ外出しようとしないのです。でも、とにかくこの面談には出てほしいと説得をして、なんとか連れていきました。

現場に着いてからも私から離れることや、長く待たされることにイライラしている様子が見て取れました。今にも「帰る!」と言い出さないかヒヤヒヤしましたが、なんとか終了まで座っていられ、面談は終了。無事学区外の特別支援学級の知的障害クラスに進学できることになりました。
イライラしている様子が見て取れた面談も無事終了
イライラしている様子が見て取れた面談も無事終了
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毎日登校し「学校どう?」と聞くと「楽しい」と答えるように

現在中学生になった息子は、なんと毎日学校へ通うことができています。その様子を見てやっと分かったのですが、息子の不登校の理由の一つとして、小学校の同級生からの視線があったようでした。あくまでも私の推察ですが、かつて休まず登校していた自分を知っている同級生から「変だと思われているんじゃないか」という気持ちもあったのでしょう。知った顔のいない、学区外の中学へ進学したことは結果的に大正解でした。

「学校どう?」と聞くと「楽しい」と答えるようになった息子。本当は小学校でも〝学校へ行ける自分〟になりたかったのだと思います。そして、今それができている安心感から、「学校が楽しい」と発言しているのかもしれません。息子の居場所を見つけられたことを嬉しく思います。
「学校どう?」と聞くと「楽しい」と答えるようになった息子
「学校どう?」と聞くと「楽しい」と答えるようになった息子
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同時に、家庭内での過ごし方はまだ問題を抱えています。家族への強い依存、構ってほしい気持ちからくる自己中心的な行動がありますので、外の世界との関わりが増えることで、気持ちが外に向かい、家庭内での問題が少しでも良くなれば……。そして家族も安心して家で過ごせるようになると良いなと思って、中学生になった息子を毎朝見送っています。
イラスト/SAKURA
※エピソード参考者のお名前はご希望により非公開とさせていただきます。

(監修:森先生より)
大変な時期が続く中、ご家族みんなが安心して暮らせるように努力されましたね……。

「反抗挑戦性障害(反抗挑発症)」があると、カッとなりやすかったり、口論が多かったり、自分のミスを人のせいにしたりといったことから、トラブルとなることも多いのです。支えるご家族としてはとても苦労されることと思いますが、他者との正しいコミュニケーションの取り方を教えていくことで改善していくといわれています。

お子さんが不安で癇癪を起こすときには、お子さんの気持ちをまずは受け止めて、その上で冷静に保護者の方の考えを伝え、お子さん本人にとってどうするのが良いかを一緒に考える、ということを繰り返していくといいでしょう。保護者がお子さんの感情に巻き込まれてしまうと良い結果になりませんので、「暴れたら一旦部屋を移動する」など、安全に配慮して物理的に距離を置くことも検討しましょう。

外出や登校に抵抗感を持つケースでは、「完璧主義」、「白黒思考」がベースにあることは少なくありません。外での振る舞いでほんの少しでも失敗してしまうことを極端に恐れて、外出が怖くなってしまうのです。今回のケースのように、「完璧じゃなくてもいいんだよ、そんなに完璧な人なんていないよ」と、その都度その都度伝えていけるといいですね。一度で伝わるものではないので、根気強く寄り添っていく必要があります。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
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