特別支援学級の自閉症娘、小2進級で笑顔が消えた!?ストレスで学校に行けなくなり…

ライター:マミヤ
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今回はASD(自閉スペクトラム症)の娘(現在小学校4年生)が小学校2年生の時に学校に行かなくなったきっかけを書きたいと思います。

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監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。

特別支援学級に就学し、順調だった小学校1年生の生活

わが家の娘は2歳の時にASD(自閉スペクトラム症)と診断され、小学校は特別支援学級に就学しました。1年生の頃は、初めての学校生活で慣れないこともありましたが、担任の先生などの助けをかりながら、無事1年間通うことができました。

そして2年生。事前に特別支援学級の担任の先生が3月で休職することが決定していました。娘は担任の先生が大好きだったので、新学期に先生が学校にいないということに不安を感じていました。

2年生で激変!?迫力満点のベテラン教師、約束と違う給食指導……たくさんの「嫌」が積み重なって

交流学級の先生が怖くて、学校に行く元気が徐々になくなっていった娘
交流学級の先生が怖くて、学校に行く元気が徐々になくなっていった娘
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2年生に進級した新学期、娘の特別支援学級の担任は優しそうな先生で、これには親子共々ほっとしました。そして、交流学級の担任は学年主任の先生。ベテランの先生でしたが、残念ながら娘はこの先生と合いませんでした。厳しめの指導をされる先生で、娘は突然大きな声で注意されることをとても怖がっており、先生がほかの子を怒る声にも過敏になっていました。

交流学級の担任の先生と合わなくても、メインは特別支援学級だし……と思っていたのですが、国語と算数以外の授業は交流学級で受けていたため、影響は想像していたより大きいものでした。娘はどんどん学校へ行く元気がなくなっていきました。特別支援学級の担任の先生にも相談していましたが、交流学級への付き添いは娘にではなくほかのお子さんについていたので、人手が足りないようでした。

また、娘が学校と約束していた「給食のルール」と違う指導をされる先生がいらっしゃり(食べられないおかずなどは減らして全部完食するという約束だったが、いざ減らしてほしいとお願いすると減らしてくれない。牛乳はまず初めに3分の1飲むように言われるなど)、何度も学校に指導を統一してほしいとお願いしましたが改善されませんでした。娘にとっていろんな「嫌」が重なったことで、2学期の途中で学校へ行けなくなってしまいました。

学校への反感も……「学校へ行かないこと」を選択した私たち

娘の中でいろいろな「嫌」が積み重なり、学校に行けなくなったのだな……と思う母
娘の中でいろいろな「嫌」が積み重なり、学校に行けなくなったのだな……と思う母
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この頃から娘は「学校の先生は約束しても守ってくれない」「先生の言った通りにしてるのに、違う先生にそうじゃないと注意される」「こう思って言ったのに理由も聞いてくれないし混乱する。また間違えてしまうかも」と言っていました。また、学校への反感も示すようになりました。

不安やこだわりが強く、感覚過敏などの特性もある娘には、学校という環境はシンドイだろう……と療育の先生や主治医にずっと言われていましたが、「こういうところなんだな」と感じました。そして、先生との相性でこんなにも変わるものなのか……と驚きました。娘はひとたび「この人は無理」と感じると心のシャッターをピシャリと閉ざしてしまうので、今は無理強いせずゆっくりさせようと、しばらく学校へ行かないことを決めました。

ホームスクーリングに気持ちを切り替えた私は、娘と新しい生活をはじめました。結果として、この時は1週間後に再登校することになったのですが、再登校の時期はまた違った大変さがありました。そのことについてはまた別の機会に書かせていただきます。
「無理して学校に行かなくてもいい」と切り替えた私たち
「無理して学校に行かなくてもいい」と切り替えた私たち
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執筆/マミヤ
(監修:井上先生より)
特別支援学級の担任の先生が変わっただけでなく、交流学級の先生も変わり、そして指導方針まで変わったことで、お子さんにとって大きなストレスになり、登校自体が嫌になってしまったのでしょうね。また、保護者にとっても、意見が取り上げてもらえないのは、非常につらい状況だったと思います。学校の内外で第三者的な立場から意見を述べてもらえる専門機関や連携先があると、保護者にとっても学校にとっても、そして本人にとっても助けになるかもしれません。
前の記事はこちら
https://h-navi.jp/column/article/35030180
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

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