次女に話してみたところ…

ところが「教室にいるのが疲れてしまった時に、避難場所として通級の教室を利用してもいい」ということを、次女に伝えてみたところ、
「ええ~?通級の教室?……絶対イヤだ!」との返答が……。
「通級の教室?……絶対イヤだ!」良かれと思ってした提案がまさかの完全拒否……
「通級の教室?……絶対イヤだ!」良かれと思ってした提案がまさかの完全拒否……
Upload By まりまり
休めるのはいいけれど、通級の教室を使うのが気まずい、恥ずかしい、とのことでした。

場面緘黙の次女にとっては、まず、「通級の教室に行って休みたい」と先生に声をかけるハードルが高く、人と違うことをするのは恥ずかしいし気まずいので、それをするくらいなら我慢するか家に帰りたい、ということでした。

次女と話し合って、2学期学校が始まってから、もし教室にいるのがつらくなってしまって、その時に利用できそうだったら試しに使ってみる……という感じで話はまとまりました。

夏休みゆっくり休めた次女の2学期

こうして、親としては、また来るかもしれない不登校の対策を考えるなどして2学期に備えていました。
次女は、夏休み期間中は毎日ダラダラと過ごして、日に日に元気になっていきました……!
夏休み期間中にダラダラの限りを尽くし、回復してきた次女
夏休み期間中にダラダラの限りを尽くし、回復してきた次女
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こうして元気をチャージした次女、2学期の始業式には無事に登校できました!……が、その翌日は休んで……次の日はまた行けて……その次の日はまた休んで……。

その後は、徐々に学校に行く日が増えてきて、週に1、2回ほど休みながら学校に通うようになりました。学校に行く頻度自体は夏休み前と変わりませんが、夏休みにしっかり休んだことで、学校に通う負担が少し少なくなったように見えました。

結局、次女が学校で疲れた時に通級の教室を使って休む、ということは1度もありませんでした。親としては「こうしたらラクになるのでは……?」といろいろ考えたりしますが、本人の希望・できることのなかでの最善を探っていかなくてはいけないな~と改めて思ったのでした。
執筆/まりまり
(監修:新美先生より)
場面緘黙の娘さんが、五月雨登校になりつつあるときのエピソードを聞かせていただきありがとうございます。
個人差がありますが、場面緘黙傾向のあるお子さんは、自分が発言したり行動したりすることへの周囲のリアクションを極度に怖れるような方もいて、目立つことや、特別扱いと感じることや、今までやったことがないことを避ける方は多い傾向があります。決まった時間の通級に行くのは決まっているからいいけれど、自分から発信して通級の部屋に行くというのはハードルが高かったのかもしれません。例えば、疲れた時に通級に行きたいと自分から発信するというのを提案する前に、休み時間に先生が迎えに来て通級で休むことを経験してみるといった、自分発信ではないこと、目立たないやり方から提案してみるなどもいいかもしれません。

まりまりさんが書かれていたように、良かれと思っていろいろおぜん立てしてみても、本人が受け入れないということはありますよね。本人が安心して取れる手立てでないと意味がないので、いろいろ提案しながら本人が受け入れられるものを探していくしかないですね。まりまりさんの娘さんは、試行錯誤しているうちに、週に1、2回休みながら登校するというよいリズムがつくれてきたようでよかったです。
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https://h-navi.jp/column/article/35030220
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
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