「できた!」がゴールにならない

あるとき、切るのも組み立てるのも難しいペーパークラフトがありました。何回もつくり直しを頼んでくるふーに、私もパパも「何度もつくるのは大変だし、すぐにつくり直したいと言われて悲しい」と伝えました。
するとそのうち自分で切り始め、大変な作業であることをふー自身も実感したようでした。うまくいかず涙、涙でペーパークラフトに取り組みます。宿題をやる時間もなくなり、また泣いているため宿題に取り組める状況でもありません。宿題は明日の朝やることにし、お風呂と寝る時間は守らせました。翌朝ふーは宿題を終わらせてから学校へ行きました。
ペーパークラフトの出来に納得いかず、夜遅くなって宿題をやる時間がなくなってしまいましたが、翌朝しっかり宿題をやっていたふー
ペーパークラフトの出来に納得いかず、夜遅くなって宿題をやる時間がなくなってしまいましたが、翌朝しっかり宿題をやっていたふー
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そしてその次の日の夜、昨日と同じようにペーパークラフトにつまずきました。すると、ふーは「お風呂の後にやるから手伝って」と自分から計画を立てました。私が何を手伝えば良いか聞くと、具体的に指示してくれました。
そして何度もつくり直してやっと完成!
私もうれしくて「自分でできたの!?すごいね!私にはつくれないよ!」と褒めました。でも、完成したペーパークラフトを少し鑑賞したら、次のペーパークラフトを探すふー。創作意欲は素晴らしいけれど、また涙しながらこだわりを譲ることなく同じことを繰り返します。私はまた言われるがままにペーパークラフトをプリントします。

このように泣きながら作業するふーを見守るだけでいいのか――。どう対応すべきか悩ましいのが現状です。
今度スクールカウンセラーさんに相談に行くことにしました。長男の時も定期的にスクールカウンセラーさんに相談していたのですが、スクールカウンセラーさんは学校での長男の様子をよく見てアドバイスをくれました。ふーのことも見守ってもらいたいというのも理由の一つです。
アドバイスをもらえたらまたこちらでお伝えできたらと思います。
執筆/taeko

(監修:鈴木先生より)
自閉スペクトラム症と診断がついたお子さんやその傾向にあるようなお子さんは、特別支援学級で学んだほうが丁寧だと私の外来では日頃から親御さんには伝えています。特別支援学級の担任の先生との相性もあるので一概にすべてがいいわけではありませんが、少なくとも通常学級よりは少人数のため静かで、いじられることも少ないからです。また、ペーパークラフトでも分かるように、線に対するこだわりのあるお子さんが自閉スペクトラム症には多く、何度も思い通りいくまで繰り返しやり直すため時間がかかってしまいます。特別支援学級であれば気が済むまで待ってくれるはずです。ペーパークラフト以外でもマジックテープの靴などきちんとそろえて履かないと気が済まないため何度も繰り返すのです。よく言えば、職人技とも言えるようなこだわりなのです。
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https://h-navi.jp/column/article/35030360
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

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