おとの現在の様子

現在小学3年生、コツコツ成長中!
現在小学3年生、コツコツ成長中!
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現在のおとは小学3年生。昨年の秋に転勤に伴う転校をし、転校前と同様、公立小学校の特別支援学級に通っています。おとは未就学児時代と比べて格段に成長しました。長年私を悩ませた多動はほぼなくなり、破壊行動は一切せず、親への愛着が生まれ、愛情表現を毎日してくれるようになりました。おとは学校の先生を信頼しており、授業を楽しみにし、苦手なことも素直に頑張っています。そして、いつもニコニコ楽しそうにしています。

しかしおとは知的障害(知的発達症)を伴うASD(自閉スペクトラム症)。脳の機能障害であり、治ることはありません。現在おとが抱える問題は「言語」と「他者との関わり」の2点が主だと思っています。「言語」は知的障害(知的発達症)もあるため、複雑な会話、自分の心情・出来事・状況を詳細に語ること、また複雑なストーリーを理解・表現することが難しいです。本人もうまく伝えることができず、もどかしく、しくしく泣く時があります。「他者との関わり」は、おとは大人にはよく話しかけるのですが、同年代の子どもに対する関心がほとんどなく、自分からはほぼ話しかけません。お友だちから話しかけられても無視してしまうことが多く、転校前はそれが原因でお友だちとのトラブルに発展したことも何度かありました。

この主な2つの問題以外にもおとは、完璧主義・こだわりの強さ・偏食などさまざまな問題を抱えています。しかしおとは毎日ニコニコして課題に素直に挑戦し、頑張っています。今私にできることは、毎日おとと向き合い、おとが適切な支援を受けられるようにし、自立に向けてスモールステップで一緒にコツコツ課題に取り組んでいくことだと思っています。そしておとを見習い、毎日笑顔で素直な気持ちでいること。そんな私たちのこれまでの、これからの経験がもしも誰かのお役に立てたならとてもうれしいです。今後もコラムをお読みいただけましたら幸いです。
執筆/かほ
(監修:室伏先生より)
かほさん、おとさんのお困りに気づかれてから、医療に繋がり、支援を受けられるようになるまでの経緯を、かほさんのお気持ちを交えながら詳しくお伝えいただき、ありがとうございました。医療や福祉に繋がって、さまざまな情報や支援を得ることはとても大切なことですよね。地域にもよりますが、医療機関の受診がなくても療育を受けられる場合もあり、療育を受けていらっしゃるお子さんの中でも、医療に繋がっている方、発達の相談については医療機関を受診をしたことがない方がいらっしゃると思います。療育手帳の取得にも必ずしも医療機関の受診は必要はなく(療育手帳の発行でも児童相談所での検査や面談等は必要。精神障害者保健福祉手帳の発行には受診が必要です)、発達検査については発達支援施設でも受けられる場合があります。

医療機関を受診された場合のメリットの一つとして、診断を受けることがあります。発達支援施設では、そのお子さんの得意なことや苦手なこと、特性についてお伝えすることはできても、診断することができるのは医師のみです。診断を受けることで、お子さんの困りごとや気になる行動について、親御さんの理解が進み関わりやすくなることもありますし、園・学校の先生、発達支援施設の支援者などとお子さんの特性や支援の仕方を共有しやすくなります。ほかには、睡眠や癇癪、多動などのお困りについて、薬物治療を受けることで、お子さんが過ごしやすくなり、発達、生活能力が伸びることもあります。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
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