志望大学に合格ーー国語への困りごとの変化と現在
娘は小中学校では通常学級に在籍しました。中学進学後、教科担任制についていけず、一時不登校になりましたが、別室登校を始めました。別室では中1から中3までの生徒が2~5人程度集まり、担任と副担任の先生が個々の生徒に手厚く学習指導を行ってくれたおかげで、中1の終わり頃には、自分のクラスで学習できるようになりました。
高校は公立高校の普通科に進学、大学選びでは障害学生支援制度の手厚い大学を選び、オープンキャンパスや電話相談を経て安心して受験、志望大学に合格しました。これからはキャンパスライフを楽しみながら、大学と連携しつつ娘の特性に合わせた就労を検討していく予定です。
国語への困難さですが、今はずいぶんよくなっています。高校2年生頃ネット小説にはまり、異世界系や推理ものを中心に月に20冊以上読むようになった娘。漢字を読んだり書いたり、またその意味も調べるようになったおかげで国語力がつきました。ストーリー把握についてはむしろ得意な分野になり、大学受験のための模試では国語の点数が一番良いです。
高校は公立高校の普通科に進学、大学選びでは障害学生支援制度の手厚い大学を選び、オープンキャンパスや電話相談を経て安心して受験、志望大学に合格しました。これからはキャンパスライフを楽しみながら、大学と連携しつつ娘の特性に合わせた就労を検討していく予定です。
国語への困難さですが、今はずいぶんよくなっています。高校2年生頃ネット小説にはまり、異世界系や推理ものを中心に月に20冊以上読むようになった娘。漢字を読んだり書いたり、またその意味も調べるようになったおかげで国語力がつきました。ストーリー把握についてはむしろ得意な分野になり、大学受験のための模試では国語の点数が一番良いです。
娘の「国語」でのつまずきは、先取り学習をさせておけば苦労は少なかったかもしれません。でも、個々のペースを大切にしてくれた先生方のおかげで、娘は勉強嫌いにならず、大学進学への道を歩むことができました。
そんな娘は、現在、英語の教員免許取得を目指しています。学校で出会ってきた先生方の影響を受けて「教える」ことに興味を持ったようです。教師への道は厳しいかもしれませんが、免許取得が彼女の自信に繋がればと、先を考えると嬉しく思う日々です。
そんな娘は、現在、英語の教員免許取得を目指しています。学校で出会ってきた先生方の影響を受けて「教える」ことに興味を持ったようです。教師への道は厳しいかもしれませんが、免許取得が彼女の自信に繋がればと、先を考えると嬉しく思う日々です。
イラスト/ネコ山
※エピソード参考者のお名前はご希望により非公開とさせていただきます。
(監修:室伏先生より)
文字を書くことにつまずいてしまった娘さんの状況や、学校でのサポート、お嬢様と親御さんの葛藤について、詳しく共有してくださり、ありがとうございました。
「みんなと違うことをするのは、ズルになってしまう」というお気持ちは、合理的配慮を受けられているお子さんが持ちやすい感情かもしれません。合理的配慮とは、何らかの困難さを持つ人が他の人と平等に教育や就労の機会を得られるように、個々の特性に応じた調整や支援を行うことです。合理的配慮は、「すべての人に一律の支援を提供する」のではなく、その人が不利にならないように、適切な調整を行うことを指します。例えば、歩くことに困難さがある方が車椅子を使用したり、視力が悪い方が眼鏡を使用したり、身長の低い方が踏み台を利用したりすることと同じことです。こういった身体的な困難さは、周囲からの理解も得られやすいのですが、神経発達症の困難さは周囲の理解を得にくいものも数多くあります。しかしながら、同様に配慮を受けてしかるべきものです。先生が宿題の量を調整してくださったことはまさに合理的配慮で、過剰な負担を軽減しながら、少しずつ達成感を得られるようにしたことで、学習意欲を維持できたことは、合理的配慮の大切さを示していますね。これからも、お嬢様の成長を支える素晴らしい経験として活かされていくことを願っています。
※エピソード参考者のお名前はご希望により非公開とさせていただきます。
(監修:室伏先生より)
文字を書くことにつまずいてしまった娘さんの状況や、学校でのサポート、お嬢様と親御さんの葛藤について、詳しく共有してくださり、ありがとうございました。
「みんなと違うことをするのは、ズルになってしまう」というお気持ちは、合理的配慮を受けられているお子さんが持ちやすい感情かもしれません。合理的配慮とは、何らかの困難さを持つ人が他の人と平等に教育や就労の機会を得られるように、個々の特性に応じた調整や支援を行うことです。合理的配慮は、「すべての人に一律の支援を提供する」のではなく、その人が不利にならないように、適切な調整を行うことを指します。例えば、歩くことに困難さがある方が車椅子を使用したり、視力が悪い方が眼鏡を使用したり、身長の低い方が踏み台を利用したりすることと同じことです。こういった身体的な困難さは、周囲からの理解も得られやすいのですが、神経発達症の困難さは周囲の理解を得にくいものも数多くあります。しかしながら、同様に配慮を受けてしかるべきものです。先生が宿題の量を調整してくださったことはまさに合理的配慮で、過剰な負担を軽減しながら、少しずつ達成感を得られるようにしたことで、学習意欲を維持できたことは、合理的配慮の大切さを示していますね。これからも、お嬢様の成長を支える素晴らしい経験として活かされていくことを願っています。
※25年4月8日公開時本記事の監修コメントについて、他記事に対するコメントを誤って掲載しておりました。2025年4月22日に正しいコメントへ差し替えております。読者の皆さま、室伏先生をはじめ先生方にご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。

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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
SLD(限局性学習症)
LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
SLD(限局性学習症)
LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。

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