自分の思いの伝え方と共に、「ま、いっか」で切り替えられる練習を

もう一つのこだわりへの工夫として、かーとは「ま、いっか」で気持ちが切り替えられるように取り組んでいます。

最近、自分の思うとおりにいかないと「チョットチガウ」と言うようになりました。対応できることならその後どうしたいのか、何をしてほしいのか言い方の練習をしながら、かーの思いを受け入れられるのですが、どうしても私たちも時間がないときや、譲れない場合もあるので、そんなときはかーは泣いたり怒ったりと気持ちの変化が大きいです。そういうときには一緒に「ま、いっか」と言って、少しでも早く気持ちが切り替えられるようにハグをしたり、手を握って落ち着かせていきます。
「ま、いっか」で気持ちが切り替えられるように練習中
「ま、いっか」で気持ちが切り替えられるように練習中
Upload By かし りりあ
気持ちが切り替えられたときにはすぐにほめて次につながるように。なかなか切り替えられないときには少し離れて様子を見ています。

毎回毎回うまくいく、ということはありません。ですが何か月か経った後、ゆっくりでも少しずつでも前に進んでいるのかなという実感があります。私たちの対応でかーの将来の困りごとが減っていってくれればいいなあと思いながら過ごしています。
執筆/かしりりあ

(監修:藤井先生より)
かしりりあさんが次男かーさんに寄り添いつつも、少しずつこだわりを緩める工夫をされてきたエピソード、試行錯誤されながら、少しずつ進んでいる実感があるという話に励まされる方も多くいると思います。「ま、いっか」と言う言葉はとても大切ですよね。私の外来でも、少しずつこだわりを緩める言葉として「ま、いっか」と言う切り替えスイッチを入れる練習をお伝えしています。すぐには緩まなくても、少しずつ前に進んでいけますよね。また、自分の思い通りにならないときに、「チョットチガウ」と言うかーさんの言葉も良い表現だと思いました。泣いたりもあるかもしれないし、怒りも伴っているかもしれないけれど、言葉で「チョットチガウ」って言えたら、「そうか、自分の思いとは違うんだね」って、「ま、いっか」と切り替えるための言葉掛けができますね。
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https://h-navi.jp/column/article/35030512
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
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