中学校と放課後等デイサービスを卒業して、これから……

悩みながらも一緒に歩んでいけたらいいなと思います
悩みながらも一緒に歩んでいけたらいいなと思います
Upload By もっつん
タクの中学校生活は決して平坦なものではありませんでした。友達とのトラブルに悩み問題行動が出たり、児童相談所にお世話になった時期もあったり。親として、どうすればいいのか悩むことが何度もありました。それでも、部活という存在はタクにとって大きな支えになったように思います。

練習を重ねるうちに、ただ「楽しい」だけではなく「もっと強くなりたい」「勝ちたい」という気持ちも育っていきました。試合で悔しい思いをすることもありましたが、その分成長を実感できる場にもなっていました。中3の夏に部活を引退するまでの間、卓球に熱中する日々を過ごして心も成長できたんじゃないかと思います。

引退した後のタクは部活が無くなってしまってしばらくは落ち着かない様子でしたが、休日に友達と市民体育館で卓球をしたり近所をランニングすることでフラストレーションを発散しました。タクにとって身体を動かす事はこの先もずっと必要なんだと思っています。

また、タクは放課後等デイサービスでも卓球を楽しんでいました。そこでは特性を理解してくれる大人がそばにいて、安心できる環境の中でプレーすることができました。ただわが家は放課後等デイサービスの利用は中学生までで高校からはその場がなくなるため、タクが自然体で周りとうまく生活していけるか心配な面もあります。

高校でも卓球を続けるつもりのタク。技術を磨くことももちろんですが、それ以上に「自分らしくいられる場所」としてこれからも楽しく取り組んでいけたらと思います。発達障害のある子の学生生活は、親子で一緒に悩みながら進んでいくもの。タクなりのペースで、これからも自分の道を歩んでいってくれることを願っています。
執筆/もっつん
(監修:森先生より)
もっつんさん、お子さんが部活動での経験を通じて大きく成長した体験談をありがとうございます。保護者として寄り添いながら支えてこられたのですね。お子さんがお友達とのトラブルで悩んでいるときに、家族が解決策を示すことはなかなか難しいかと思います。それでも、ただ気持ちを聞いて共感したり寄り添ってくれる家族がいる、というだけでもお子さんの気持ちは軽くなるはずです。

さて、発達障害の傾向がある方は、特定の興味や活動に極端に没頭する傾向があり、ルーティンからの逸脱にストレスを感じやすいことが知られています。日常生活に一定のルーティンやスケジュールを設けることで、変化によるストレスを軽減できます。部活の後や学校から帰宅後の時間を決めて、石拾いや卓球の練習を計画的に行うことも、ストレスの軽減につながったのかもしれません。また、身体を動かすことはストレス発散や感情調整に非常に重要です。運動はドーパミンの分泌を促し、ADHD(注意欠如多動症)の症状を軽減する効果もあります。お子さんのケースでは、部活動がまさにそのようなポジティブな影響を与えたのではないかと考えられます。これからの高校生活も、卓球を通じて「自分らしくいられる場所」を見つけ、さらなる成長を遂げられることを願っています。お子さんの個性や強みを活かしながら、これからもご家族で力を合わせて、素敵な毎日を過ごしてくださいね。
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https://h-navi.jp/column/article/35030529
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
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