不登校になったとき、絶対にやってはいけないこと
子どもが不登校になったときに絶対にやってはいけないこと。それは、親が子どもに「学校に行かない人はダメな人間だ」という価値観を見せることです。
例えば、子どもが学校を休む日が増えてきて、学校には行かないのにゲームはやりたがるという場合に、親が「学校に行くならゲームをやってもいい」といった形で、取引のような話をすることがあります。これも絶対にやってはいけません。
なぜかというと、それでは子どもに「学校に行かないあなたを、私はダメ人間だと思っているよ」というメッセージを伝えることになるからです。
例えば、子どもが学校を休む日が増えてきて、学校には行かないのにゲームはやりたがるという場合に、親が「学校に行くならゲームをやってもいい」といった形で、取引のような話をすることがあります。これも絶対にやってはいけません。
なぜかというと、それでは子どもに「学校に行かないあなたを、私はダメ人間だと思っているよ」というメッセージを伝えることになるからです。
「学校を休むなら昼間は家で勉強しなさい」はNG
それからもう一つ、「学校を休むなら昼間は家で勉強をしなさい」と指示するのもやめてください。本人も、勉強が遅れていることは分かっています。それでも勉強が手につかないくらいにしんどくなっているのが、不登校の子どもたちです。
そういう状態の子に「昼間は勉強しなさい」と言ったら、子どもに「学校に行かないうえに、勉強もしないなんて、あなたはダメな人間だよ」と伝えることになります。
そういう状態の子に「昼間は勉強しなさい」と言ったら、子どもに「学校に行かないうえに、勉強もしないなんて、あなたはダメな人間だよ」と伝えることになります。
登校にこだわって、追いつめてはいけない
取引条件を出す場合、「学校に行くこと」「勉強をすること」を無条件に善だと感じている面があるのかもしれません。「毎日学校に通って勉強をしたほうが、成長につながるはずだ」と考えている可能性があります。しかし、子どもの発達の仕方はそれぞれに違います。とにかく学校に行きさえすれば子どもはみんな成長するのかというと、そうではありません。
学校の環境が子どもに合っていない場合には、子どもが頑張って登校して、一生懸命勉強をしても、健やかな成長につながらない可能性が高いです。その場合に必要なのは、子どもが学校に行く努力をすることではなく、大人が子どもを理解して、環境を調整することです。
学校の環境が子どもに合っていない場合には、子どもが頑張って登校して、一生懸命勉強をしても、健やかな成長につながらない可能性が高いです。その場合に必要なのは、子どもが学校に行く努力をすることではなく、大人が子どもを理解して、環境を調整することです。
緊張しないで話せる雰囲気をつくっていく
私のところに不登校の相談に来られるお子さんで、経過のいい方は、子ども自身が自発的に動き出せる状態になっていくことが多いです。親御さんから「まだ学校にはあまり行けていません」「でも家族仲良く過ごしています」といった話が出てきます。
そういうとき私は、「みなさん家で楽しく過ごせていますか」「遊びに行ったりもしますか」といった雑談をします。なぜかというと、親御さんを焦らせてはいけないからです。
不登校からの回復には、ある程度の時間がかかります。その間、親御さんが心の平穏を保てるようにサポートすることも大事なのです。親御さんにも支えが必要です。
親子ともに緊張しないで、のんびり話せる雰囲気をつくっていくことが重要なのです。それが親子関係を良好に保ち、休養と相談の時間を確保することにつながっていくのです。
そういうとき私は、「みなさん家で楽しく過ごせていますか」「遊びに行ったりもしますか」といった雑談をします。なぜかというと、親御さんを焦らせてはいけないからです。
不登校からの回復には、ある程度の時間がかかります。その間、親御さんが心の平穏を保てるようにサポートすることも大事なのです。親御さんにも支えが必要です。
親子ともに緊張しないで、のんびり話せる雰囲気をつくっていくことが重要なのです。それが親子関係を良好に保ち、休養と相談の時間を確保することにつながっていくのです。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

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