中3自閉症娘「ぼっち」上等な学校生活!?母の心配をよそに築いた「自分らしい友情」
ライター:SAKURA

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広汎性発達障害(ASD/自閉スペクトラム症)の娘は、現在中学3年生。娘は、小さなころから、他人への興味が薄いという特性があります。
幼稚園、小学校、中学校と、友だちはいましたが、一緒に行動するというのが苦手なため、1人で過ごす学校生活を送っています。
はたから見たら、寂しく思うかもしれませんが、本人は1人を好んでいるため、寂しいと感じていません。それでいいと思っていた私でしたが……。

監修: 森 しほ
ゆうメンタル・スキンクリニック理事
ゆうメンタルクリニック・ゆうスキンクリニックにて勤務。産業医として一般企業のケアも行っている。
・ゆうメンタルクリニック(上野/池袋/新宿/渋谷/秋葉原/品川/横浜/大宮/大阪/千葉/神戸三宮/京都/名古屋):https://yuik.net/
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ASD(自閉スペクトラム症)の中3娘。学校生活はいつも1人!でも、寂しいわけではなく……
広汎性発達障害(ASD/自閉スペクトラム症)の娘は、現在中学3年生。娘は、小さなころから、他人への興味が薄いという特性があります。幼稚園、小学校、中学校と、友だちはいましたが、一緒に行動するというのが苦手なため、1人で過ごす学校生活を送っています。
はたから見たら、寂しく思うかもしれませんが、本人は1人を好んでいるため、寂しいと感じていません。
はたから見たら、寂しく思うかもしれませんが、本人は1人を好んでいるため、寂しいと感じていません。

意地悪なクラスメイトがいる?自閉症中2娘、人間関係の揉め事にドキッ!面談で先生に確認すると…
基本的に一人で過ごし、たまに友だちと話すという感じ。娘自身がグループを作らず、1人行動を望むのであれば、それでいいと思っていた私ですが、娘の学校生活を聞いて、気になることがありました。それは、授業でグループを作らなければならない時のこと。
私の中学時代は、グループに属しているかどうかというのは、死活問題。グループに属せなかったら、授業でグループを作る時、どこにも入れてもらえず余ってしまい……
私の中学時代は、グループに属しているかどうかというのは、死活問題。グループに属せなかったら、授業でグループを作る時、どこにも入れてもらえず余ってしまい……
恥ずかしい思いをした過去もありました。
そのため、娘の1人行動を過剰に心配してしまい、中学になって授業でグループ課題が増え始めたことで余計に「大丈夫なの!?誰かと組んでもらえた!?1人になってない!?」と聞くことが増えていました。しかし、毎回娘は、「え?大丈夫だよ、なんで?」と不思議がっていました。そして、中学2年生のある日……
そのため、娘の1人行動を過剰に心配してしまい、中学になって授業でグループ課題が増え始めたことで余計に「大丈夫なの!?誰かと組んでもらえた!?1人になってない!?」と聞くことが増えていました。しかし、毎回娘は、「え?大丈夫だよ、なんで?」と不思議がっていました。そして、中学2年生のある日……
娘をグループに誘ってくれる子たちは、いつも娘に優しくしてくれました。娘がパニックになったら落ち着かせてくれ、泣けばかばってくれる子たちでした。私は、娘の状況は友だちの優しさで成り立っていると感じ、みんなありがとう……と拝む思いでした。
中3新学期。クラス分けを聞いてみると……
そして、中学3年生になった娘。
始業式、帰宅した娘に、誰と同じクラスになったか聞いてみると……
始業式、帰宅した娘に、誰と同じクラスになったか聞いてみると……
なんと、いつも娘を助けてくれる友だちと、クラスが離れてしまっていました。
私は、娘が心配なあまり、娘の友だち関係に(家庭内でだけですが)口を出してしまっていました。もう少ししたら、中学も卒業……娘を理解してくれていたクラスメイトや友だちと別れることになります。娘が新しい場(高校)で、また一から新しい友だち関係を築けるか、そんなことを心配していたので、「今の友だち関係は友だちが優しいから成り立っているけど、そうじゃない人も世の中にいるんだよ」と、伝えたい気持ちがありました。
しかし、この友だちとの会話を娘から聞いてから、
しかし、この友だちとの会話を娘から聞いてから、
娘の成長を急激に感じました。
娘のクラスの子は、小学1年生からずっと見てきた子たちです。親もある程度知ってるし、どんな子かも把握できています。しかし、高校生になれば、新しい友だちになるし、どんな子かは娘の話からしか想像できません。そのことを心配しすぎるあまり、うまく行っている娘の今の友だち関係に、過度に口を出していたようです。
娘のクラスの子は、小学1年生からずっと見てきた子たちです。親もある程度知ってるし、どんな子かも把握できています。しかし、高校生になれば、新しい友だちになるし、どんな子かは娘の話からしか想像できません。そのことを心配しすぎるあまり、うまく行っている娘の今の友だち関係に、過度に口を出していたようです。
私の心配をよそに、娘は、他人への興味が薄い特性が影響してか、惜しむ気持ちはないようでした(笑)
高校が楽しみとは言いますが、高校の友だち関係はまったく考えていないそうです。娘らしいです。それでも、娘はきっと通い始めたら、いつの間にか今のように関係を作っていくのでしょう。また一つ、私の手から離れていくなと寂しく感じますが、娘の将来が娘にとって楽しいものになるよう祈りたいと思います。
高校が楽しみとは言いますが、高校の友だち関係はまったく考えていないそうです。娘らしいです。それでも、娘はきっと通い始めたら、いつの間にか今のように関係を作っていくのでしょう。また一つ、私の手から離れていくなと寂しく感じますが、娘の将来が娘にとって楽しいものになるよう祈りたいと思います。
執筆/SAKURA
(監修:森先生)
SAKURAさん、お子さんの学校生活の様子をお話ししてくださってありがとうございます。1人の時間も楽しみつつ、優しい友だちと自然体でいられる信頼関係を築いているということで、大変素晴らしいですね。
さて、発達の偏りのあるお子さんの場合、学校生活や対人関係において独特の強みと課題が見られることがあります。一般的には、社会的コミュニケーションの困難がある場合、他者との相互作用や感情の共有が難しい場合があり、グループ活動や曖昧な社会的ルールへの対応が苦手なことも多いでしょう。
また、特定の興味をひかれるものに強く没頭したりルーティンを好む傾向から、1人行動を好むのも、特性としてよく見られます。お子さんのように、1人行動を好む一方で、必要な時に友だちとつながれるような信頼関係を築けているのは、「自分に合った人との関わり方」を自然に見つけていると言えます。医学的には、発達障害は個人差の大きいスペクトラムであり、お子さんのように社会的孤立を感じず、自分のペースで関係を築けるケースも見られます。
助けになってくれる友だちと出会えたのは、お子さん自身の魅力や周囲の理解がうまくマッチした結果でしょう。一般に、クラス替えや高校進学のような環境の変化は、発達の偏りのあるお子さんにとって大きなストレス要因になり得ます。ただし、お子さんのように自分の世界を確立していて他人との心地良い距離感をつかめている場合、クラス替えなどの感情的な影響が少なく、変化を前向きに捉えやすいこともあります。
お子さんが今、友だちと心地良い関係を築けているのは強みですね。無理にグループ参加をせずとも、必要な時に頼れるスキルを伸ばしていけるといいのではないでしょうか。高校進学での環境変化に対しては、「安心できる人や場所」を早めに見つけておくといいでしょう。見学やオリエンテーション、パンフレットなどで下調べをしておき、クラブ活動や図書室など、娘さんが「心地よい」と感じそうな場所を探しておくといいのではないでしょうか。
高校生活がはじまったら、好きな授業や落ち着ける場所を見つけて、そこから徐々に関わりを広げると自然と馴染みやすいでしょう。お子さんが築いてきた「自分なりの社会性」は、高校や将来でも必ず活きる力です。新しい場で自分らしい関係を築いていくのを、楽しみながら見守ってくださいね。
(監修:森先生)
SAKURAさん、お子さんの学校生活の様子をお話ししてくださってありがとうございます。1人の時間も楽しみつつ、優しい友だちと自然体でいられる信頼関係を築いているということで、大変素晴らしいですね。
さて、発達の偏りのあるお子さんの場合、学校生活や対人関係において独特の強みと課題が見られることがあります。一般的には、社会的コミュニケーションの困難がある場合、他者との相互作用や感情の共有が難しい場合があり、グループ活動や曖昧な社会的ルールへの対応が苦手なことも多いでしょう。
また、特定の興味をひかれるものに強く没頭したりルーティンを好む傾向から、1人行動を好むのも、特性としてよく見られます。お子さんのように、1人行動を好む一方で、必要な時に友だちとつながれるような信頼関係を築けているのは、「自分に合った人との関わり方」を自然に見つけていると言えます。医学的には、発達障害は個人差の大きいスペクトラムであり、お子さんのように社会的孤立を感じず、自分のペースで関係を築けるケースも見られます。
助けになってくれる友だちと出会えたのは、お子さん自身の魅力や周囲の理解がうまくマッチした結果でしょう。一般に、クラス替えや高校進学のような環境の変化は、発達の偏りのあるお子さんにとって大きなストレス要因になり得ます。ただし、お子さんのように自分の世界を確立していて他人との心地良い距離感をつかめている場合、クラス替えなどの感情的な影響が少なく、変化を前向きに捉えやすいこともあります。
お子さんが今、友だちと心地良い関係を築けているのは強みですね。無理にグループ参加をせずとも、必要な時に頼れるスキルを伸ばしていけるといいのではないでしょうか。高校進学での環境変化に対しては、「安心できる人や場所」を早めに見つけておくといいでしょう。見学やオリエンテーション、パンフレットなどで下調べをしておき、クラブ活動や図書室など、娘さんが「心地よい」と感じそうな場所を探しておくといいのではないでしょうか。
高校生活がはじまったら、好きな授業や落ち着ける場所を見つけて、そこから徐々に関わりを広げると自然と馴染みやすいでしょう。お子さんが築いてきた「自分なりの社会性」は、高校や将来でも必ず活きる力です。新しい場で自分らしい関係を築いていくのを、楽しみながら見守ってくださいね。

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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
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