うまくいかないことも多いけれど、長男のペースに合わせて
特別支援学級でも、同じクラスになったお友だちとまだ馴染めず、たまに喧嘩をすることもあるなど、うまくいかないことも多いようです。担任の先生は、「学習面はあまり無理をせず、途中休憩もしながら、気持ちが向いたら課題に取り組む」という方針で対応してくださっています。外で虫を観察したり、本を読んだりと好きな活動でリラックスできる時間をはさみつつ、長男のペースに合わせて進めてくださっているそうです。
学習についていけるのか、お友だちとの関わりはどうなっていくのか……まだまだ心配な部分も多いですが、早く新たな環境に慣れてくれたらいいなと願っています。
学習についていけるのか、お友だちとの関わりはどうなっていくのか……まだまだ心配な部分も多いですが、早く新たな環境に慣れてくれたらいいなと願っています。
執筆/プクティ
(監修:森先生より)
プクティさん、お子さんの新しい環境での挑戦やつまずきの体験談をありがとうございます。お子さんは、進級してから漢字や宿題の多さに圧倒されながらも、毎日コツコツと取り組まれたのですね。虫を観察したり、本を読んだりして自分なりのリラックス方法を見つけていて素晴らしいです。
さて、ASD(自閉スペクトラム症)やLD・SLD(限局性学習症)など、発達障害の傾向があるケースでは、授業や宿題などの学習面でつまずいてしまうことがあります。LD・SLD(限局性学習症)がある場合、漢字のような視覚的・記憶的な処理が難しいことがあります。脳の情報処理速度やワーキングメモリの容量が影響し、複雑なタスクで「圧倒される」感覚が生じやすいのです。
また、ASD(自閉スペクトラム症)の特性から、新しい環境や人との関わりで不安が高まり、交流学級のような変化に対応するのが難しい場合があります。交流学級で過ごしにくい場合、音や人の多さに敏感といった「感覚過敏」がある可能性もありますね。特別支援学級ですと一人ひとりの特性に合わせての対応ができて安心ではありますが、結局のところお子さん自身が課題を克服することに変わりはありません。
学習では、視覚的・触覚的な支援が有効です。漢字の学習であれば、指でなぞる、部首を色分けする、音読するなど、いろいろな感覚を駆使してみて、「これなら覚えられる」というお子さんの得意な感覚を探っていくといいでしょう。
宿題が多すぎて何から手をつけていいか分からない場合は、タスクを小さく分割し、やりやすいものや重要なものからひとつずつ片づけていきましょう。同時にいろいろなタスクをかかえるとワーキングメモリの負荷が増えてしまうため、目の前の小さなタスクだけに集中すればいいという状況にするといいですね。「3問できた!すごいね!」というように、小さな達成を具体的に褒めてあげると、短時間で達成感を得られるのでお勧めです。
また、宿題に時間がかかってしまう場合は、時間で区切ることも有効です。宿題を「30分やったら一旦休憩」と決め、タイマーを使うと集中力を高めることができますし、疲れすぎてしまうことも防げます。お子さんがストレスや不安をかかえすぎてしまわないように、虫観察や読書など、リラックスできること、集中できることをする時間を意識して設けて、ストレスをコントロールしていくといいのではないでしょうか。
2年生は、学校に少しずつ慣れてきて、学習や対人関係が高度になっていく時期です。つまずきは「能力不足」ではなく「成長の戸惑い」です。お子さんのペースを信じ、焦らず見守っていきましょう。これからも応援しています。
(監修:森先生より)
プクティさん、お子さんの新しい環境での挑戦やつまずきの体験談をありがとうございます。お子さんは、進級してから漢字や宿題の多さに圧倒されながらも、毎日コツコツと取り組まれたのですね。虫を観察したり、本を読んだりして自分なりのリラックス方法を見つけていて素晴らしいです。
さて、ASD(自閉スペクトラム症)やLD・SLD(限局性学習症)など、発達障害の傾向があるケースでは、授業や宿題などの学習面でつまずいてしまうことがあります。LD・SLD(限局性学習症)がある場合、漢字のような視覚的・記憶的な処理が難しいことがあります。脳の情報処理速度やワーキングメモリの容量が影響し、複雑なタスクで「圧倒される」感覚が生じやすいのです。
また、ASD(自閉スペクトラム症)の特性から、新しい環境や人との関わりで不安が高まり、交流学級のような変化に対応するのが難しい場合があります。交流学級で過ごしにくい場合、音や人の多さに敏感といった「感覚過敏」がある可能性もありますね。特別支援学級ですと一人ひとりの特性に合わせての対応ができて安心ではありますが、結局のところお子さん自身が課題を克服することに変わりはありません。
学習では、視覚的・触覚的な支援が有効です。漢字の学習であれば、指でなぞる、部首を色分けする、音読するなど、いろいろな感覚を駆使してみて、「これなら覚えられる」というお子さんの得意な感覚を探っていくといいでしょう。
宿題が多すぎて何から手をつけていいか分からない場合は、タスクを小さく分割し、やりやすいものや重要なものからひとつずつ片づけていきましょう。同時にいろいろなタスクをかかえるとワーキングメモリの負荷が増えてしまうため、目の前の小さなタスクだけに集中すればいいという状況にするといいですね。「3問できた!すごいね!」というように、小さな達成を具体的に褒めてあげると、短時間で達成感を得られるのでお勧めです。
また、宿題に時間がかかってしまう場合は、時間で区切ることも有効です。宿題を「30分やったら一旦休憩」と決め、タイマーを使うと集中力を高めることができますし、疲れすぎてしまうことも防げます。お子さんがストレスや不安をかかえすぎてしまわないように、虫観察や読書など、リラックスできること、集中できることをする時間を意識して設けて、ストレスをコントロールしていくといいのではないでしょうか。
2年生は、学校に少しずつ慣れてきて、学習や対人関係が高度になっていく時期です。つまずきは「能力不足」ではなく「成長の戸惑い」です。お子さんのペースを信じ、焦らず見守っていきましょう。これからも応援しています。

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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
SLD(限局性学習症)
LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
SLD(限局性学習症)
LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
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