就労移行支援、就労継続支援A型・B型の違い、障害者雇用…知っておきたい18歳以降の支援・働き方【専門家監修】

ライター:発達障害のキホン
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障害のある人への支援は、18歳を境に児童福祉法から障害者総合支援法へと中心となる法律が変わります。

それまで児童福祉法の支援を受けていて、「子どもが18歳以降の支援はどうなるのだろう」「就職のための支援もあるの?」と気になる方もいると思います。

今回の記事では障害者総合支援法の就労支援を中心に、障害のある18歳以上の人が活用できる支援について紹介します。

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監修: 渡部伸
行政書士
親なきあと相談室主宰
社会保険労務士
慶應義塾大学法学部卒後、出版社勤務を経て、行政書士、社会保険労務士、2級ファイナンシャルプランニング技能士などの資格を取得。現在、渡部行政書士社労士事務所代表。自身も知的障害の子どもを持ち、知的障害の子どもをもつ親に向けて「親なきあと」相談室を主宰。著作、講演など幅広く活動中。
目次

この記事で分かること

  • 障害者総合支援法の自立支援給付の障害福祉サービスは訓練等給付と介護給付に分けられる

  • 障害のある人の働き方には福祉的就労(就労継続支援A型・B型)と就労を目指した訓練(就労移行支援、職場適応訓練、自立訓練)と障害者雇用と一般就労がある

  • 就労後に受けられる支援もある(就労定着支援・ジョブコーチ支援)

  • 就労に関する支援サービスは数多くある

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障害者総合支援法に基づくサービス

障害のある人への支援は18歳未満の場合は児童福祉法、18歳以上の場合は障害者総合支援法が中心となります。

障害者総合支援法とは、障害のある人が個人の尊厳にふさわしい日常生活や社会生活を送るために必要となる支援を定めた法律です。対象となるのは基本的に18歳以上の障害のある人で、一部の難病のある人も対象となっています。

障害者総合支援法の中心となる自立支援給付の障害福祉サービスは訓練等給付と介護給付に分けられ、個人に対してのさまざまなサービスが提供されています。
参考:障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律|e-GOV法令検索
https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000123
参考:児童福祉法|e-GOV法令検索
https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164

訓練等給付サービス

障害者総合支援法の訓練等給付とは障害のある人へ自立した日常生活や社会生活を送るための支援を提供するサービスです。体調管理や金銭管理、身体的なリハビリテーションなどのサポートを行う自立訓練(機能訓練・自立訓練)、働く場所の提供や就職へのサポートを行う就労継続支援(A型・B型)、就労移行支援、就労定着支援などがあります。

訓練等給付には以下のサービスがあります。
  • 就労継続支援A型

  • 就労継続支援B型

  • 自立訓練(機能訓練・生活訓練・宿泊型自立訓練)

  • 就労移行支援

  • 就労定着支援

  • 共同生活援助(グループホーム)

  • 自立生活援助


それぞれのサービスを利用するには自治体への申請が必要となります。
また2025年10月より「就労選択支援」も開始されます。これは働く意欲のある障害のある人が自分で希望する就労先や適性のある就労先を選べるようにサポートする障害福祉サービスになります。
参考:障害福祉サービスについて|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/naiyou.html
参考:就労選択支援について|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/12201000/001389440.pdf

介護給付サービス

総合支援法の介護給付は障害のある人が日常生活を送るための介護や支援を提供するサービスです。自宅や施設での介護や援助、外出時の移動支援などがあります。

介護給付には以下のサービスがあります。
  • 居宅介護(ホームヘルプ)

  • 重度訪問介護

  • 同行援護

  • 行動援護

  • 重度障害者等包括支援

  • 短期入所(ショートステイ)

  • 療養介護

  • 生活介護


介護給付のサービスには障害支援区分が設定されており、利用するには自治体に申請し必要な障害支援区分の認定を受ける必要があります。以上が総合支援法の訓練等給付と介護給付です。今回の記事では18歳以上の人への就労支援を中心に詳しく紹介していきます。

障害のある人の働き方って?【1.福祉的就労】

まず、障害のある人への働く支援として就労継続支援を紹介します。就労継続支援は事業所内で働きながら報酬を受け取れることが特徴で、福祉的就労と呼ばれています。働き方によって雇用契約を結ぶ就労継続支援A型と雇用契約を結ばない就労継続支援B型に分かれています。

就労継続支援A型

就労継続支援A型とは一般企業で働くのが難しい障害のある人を対象に、利用者と雇用契約を結んだうえで働く場を提供するサービスです。雇用契約を結ぶため、労働基準法が適用され最低賃金が保障された給与が支払われるのが特徴で、この点が就労継続支援B型との大きな違いとなっています。

仕事内容はパソコンを使った事務作業、清掃、封入や発送などがあるほか、農作業やパンの製造を行い自ら販売するなど多岐にわたり、事業所ごとに異なります。

また、仕事の場の提供だけでなく、一般企業に就職するためのスキル取得やビジネスマナーの訓練などを行っている事業所もあります。

就労継続支援B型

就労継続支援B型は一般企業で働くことが難しい障害のある人を対象に、雇用契約を結ばずに働く場を提供するサービスです。雇用契約を結ばないため、給与ではなく工賃を受け取りながら利用します。就労継続支援A型と比べて、利用者の体調やペースに合わせた通い方ができることが特徴です。

仕事内容は農作業やパン・お菓子の製造販売、清掃、部品の組み立て、封入や発送など数多くの種類があり、事業所によって異なります。

また、就労継続支援B型もA型と同じく働くスキルを身につける訓練を行っている場合もあります。
参考:障害者総合支援法における就労系障害福祉サービス|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/1-4-2.pdf
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次ページ「障害のある人の働き方って?【2.就労を目指した訓練】」

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