現在のスバルは……しゃべらなかったあの頃が嘘みたい!?
現在のスバルはしゃべらなかったあの頃が嘘みたいに、朝から晩まで実況中継のようにしゃべり続けています。あの頃スバルに浴びせた「言葉のシャワー」を10倍返しで浴びる日々です。
インプットした知識をアウトプットする時には「バスのダイヤは天候や交通状況、乗客の利用傾向などを考慮しながら、バス会社の担当者が綿密に作成していて正確な運行が保たれるように調整されているんだよ」と流暢に話します。かと思えば、「ヒロシくんが虫かごにさ、昼休み昆虫を……あっ、そもそも昨日ルイくんがバッタを体育でね」と今日あった出来事を自分の言葉で話す時はとたんに語彙力が減り、文法もたどたどしくなります。そこは定型文をうまく応用してよ!と思うのですがそう上手くはいかないみたいです。
そんなスバルを見ていて思うのは話すって1つじゃないんだなということです。話す話さないの白と黒では測れない、それぞれの色があるのかもしれません。
インプットした知識をアウトプットする時には「バスのダイヤは天候や交通状況、乗客の利用傾向などを考慮しながら、バス会社の担当者が綿密に作成していて正確な運行が保たれるように調整されているんだよ」と流暢に話します。かと思えば、「ヒロシくんが虫かごにさ、昼休み昆虫を……あっ、そもそも昨日ルイくんがバッタを体育でね」と今日あった出来事を自分の言葉で話す時はとたんに語彙力が減り、文法もたどたどしくなります。そこは定型文をうまく応用してよ!と思うのですがそう上手くはいかないみたいです。
そんなスバルを見ていて思うのは話すって1つじゃないんだなということです。話す話さないの白と黒では測れない、それぞれの色があるのかもしれません。
執筆/星あかり
(監修:室伏先生より)
スバルくんが言葉を話し始めるまでの道のりを、ここまで丁寧に振り返ってくださり、ありがとうございました。言葉がなかなか出ない時期は、不安や葛藤が大きかったことと思います。現在は朝から晩まで元気にお話しされる姿があるとのこと、本当に頼もしいですね。
ASD(自閉スペクトラム症)のお子さんの中には、言葉を「コミュニケーションの道具」として使うことへの関心が薄く、発語がゆっくりになる傾向があります。一方で、文字には強く惹かれ、まるでパズルや絵本と同じように「遊び道具」として夢中になり、周囲のお子さんよりも早く文字を読んだり書いたりできるようになることも珍しくありません。これは、言葉が人とのやり取りのためではなく、自分の好きな世界を広げるための道具として受け止められているからです。
言葉をコミュニケーションのために育てていくには、次の3つがとても大切です。人と関わることが楽しいと感じること、言葉を使わないと自分の思いが伝わらないという経験をすること、「自分の思いを伝えたい」という気持ちを育てることです。これらが積み重なることで、少しずつ「言葉を使って伝えたい」という意欲が生まれていきます。
言葉を育てるための第一歩は、「人と関わることが楽しい」という気持ちをお子さんの中に育てることです。ただ、ASD(自閉スペクトラム症)のお子さんは、ひとりで遊んでいる時間を心地よく感じることが多く、ご家族が一緒に遊ぼうと声をかけても、遊びに入っていっても、なかなか反応が返ってこないことがあります。そのため、保護者の方は「どう関わればいいのか分からない」「せっかく声をかけても反応がなくて悲しい」と感じてしまうこともあるでしょう。
ASD(自閉スペクトラム症)のお子さんとの関わり方には少し工夫が必要なこともあります。例えばお子さんの視界に入る位置に座ること、お子さんの興味を惹きやすい擬音語や擬態語を交えて声をかけること(お子さんの行動を実況中継するように声掛けするだけでも有効です)、ふれあい遊びや手遊び歌をたくさん取り入れることなどです。
療育の現場では、こうした工夫が体系的に取り入れられており、保護者の方も一緒に参加したり見学されたりすることで、関わり方のヒントをたくさん得ることができますし、「こんな遊び方があるんだ」と新しい発見があるかもしれません。家での遊びや日常生活の中にも、療育で見た工夫を少しずつ取り入れていくと、親子の時間がより豊かになります。
言葉がなかなか出ないと、不安な気持ちでいっぱいになることもあると思います。けれど、お子さんへの働きかけは決して無駄にはなりません。たとえすぐに目に見える変化がなくても、その一つひとつの声かけや遊びが、少しずつお子さんの心の中に積み重なっていきます。どうしても不安や迷いが大きくなるときは、ご家族だけで抱え込まず、療育の先生や保健師さん、発達支援センターなど、さまざまな支援者に相談してください。お子さんのペースに合わせながら、「人と関わるって楽しい」「伝えたい気持ちがある」という小さな芽を育てていくことが、やがて言葉の花を咲かせる力になるはずです。
(監修:室伏先生より)
スバルくんが言葉を話し始めるまでの道のりを、ここまで丁寧に振り返ってくださり、ありがとうございました。言葉がなかなか出ない時期は、不安や葛藤が大きかったことと思います。現在は朝から晩まで元気にお話しされる姿があるとのこと、本当に頼もしいですね。
ASD(自閉スペクトラム症)のお子さんの中には、言葉を「コミュニケーションの道具」として使うことへの関心が薄く、発語がゆっくりになる傾向があります。一方で、文字には強く惹かれ、まるでパズルや絵本と同じように「遊び道具」として夢中になり、周囲のお子さんよりも早く文字を読んだり書いたりできるようになることも珍しくありません。これは、言葉が人とのやり取りのためではなく、自分の好きな世界を広げるための道具として受け止められているからです。
言葉をコミュニケーションのために育てていくには、次の3つがとても大切です。人と関わることが楽しいと感じること、言葉を使わないと自分の思いが伝わらないという経験をすること、「自分の思いを伝えたい」という気持ちを育てることです。これらが積み重なることで、少しずつ「言葉を使って伝えたい」という意欲が生まれていきます。
言葉を育てるための第一歩は、「人と関わることが楽しい」という気持ちをお子さんの中に育てることです。ただ、ASD(自閉スペクトラム症)のお子さんは、ひとりで遊んでいる時間を心地よく感じることが多く、ご家族が一緒に遊ぼうと声をかけても、遊びに入っていっても、なかなか反応が返ってこないことがあります。そのため、保護者の方は「どう関わればいいのか分からない」「せっかく声をかけても反応がなくて悲しい」と感じてしまうこともあるでしょう。
ASD(自閉スペクトラム症)のお子さんとの関わり方には少し工夫が必要なこともあります。例えばお子さんの視界に入る位置に座ること、お子さんの興味を惹きやすい擬音語や擬態語を交えて声をかけること(お子さんの行動を実況中継するように声掛けするだけでも有効です)、ふれあい遊びや手遊び歌をたくさん取り入れることなどです。
療育の現場では、こうした工夫が体系的に取り入れられており、保護者の方も一緒に参加したり見学されたりすることで、関わり方のヒントをたくさん得ることができますし、「こんな遊び方があるんだ」と新しい発見があるかもしれません。家での遊びや日常生活の中にも、療育で見た工夫を少しずつ取り入れていくと、親子の時間がより豊かになります。
言葉がなかなか出ないと、不安な気持ちでいっぱいになることもあると思います。けれど、お子さんへの働きかけは決して無駄にはなりません。たとえすぐに目に見える変化がなくても、その一つひとつの声かけや遊びが、少しずつお子さんの心の中に積み重なっていきます。どうしても不安や迷いが大きくなるときは、ご家族だけで抱え込まず、療育の先生や保健師さん、発達支援センターなど、さまざまな支援者に相談してください。お子さんのペースに合わせながら、「人と関わるって楽しい」「伝えたい気持ちがある」という小さな芽を育てていくことが、やがて言葉の花を咲かせる力になるはずです。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
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自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
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