「ありがとう」娘の言葉がくれた確信。そして今、友だちとの旅行へ
修学旅行が終わって1か月ほど経ったある日。二人きりでいるときに、娘がぽつりと言いました。
「お母さんが『修学旅行に行かなくていいよ』と言ってくれて、本当に良かった。ありがとう」
その言葉を聞いた瞬間、私の選択は間違いではなかったのだと、心から安堵しました。母親がちゃんと自分のことを見て、守ってくれていると感じ取ってくれていることが、何より嬉しく思いました。卒業アルバムの修学旅行のページに、娘の姿はありません。それを見たときは、少しだけ寂しい気持ちにもなりました。しかし、大学生になった娘は、今とても前向きです。
「私は高校の修学旅行に行かなかったことを後悔していないよ。今は、心から一緒に行きたいと思える友だちとの旅行や、大学の留学が楽しみで仕方ない!」
そう言って笑う娘は、友だちと自分たちで予算を考え、旅行の計画を立てています。その姿は、高校生の時とは比べ物にならないほど、たくましく輝いて見えます。
「お母さんが『修学旅行に行かなくていいよ』と言ってくれて、本当に良かった。ありがとう」
その言葉を聞いた瞬間、私の選択は間違いではなかったのだと、心から安堵しました。母親がちゃんと自分のことを見て、守ってくれていると感じ取ってくれていることが、何より嬉しく思いました。卒業アルバムの修学旅行のページに、娘の姿はありません。それを見たときは、少しだけ寂しい気持ちにもなりました。しかし、大学生になった娘は、今とても前向きです。
「私は高校の修学旅行に行かなかったことを後悔していないよ。今は、心から一緒に行きたいと思える友だちとの旅行や、大学の留学が楽しみで仕方ない!」
そう言って笑う娘は、友だちと自分たちで予算を考え、旅行の計画を立てています。その姿は、高校生の時とは比べ物にならないほど、たくましく輝いて見えます。
行かない選択肢が心を守ることも
学校生活における団体行動は、社会性を学ぶ上で大切なのかもしれません。しかし、発達に特性のある子にとって、返ってストレスになることもあります。
娘との経験を通して、「みんなと一緒」でなくても、その子なりのペースや参加の形があることを学びました。そして、子どもが「つらい」と心の悲鳴をあげているときは、無理をさせるのではなく「行かない」という選択肢で心を守ることも必要だと感じています。
願わくは、行事への参加が難しい子どもたちのために、静かに学習できる時間が選択肢として用意されるような、柔軟で優しい教育環境が整うことです。すべての子どもが「ここにいても大丈夫」と感じられる、そんな学校が当たり前になる未来を、心から願っています。
娘との経験を通して、「みんなと一緒」でなくても、その子なりのペースや参加の形があることを学びました。そして、子どもが「つらい」と心の悲鳴をあげているときは、無理をさせるのではなく「行かない」という選択肢で心を守ることも必要だと感じています。
願わくは、行事への参加が難しい子どもたちのために、静かに学習できる時間が選択肢として用意されるような、柔軟で優しい教育環境が整うことです。すべての子どもが「ここにいても大丈夫」と感じられる、そんな学校が当たり前になる未来を、心から願っています。
イラスト/マミー・マウス子ビッツ
※エピソード参考者のお名前はご希望により非公開とさせていただきます。
(監修:井上先生より)
娘さんの苦しむ姿を毎日お家で見るのは親としてとてもつらかったと思います。先生の立場での修学旅行は、全員参加で楽しみな活動という先入観があったのだと思いますが、親として自分の意思をなかなか表に出せない娘さんのことをその限界点も含めて理解しておられたことが適切な判断に繋がったのだと思います。また「自分を守るために休む」という選択肢を経験できたことは娘さんにとっても修学旅行の参加以上の貴重な体験になったのではないでしょうか。「みんなと同じでないと」という思いは少なからず親にも子どもにもあると思いますが、それにとらわれず、クラスの状態や子どもの体調にあわせてその時々で判断することが大切だと思います。
※エピソード参考者のお名前はご希望により非公開とさせていただきます。
(監修:井上先生より)
娘さんの苦しむ姿を毎日お家で見るのは親としてとてもつらかったと思います。先生の立場での修学旅行は、全員参加で楽しみな活動という先入観があったのだと思いますが、親として自分の意思をなかなか表に出せない娘さんのことをその限界点も含めて理解しておられたことが適切な判断に繋がったのだと思います。また「自分を守るために休む」という選択肢を経験できたことは娘さんにとっても修学旅行の参加以上の貴重な体験になったのではないでしょうか。「みんなと同じでないと」という思いは少なからず親にも子どもにもあると思いますが、それにとらわれず、クラスの状態や子どもの体調にあわせてその時々で判断することが大切だと思います。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
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