検証と考察~感覚過敏かも~

原因は「色」ではなく「感覚(素材・温度)」かもしれない、という仮説が立ち、検証が始まりました。茶色ズボンはスタンバイのうえ、次のことを試しました(本当は色でも検証したかったのですが、茶色ズボンの色違いは売り切れで断念しました)。

【検証1:温度】
NGズボン(チノ、カーゴ)を「布団の中で温めて」から履かせてみる
結果: 断固拒否

【検証2:素材】
デニム調を「布団の中で温めて」から履かせてみる
結果: 日による。コンディションがよいと受け入れる日も出てきた
※補足
チノ、カーゴ拒否後にデニム調を履かせようとしても絶対に履かなかった(1度嫌となると茶色1択になる)。

【考察】
やはり「ごわごわ感(素材)」が一番のネック。チノ・カーゴは「ごわごわ」すぎて論外。秋に気に入った素材感(茶色)が現れたことでデニム調が降格し、「ギリギリ許容範囲」のラインとなったのだろう。

結果、チノとカーゴは潔くさよならすることにしました。また、茶色一択にならずに済んで少し余裕もでたことで、「今日はいけるかなー…、あ、ぴょこぴょこきたねぇ~こっちにしようね!」と私自身も息子のごきげん具合を楽しみながら履かせられるようになりました。
ぴょこぴょこきたねぇ~こっちにしようね!とズボンを交換する様子
ぴょこぴょこきたねぇ~こっちにしようね!とズボンを交換する様子
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「感覚過敏」は形を変えてやってくる

4歳になったあたりで「茶色ズボン時代」は(理由は不明ですが)終わり、いつの間にかデニム調ズボンも自然と履くようになりました。「成長したのかな?」と思いきや……。現在(6歳)、新たに裾や袖の「リブ」を断固拒否しています!

「まくって、まくって!」と言いながら肘上・膝上まで思い切りたくし上げ、寒そうなスタイルで登園しています(肘上・膝上にリブがくるほうがきついのでは!?)。さらに、「きつい!」と言って着てくれず、日の目を浴びずにさよならの可能性大の服も多数……。冬の定番である「リブ」のない服を探すのに、苦労する日々が続きそうです。

改めて思うのは……

改めて思うのは、3歳の時も6歳の今も、理由は「わがまま」や「こだわり」ではなく、「感覚過敏」だった、ということです。「ちゃいろー!」は、さまざまな思いをうまく言葉で伝えられなかった息子の精一杯の「SOS」だったのかもしれません。

感覚は本人にしか分からないため「どう感じているのか」を理解してあげることができずもどかしい気持ちもあります。でも、「私には計り知れない息子の感覚がある」ということを受け止め、息子が快適に過ごせるサポートをしていきたいです。
イラスト/マミー・マウス子ビッツ
エピソード参考/かかっきー

(監修:新美先生より)
お子さんの感覚過敏に関する服のこだわりについてのお話を聞かせて下さりありがとうございます。

「この服は無理!」「これしか着られない!」という服に関するこだわりは、発達特性のある子にしばしば見られます。大人からは理由が見えにくく、「わがままなの?」「どうして急に?」と悩んでしまうところです。今回のお話では、お母さんが息子さんの“見えない感覚”を丁寧に読み解いていく過程が、とても温かく丁寧で素敵でした。

「ちゃいろー!」というので “色へのこだわり”なのかと思ったら、実際には「素材のごわつき」「肌に触れたときの温度」「締めつけ感」などの感覚過敏が理由だったのですね。感覚の偏りは、他者と比べることもできず、感覚の違和感を言語化することは子どもにとっては難しいので、「肌触りがいや」「締めつけられるのがいや」というようにはなかなか言ってはくれません。このため、お子さんが何にこだわっているのかを見つけていく作業は思いのほか苦労するものです。まるで理科の実験のように、条件を変えて、お子さんにとっての着られる・履ける服を見つけていく過程は、面倒ではありますが、お子さんに寄り添っておられる姿がとてもいいなと思いました。

「OKな服がとにかく少ない」時期には、気に入った同じ服を複数枚買い足すというご家庭も少なくありません。毎日着ても本人が落ち着くというメリットがありますし、親としても“これさえあれば大丈夫”という安心材料になります。「この同じズボン3枚を洗濯ローテしています」というお話はあるあるです。

記事の中に、「ダメな服は潔くさよならした」と書かれていた言葉にもとても共感しました。着られるかどうかは本当に“着てみないと分からない”ため、フリマアプリも活用して、気軽に試せて気軽に手放せる仕組みをおすすめしています。親子双方のストレスを減らす大事な工夫です。

感覚過敏は成長とともにテーマが変わることもよくあります。今回の「茶色ズボン→OK」「今はリブがNG」のように、年齢やその時の心身の状態でも変化します。また、ストレスが高くなると感覚過敏が強まることもあります。試行錯誤を繰り返しながら、お子さんが“どう感じているか”を大切にしていく姿勢は、感覚の偏りが大きいお子さんを育てるうえで、とても大切な視点だと感じました。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
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