【小学生の対人トラブル】「ちくり魔」と言われた、相手の気持ちが分からない、衝動的に手が出る…解決のコツは【専門家Q&A】
ライター:発達ナビ編集部
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専門家Q&Aとは、読者の方からの質問に対して専門家が回答するコーナーです。このコラムでは、言葉だけでは伝わりにくい「相手の気持ち」や「社会的なルール」などの「対人関係・コミュニケーション」の悩みについて発達に特性があるお子さんの保護者から寄せられた切実な相談と、それに対する専門家のアドバイスをまとめてご覧いただけます。
監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
「対人関係・コミュニケーション」の悩み、どんなものがある?
専門家Q&Aとは、読者の方からの質問に対して専門家が回答するコーナーです。このコラムでは、「対人関係・コミュニケーション」の悩みについて発達に特性があるお子さんの保護者から寄せられた切実な相談と、それに対する専門家のアドバイスをピックアップしてまとめました。
「なぜそんなこと言っちゃうの?」「どうして手が出てしまうの?」。集団生活の中で浮いてしまったり、お友だちを傷つけてしまったりする姿を見るのは、親として胸が締めつけられる思いですよね。悪気はないのに空気が読めなかったり、独特の正義感から「ちくり魔」と言われてしまったり……。言葉だけでは伝わりにくい「相手の気持ち」や「社会的なルール」を、お子さんの特性に合わせてどう伝えていくべきか、専門的な視点から考えます。
「なぜそんなこと言っちゃうの?」「どうして手が出てしまうの?」。集団生活の中で浮いてしまったり、お友だちを傷つけてしまったりする姿を見るのは、親として胸が締めつけられる思いですよね。悪気はないのに空気が読めなかったり、独特の正義感から「ちくり魔」と言われてしまったり……。言葉だけでは伝わりにくい「相手の気持ち」や「社会的なルール」を、お子さんの特性に合わせてどう伝えていくべきか、専門的な視点から考えます。
友だちとのトラブルについてのQ&A
Q:「ちくり魔」といじめられている…という発達グレー小5の息子。友だち関係が心配です
診断はありませんが、通級指導教室へ通っていたことがある息子のことです。
息子は考え方が固く、「こう」と思ったら自分は正しいと意見を譲ることがあまりありません。特別な親しい友人はいませんでしたが、小学校低学年まではなんとなく集団で遊んでいるところに参加する……という形で友達と遊んでいました。ですが高学年になり、息子の言動によっていじめられつつあるのではと心配しています。
先日「ぼく、学校でチクリ魔っていじめられてるんだ」と言い出しました。話を聞くと、授業中など使ってはいけない場面でタブレットでゲームをしている子を見つけると、いちいち先生に言いつけているようなのです。私は「先生もきっと気づいているし、注意をするのは先生の仕事だから、ほおってほいた方がいいよ」と言ったのですが、「タブレットの使い方を守っていない子がいると、クラス全員がタブレット使用禁止になったりするから、僕が言うことが正しい」と譲りませんでした。
廊下を歩いているとわざとぶつかってこられ「目障りだ!チクリ魔」といわれることもあるそうです。ドッチボールをやっているところに入れてもらおうとしても「ダメ」と入れてもらえなかったとか……。
個人面談の機会に先生に相談したところ、すぐ切り替えてしまう(忘れてしまう?)特性があるせいか、基本問題なく過ごしているとのことでした(本を読んだりするとすぐ気持ちが切り替わって、引きずらないタイプです)。
今後子どもにどのように話していけばいいでしょうか?また学校へお願いした方がいいことなどありましたら、教えていただけると嬉しいです。
A:親として本当に難しい悩みだと思います。自分の意見に対して信念を持つことは良いことですし、しかもそれが理屈的には正しいことですが周囲の友だちの目から見るとおせっかいに映ってしまうのでしょう。
例えば、街の中で知らない人がバスや電車の車内で大騒ぎしているような場合を考えてみましょう。この場合、相手は見知らぬ人で、直接注意することが自らを危険やトラブルにさらすことにもなるかもしれません。
こうした場合、車掌さんに知らせるなどが一つの適切な解決方法ではないかと思います。お子さんが学校で良くないと思ったことを先生に伝えるということは、それを見て見ぬふりをするのではなく、適切な対応をするということをすでに学んでいるとも言えるかもしれません。
しかし今回の事案では、注意する対象は見知らぬ人ではなくクラスメイトです。学校という中では先生に注意してもらうだけではなく、相手を傷つけないようにさりげなく注意をする練習の場にすることもできると思います。
担任の先生から「友だち同士で注意をするときはどんなの方法がいいのか」ということをあらかじめクラス全体の中で話しあっておくと良いでしょう。そのうえで友だちが受け入れられやすいやり方でやめるように促すことにチャレンジしてみるのはいかがでしょうか。
(井上 雅彦 先生(鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授)回答)
息子は考え方が固く、「こう」と思ったら自分は正しいと意見を譲ることがあまりありません。特別な親しい友人はいませんでしたが、小学校低学年まではなんとなく集団で遊んでいるところに参加する……という形で友達と遊んでいました。ですが高学年になり、息子の言動によっていじめられつつあるのではと心配しています。
先日「ぼく、学校でチクリ魔っていじめられてるんだ」と言い出しました。話を聞くと、授業中など使ってはいけない場面でタブレットでゲームをしている子を見つけると、いちいち先生に言いつけているようなのです。私は「先生もきっと気づいているし、注意をするのは先生の仕事だから、ほおってほいた方がいいよ」と言ったのですが、「タブレットの使い方を守っていない子がいると、クラス全員がタブレット使用禁止になったりするから、僕が言うことが正しい」と譲りませんでした。
廊下を歩いているとわざとぶつかってこられ「目障りだ!チクリ魔」といわれることもあるそうです。ドッチボールをやっているところに入れてもらおうとしても「ダメ」と入れてもらえなかったとか……。
個人面談の機会に先生に相談したところ、すぐ切り替えてしまう(忘れてしまう?)特性があるせいか、基本問題なく過ごしているとのことでした(本を読んだりするとすぐ気持ちが切り替わって、引きずらないタイプです)。
今後子どもにどのように話していけばいいでしょうか?また学校へお願いした方がいいことなどありましたら、教えていただけると嬉しいです。
A:親として本当に難しい悩みだと思います。自分の意見に対して信念を持つことは良いことですし、しかもそれが理屈的には正しいことですが周囲の友だちの目から見るとおせっかいに映ってしまうのでしょう。
例えば、街の中で知らない人がバスや電車の車内で大騒ぎしているような場合を考えてみましょう。この場合、相手は見知らぬ人で、直接注意することが自らを危険やトラブルにさらすことにもなるかもしれません。
こうした場合、車掌さんに知らせるなどが一つの適切な解決方法ではないかと思います。お子さんが学校で良くないと思ったことを先生に伝えるということは、それを見て見ぬふりをするのではなく、適切な対応をするということをすでに学んでいるとも言えるかもしれません。
しかし今回の事案では、注意する対象は見知らぬ人ではなくクラスメイトです。学校という中では先生に注意してもらうだけではなく、相手を傷つけないようにさりげなく注意をする練習の場にすることもできると思います。
担任の先生から「友だち同士で注意をするときはどんなの方法がいいのか」ということをあらかじめクラス全体の中で話しあっておくと良いでしょう。そのうえで友だちが受け入れられやすいやり方でやめるように促すことにチャレンジしてみるのはいかがでしょうか。
(井上 雅彦 先生(鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授)回答)
専門家Q&A「「ちくり魔」といじめられている…という発達グレー小5の息子。友だち関係が心配です」
Q:小学生男子特有?の悪ふざけが通じず衝動的に手が出てしまう息子
先日、担任の先生から、息子が交流学級の同級生に「嫌なことを言われた」と怒って、その子を投げ飛ばした(!)と連絡がありました。本人に聞いたところ、「同級生から『〇〇君(息子)にケンカを売ったらどうなるのかな~?』と言われたから」とのこと……。え?そんなことで?と、私にはさっぱり意味が分かりませんでした。
そもそも、暴力はいけないと何度も言って聞かせていますが、衝動性が強くなかなかなくなりません(口は達者なのに言葉で返さない)。相手の子はふざけて言っているだけなのに、被害妄想が激しすぎるのでは?と将来が心配になります。3年生になり交流学級で同級生と関わる時間も増え、うれしく思っていた矢先だったので、余計に落ち込んでいます……。
A:小学校3年生ですと、気になるお子さんに対してちょかいをかけてくるクラスメイトも何人かいると思います。
担任の先生と連携をしながら、片方だけを一方的に悪者にするのではないような対応をしてもらうことも大切です。
また、息子さんの気持ちには共感しつつ、どの行動が良くなかったかを冷静になったあとに話してみると良いと思います。
4コマ漫画のようにして、視覚的に整理しながら説明をすると分かりやすいかもしれません。暴力の代わりにどのような返し方をすれば良かったかを一緒に考えてみると良いでしょう。
衝動性は理解しただけではコントロールできない場合もあります。暴力ではないけれど暴言になってしまうなど、最初から理想的な形にうまくいかなくても、子どもが頑張ろうとしている点は認めていくことが大切です。
(井上 雅彦 先生(鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授)回答)
そもそも、暴力はいけないと何度も言って聞かせていますが、衝動性が強くなかなかなくなりません(口は達者なのに言葉で返さない)。相手の子はふざけて言っているだけなのに、被害妄想が激しすぎるのでは?と将来が心配になります。3年生になり交流学級で同級生と関わる時間も増え、うれしく思っていた矢先だったので、余計に落ち込んでいます……。
A:小学校3年生ですと、気になるお子さんに対してちょかいをかけてくるクラスメイトも何人かいると思います。
担任の先生と連携をしながら、片方だけを一方的に悪者にするのではないような対応をしてもらうことも大切です。
また、息子さんの気持ちには共感しつつ、どの行動が良くなかったかを冷静になったあとに話してみると良いと思います。
4コマ漫画のようにして、視覚的に整理しながら説明をすると分かりやすいかもしれません。暴力の代わりにどのような返し方をすれば良かったかを一緒に考えてみると良いでしょう。
衝動性は理解しただけではコントロールできない場合もあります。暴力ではないけれど暴言になってしまうなど、最初から理想的な形にうまくいかなくても、子どもが頑張ろうとしている点は認めていくことが大切です。
(井上 雅彦 先生(鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授)回答)
専門家Q&A「小学生男子特有?の悪ふざけが通じず衝動的に手が出てしまう息子」
相手の気持ちや相手言われたことの受け止め方についてのQ&A
Q:相手の気持ちを考えずに行動してしまう
知的の特別支援学級に通っている小2の息子についてです。
基本的に性格が穏やかなのですが、友だちとの約束を忘れてしまい相手を怒らせてしまうことが多々あるようです。
例えば前日にお友だちと「明日の休み時間に〇〇をして遊ぼう!」と約束したとします。しかし当日になると違う遊びがしたくなってしまい、その約束を破りお友だちを怒らせてしまう…のような感じです。それならお友だちにそのことを説明すればいいのに、あとで息子に話を聞いてみると「忘れてた」などと言って何も言わずに別の遊びをしているようです。
先生なども都度注意はしてくれているようですが、その時の自分の気持ちを優先してしまう・うまく自分の気持ちを相手に話すことができない場合、家ではどのような声掛けなどをすると良いでしょうか。
A:息子さんが悪気がないのに友だちに誤解されてしまってトラブルになってしまうことは親としてもどかしいですよね。先に挙げられた例からは「友だちの気持ちが読み取れない」というだけでなく、約束を忘れてしまうというような不注意傾向、自分の気持ちを説明するコミュニケーション力やトラブルに対処するための社会的スキルなど複数の課題が絡み合っているように思えます。トラブル事案によって、原因となる要因は異なってくると思いますが、そのひとつ一つを「コミュニケーションの学習」ととらえていくと前向きに考えられるのではないでしょうか。
そのためには大人が感情的に叱ったりせず、本人と冷静に振り返ることで、子どもの感情的な反発やどちらが悪いかというような「悪者探し」に終始しなくてすみます。トラブル事案(学びの場面)について落ち着いて振り返る中で、どうすれば良かったかを一緒に考え、今のお子さんにできることを具体的に示していけると良いでしょう。
(井上 雅彦 先生(鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授)回答)
基本的に性格が穏やかなのですが、友だちとの約束を忘れてしまい相手を怒らせてしまうことが多々あるようです。
例えば前日にお友だちと「明日の休み時間に〇〇をして遊ぼう!」と約束したとします。しかし当日になると違う遊びがしたくなってしまい、その約束を破りお友だちを怒らせてしまう…のような感じです。それならお友だちにそのことを説明すればいいのに、あとで息子に話を聞いてみると「忘れてた」などと言って何も言わずに別の遊びをしているようです。
先生なども都度注意はしてくれているようですが、その時の自分の気持ちを優先してしまう・うまく自分の気持ちを相手に話すことができない場合、家ではどのような声掛けなどをすると良いでしょうか。
A:息子さんが悪気がないのに友だちに誤解されてしまってトラブルになってしまうことは親としてもどかしいですよね。先に挙げられた例からは「友だちの気持ちが読み取れない」というだけでなく、約束を忘れてしまうというような不注意傾向、自分の気持ちを説明するコミュニケーション力やトラブルに対処するための社会的スキルなど複数の課題が絡み合っているように思えます。トラブル事案によって、原因となる要因は異なってくると思いますが、そのひとつ一つを「コミュニケーションの学習」ととらえていくと前向きに考えられるのではないでしょうか。
そのためには大人が感情的に叱ったりせず、本人と冷静に振り返ることで、子どもの感情的な反発やどちらが悪いかというような「悪者探し」に終始しなくてすみます。トラブル事案(学びの場面)について落ち着いて振り返る中で、どうすれば良かったかを一緒に考え、今のお子さんにできることを具体的に示していけると良いでしょう。
(井上 雅彦 先生(鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授)回答)
専門家Q&A「相手の気持ちを考えずに行動してしまう」
Q:怒っていないことを伝えるにはどうしたらよいでしょうか。
ASD(自閉スペクトラム症)の年長男児です。こちらが全く怒っていないのに「怒られた」と捉えてしまうのか、泣き出したりプチ癇癪になったりしてしまうことがあります。
例えば、高いところにミニカーを並べていて、それ以上並べると雪崩のように落ちそうだなと思い「落ちそうだから次の車は下の段にしようか」と伝えたところ、「ママ言わないで!」と泣き出してしまいました。「ママ、怒ってないよ、落ちたら危ないと思ったから言っただけだよ、大丈夫だよ」と言っても納得せず、私に怒られたと思い込んでいるようでした。語気を荒げたということは全くないですし、注意したつもりもありません。
何がいけなかったのでしょうか、、また「怒っていない」ことが伝わるように、こちらが注意できることはありますか。
A:注意されるとパニックになるということで、「怒られた」というところまで感じているかというのは、微妙な判断になるかと思います。注意されても大丈夫な場面もあると思いますが、それはどのような場面でしょうか。例えば、本人がこだわっていることや活動に対しては口を挟むだけで嫌ということもあるかもしれませんし、本人があまり興味のない活動であれば口を挟んだり注意をしても受け入れられることもあります。
特定の場面で注意が受け入れられにくい場合は「怒ってないけどちょっといい?」と言ってみてから注意する、また少し面倒ですがカードに書いたりして音声以外で提示するようにするなどいろいろと試してみられてはどうでしょうか。そのほか、声のトーンを変える、ユーモアを取り入れて歌に乗せて注意する、チャイムを鳴らしてから注意をするなども試してみると良いかもしれません。
(井上 雅彦 先生(鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授)回答)
例えば、高いところにミニカーを並べていて、それ以上並べると雪崩のように落ちそうだなと思い「落ちそうだから次の車は下の段にしようか」と伝えたところ、「ママ言わないで!」と泣き出してしまいました。「ママ、怒ってないよ、落ちたら危ないと思ったから言っただけだよ、大丈夫だよ」と言っても納得せず、私に怒られたと思い込んでいるようでした。語気を荒げたということは全くないですし、注意したつもりもありません。
何がいけなかったのでしょうか、、また「怒っていない」ことが伝わるように、こちらが注意できることはありますか。
A:注意されるとパニックになるということで、「怒られた」というところまで感じているかというのは、微妙な判断になるかと思います。注意されても大丈夫な場面もあると思いますが、それはどのような場面でしょうか。例えば、本人がこだわっていることや活動に対しては口を挟むだけで嫌ということもあるかもしれませんし、本人があまり興味のない活動であれば口を挟んだり注意をしても受け入れられることもあります。
特定の場面で注意が受け入れられにくい場合は「怒ってないけどちょっといい?」と言ってみてから注意する、また少し面倒ですがカードに書いたりして音声以外で提示するようにするなどいろいろと試してみられてはどうでしょうか。そのほか、声のトーンを変える、ユーモアを取り入れて歌に乗せて注意する、チャイムを鳴らしてから注意をするなども試してみると良いかもしれません。
(井上 雅彦 先生(鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授)回答)
専門家Q&A「怒っていないことを伝えるにはどうしたらよいでしょうか。」
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