【発達障害・グレーゾーンの小学生】板書が苦手、宿題でパニック、中学進学の選択基準…学校生活のお悩み解決のヒント【専門家Q&A】
ライター:発達ナビ編集部
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専門家Q&Aとは、読者の方からの質問に対して専門家が回答するコーナーです。学校は、勉強だけでなく、音や視覚情報、複雑な人間関係が渦巻く「刺激の多い場所」です。このコラムでは、「学習・学校生活」の悩みについて発達に特性があるお子さんの保護者から寄せられた切実な相談と、それに対する専門家のアドバイスをピックアップしてまとめました。
監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
お子さんが自信を失わずに学校生活を送るためのヒント集!
専門家Q&Aとは、読者の方からの質問に対して専門家が回答するコーナーです。このコラムでは、「学習・学校生活」の悩みについて発達に特性があるお子さんの保護者から寄せられた切実な相談と、それに対する専門家のアドバイスをピックアップしてまとめました。
学校は、勉強だけでなく、音や視覚情報、複雑な人間関係が渦巻く「刺激の多い場所」です。板書が苦手、計算でパニックになるといった困りごとは、本人の努力不足ではなく、特性ゆえの「生きづらさ」かもしれません。わが子にとって最適な学びの環境は、通常級なのか、特別支援なのか。進路の選択や学習のサポートなど、お子さんが自信を失わずに学校生活を送るためのヒントを集めました。
学校は、勉強だけでなく、音や視覚情報、複雑な人間関係が渦巻く「刺激の多い場所」です。板書が苦手、計算でパニックになるといった困りごとは、本人の努力不足ではなく、特性ゆえの「生きづらさ」かもしれません。わが子にとって最適な学びの環境は、通常級なのか、特別支援なのか。進路の選択や学習のサポートなど、お子さんが自信を失わずに学校生活を送るためのヒントを集めました。
学習の遅れについてのQ&A
Q:小2の娘、簡単な計算ができず、間違えると頭をポカポカたたいてパニックに
現在小学2年生の娘のことで相談させてください。娘は、簡単な計算問題を間違えると、急に「私はダメだ!私はバカだ!」と言いながら自分の頭を両手でポカポカ叩いたり、顔をくしゃっとさせて泣き出すなどパニック状態になってしまいます。
「間違っても良いんだよ」「一緒にやり直そう」と声をかけたり、落ち着くまで時間を置いて待ったりしていますが、一度パニックになると自分の気が済むまで(?)泣き止まず、こちらも精神的に参ってしまいます。
不思議なことに学校では家のようにはならず、先生からも「授業中は落ち着いて取り組んでいます」と言われます。家庭学習の時だけこのような状態になるようなのです。また、宿題をしなくても良いんだよと言っても、泣きながらでも絶対に宿題はやりきります。診断はなく、学校から指摘されることはありませんが、私としてなにかしらの特性があるのではと思っています。毎日の宿題がストレスです。どのように娘をサポートすれば良いでしょうか?
A:毎日お子さんの宿題を見てあげながらの癇癪、親としてもとてもつらいと思います。お子さんの完璧主義的な特性もあるかもしれませんが、親の前でだけ癇癪やパニックが起こることは親にかまってほしい、自分のつらさに寄り添ってほしい、気持ちを分かってほしいなどの感情からくる場合も考えられます。いくつかの手立てがあると思いますが、あくまで参考にしていただけたらと思います。
宿題を見る、というよりはお絵描きなど親子で楽しめるような活動を一緒に楽しんだり、宿題をする際にも「ヒントカード」などを作って子どもが指し示すことで、間違える前に親からその場でヒントカードに記入したものを見せて解けるような環境にしたり、癇癪前の行動を特定し、癇癪が起こる前に対応をするという方法もあります。場合によっては声掛けなども「つらいんだね、大丈夫だよ」など一旦共感する言葉をかけると良いでしょう。「宿題しなくても良いんだよ」という言葉は、親御さんからではなく学校の先生から言ってもらうほうが良いかと思われます。
(井上 雅彦 先生(鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授)回答)
「間違っても良いんだよ」「一緒にやり直そう」と声をかけたり、落ち着くまで時間を置いて待ったりしていますが、一度パニックになると自分の気が済むまで(?)泣き止まず、こちらも精神的に参ってしまいます。
不思議なことに学校では家のようにはならず、先生からも「授業中は落ち着いて取り組んでいます」と言われます。家庭学習の時だけこのような状態になるようなのです。また、宿題をしなくても良いんだよと言っても、泣きながらでも絶対に宿題はやりきります。診断はなく、学校から指摘されることはありませんが、私としてなにかしらの特性があるのではと思っています。毎日の宿題がストレスです。どのように娘をサポートすれば良いでしょうか?
A:毎日お子さんの宿題を見てあげながらの癇癪、親としてもとてもつらいと思います。お子さんの完璧主義的な特性もあるかもしれませんが、親の前でだけ癇癪やパニックが起こることは親にかまってほしい、自分のつらさに寄り添ってほしい、気持ちを分かってほしいなどの感情からくる場合も考えられます。いくつかの手立てがあると思いますが、あくまで参考にしていただけたらと思います。
宿題を見る、というよりはお絵描きなど親子で楽しめるような活動を一緒に楽しんだり、宿題をする際にも「ヒントカード」などを作って子どもが指し示すことで、間違える前に親からその場でヒントカードに記入したものを見せて解けるような環境にしたり、癇癪前の行動を特定し、癇癪が起こる前に対応をするという方法もあります。場合によっては声掛けなども「つらいんだね、大丈夫だよ」など一旦共感する言葉をかけると良いでしょう。「宿題しなくても良いんだよ」という言葉は、親御さんからではなく学校の先生から言ってもらうほうが良いかと思われます。
(井上 雅彦 先生(鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授)回答)
専門家Q&A「小2の娘、簡単な計算ができず、間違えると頭をポカポカたたいてパニックに」
Q:板書をノートに写すのが極端に苦手
板書をノートに写すのが極端に苦手です。ADHD(注意欠如多動症)の不注意的特性で写す場所を間違えたり、ASD(自閉スペクトラム症)のこだわりから文字の形が気に入らないと消して書き直したりして……まったく進まないようです。本人の「完璧にやりたい」気持ち(ASD)と「面倒くさい」気持ち(ADHD)がぶつかる時、どう動機づければ良いでしょうか?また、学校でお願いできるような配慮はありますか?
A:高学年になるにしたがって板書の量も多くなり、板書に集中すればするほど授業の内容が分からなくなるということもあります。「完璧にやりたい」と「面倒くさい」の対立については、場面によって使い分けることを提案されてはいかがでしょうか。例えば提出するものはゆっくり時間をかけて書く、メモするものは自分が読めてあとで理解できるレベルで書く(汚い字でも可)などです。
もう少し学年があがれば、授業中のノートはとりあえずのメモにしておき、家に帰ってから落ち着いた環境で時間をかけてパソコンなどで清書するなども考えられるでしょう。自分の気持ちに折り合いをつける場面はほかにもあると思いますので、こうした経験もその一つになるかもしれません。
(井上 雅彦 先生(鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授)回答)
A:高学年になるにしたがって板書の量も多くなり、板書に集中すればするほど授業の内容が分からなくなるということもあります。「完璧にやりたい」と「面倒くさい」の対立については、場面によって使い分けることを提案されてはいかがでしょうか。例えば提出するものはゆっくり時間をかけて書く、メモするものは自分が読めてあとで理解できるレベルで書く(汚い字でも可)などです。
もう少し学年があがれば、授業中のノートはとりあえずのメモにしておき、家に帰ってから落ち着いた環境で時間をかけてパソコンなどで清書するなども考えられるでしょう。自分の気持ちに折り合いをつける場面はほかにもあると思いますので、こうした経験もその一つになるかもしれません。
(井上 雅彦 先生(鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授)回答)
専門家Q&A「板書をノートに写すのが極端に苦手」
進路の選択についてのQ&A
Q:軽度知的障害息子の中学校、特別支援学級?特別支援学校?
小5の知的特別支援学級に通う息子の中学の進路先に悩んでいます。
そろそろ中学の進路先を決めなければ……と思っています。息子はIQ60くらいで今は小5ですが小2程度の勉強をしています。知的な面を考えると手厚い特別支援学校が良いのかな……と思うのですが、社会性は意外と高く、お友だちともトラブルなく仲良く遊んでいたり、クラスでの係や委員会活動などもやることを覚えて真面目に取り組んでいるようです。そうなると特別支援学級で交流級の同級生とかかわる時間をもっととったほうが良いのか……。もちろん中学校によってそれぞれ特色はあると思いますし、極論息子の行きたいほうで良いとも思うのですが、学習面と社会性のどちらに重きを置いて考えたら良いのか悩んでいます。
A:中学進学にあたり知的障害特別支援学級と特別支援学校で悩んでいる方はとても多いです。
特別支援学級のメリットとしては、通常学級との交流やクラスの仲間との交流が特別支援学校より多いことが挙げられます。一方では、下学年の学習内容の繰り返しが中心になってしまうことも多く、自立活動などの時間を設定することには限界がある、ということです。逆に特別支援学校では、交流については限界がありますが、自立活動の時間は特別支援学級と比較して多く設定され、例えば四則計算のような下学年の内容だけでなく、おつりの計算や時間の管理など、より生活に密着した知識やスキルを学べます。
まだ決定まで時間がありますので、それぞれの地域の学校・学級を見たり体験したりして、子どもさんの意見も聞きつつ、進路を考えられると良いと思います。
(井上 雅彦 先生(鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授)回答)
そろそろ中学の進路先を決めなければ……と思っています。息子はIQ60くらいで今は小5ですが小2程度の勉強をしています。知的な面を考えると手厚い特別支援学校が良いのかな……と思うのですが、社会性は意外と高く、お友だちともトラブルなく仲良く遊んでいたり、クラスでの係や委員会活動などもやることを覚えて真面目に取り組んでいるようです。そうなると特別支援学級で交流級の同級生とかかわる時間をもっととったほうが良いのか……。もちろん中学校によってそれぞれ特色はあると思いますし、極論息子の行きたいほうで良いとも思うのですが、学習面と社会性のどちらに重きを置いて考えたら良いのか悩んでいます。
A:中学進学にあたり知的障害特別支援学級と特別支援学校で悩んでいる方はとても多いです。
特別支援学級のメリットとしては、通常学級との交流やクラスの仲間との交流が特別支援学校より多いことが挙げられます。一方では、下学年の学習内容の繰り返しが中心になってしまうことも多く、自立活動などの時間を設定することには限界がある、ということです。逆に特別支援学校では、交流については限界がありますが、自立活動の時間は特別支援学級と比較して多く設定され、例えば四則計算のような下学年の内容だけでなく、おつりの計算や時間の管理など、より生活に密着した知識やスキルを学べます。
まだ決定まで時間がありますので、それぞれの地域の学校・学級を見たり体験したりして、子どもさんの意見も聞きつつ、進路を考えられると良いと思います。
(井上 雅彦 先生(鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授)回答)
専門家Q&A「軽度知的障害息子の中学校、特別支援学級?特別支援学校?」
Q:地元の中学校への進学ではなく中学受験を考えています
地元の中学校への進学ではなく中学受験を考えています。集中力が続かないので休憩を挟みながらワークや宿題に取り組んでいますが、このペースでは受験に向けて不安な気持ちもあります。集中力が続きにくい子どもがもう少し集中力を上げたり、効率よく勉強ができるやり方があれば教えてほしいです。
A:集中力が続かないということですが、小学校1、2年生ですとどうしても大人が考えるよりは集中できる時間というものが短いと思います。親御さんが観察をしている中で好きな教科と嫌いな教科でどれぐらい差があるか、単純な計算と作文や漢字のような学習ではどうかなど現在のおおまかな集中時間を把握しておくと良いと思います。
子どもによって本人に合った方法があると思いますが例えば場所を変える、こまめに課題を変える、学び方を変える(一人で暗記するのではなく、クイズ形式にしてやりとりをしながら学習をするなど)、時間帯を変えるなどです。自分に合った学習スタイルは時間をかけて発見していくと良いと思います。勉強の効率も重要ですが、小学校の間は学ぶことの楽しさや達成感を重視していくことが大切です。
(井上 雅彦 先生(鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授)回答)
A:集中力が続かないということですが、小学校1、2年生ですとどうしても大人が考えるよりは集中できる時間というものが短いと思います。親御さんが観察をしている中で好きな教科と嫌いな教科でどれぐらい差があるか、単純な計算と作文や漢字のような学習ではどうかなど現在のおおまかな集中時間を把握しておくと良いと思います。
子どもによって本人に合った方法があると思いますが例えば場所を変える、こまめに課題を変える、学び方を変える(一人で暗記するのではなく、クイズ形式にしてやりとりをしながら学習をするなど)、時間帯を変えるなどです。自分に合った学習スタイルは時間をかけて発見していくと良いと思います。勉強の効率も重要ですが、小学校の間は学ぶことの楽しさや達成感を重視していくことが大切です。
(井上 雅彦 先生(鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授)回答)
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