ダウン症とは?原因や特徴、接し方、支援について解説【専門家監修】
ライター:発達障害のキホン
ダウン症は正式にはダウン症候群といい、発達の遅れや合併症などが見られる疾患のことです。染色体の突然変異が原因で、600人~800人程度に1人の割合でいると言われています。
ダウン症(ダウン症候群)の子どもには接し方の工夫や支援制度の活用などを行っていくことが大事です。今回はダウン症の子どもについて、特徴や原因、接し方、支援制度などを解説します。
監修: 玉井浩
大阪医科薬科大学 小児高次脳機能研究所 LDセンター顧問
大阪医科薬科大学 小児科名誉教授
小児神経学をベースに、小児期から成人期に至るまで医療・教育・福祉にわたる総合的な診療と支援を実践している。また、日本ダウン症協会の代表理事として、家族支援、公益事業や国際連携も行っている。
大阪医科薬科大学 小児科名誉教授
ダウン症(ダウン症候群)とは?
ダウン症(正式名称:ダウン症候群)とは、染色体の突然変異により生じる生まれつきの疾患です。
ダウン症の特徴として、全般的に言葉や発達がゆっくりなことや筋緊張の低下、心臓や消化器系などの合併症が見られることがあります。また、比較的聴覚よりも視覚的な認知処理が得意という特徴もあります。
妊娠中の胎児にダウン症の可能性があるか確認する検査は複数あり、可能性がある場合はさらに詳しい検査によって確定診断することができます。
出生後は子どもの血液検査などをもとに診断が行われます。診断が確定した後は、血液検査、X-P検査やエコー検査などによって合併症の有無も確認します。
現在ではダウン症の子どもに対する医療や支援が進んだこともあり、大人になってから多くの方が福祉就労や一般就労し、さまざまな分野で活躍してます。
ダウン症の特徴として、全般的に言葉や発達がゆっくりなことや筋緊張の低下、心臓や消化器系などの合併症が見られることがあります。また、比較的聴覚よりも視覚的な認知処理が得意という特徴もあります。
妊娠中の胎児にダウン症の可能性があるか確認する検査は複数あり、可能性がある場合はさらに詳しい検査によって確定診断することができます。
出生後は子どもの血液検査などをもとに診断が行われます。診断が確定した後は、血液検査、X-P検査やエコー検査などによって合併症の有無も確認します。
現在ではダウン症の子どもに対する医療や支援が進んだこともあり、大人になってから多くの方が福祉就労や一般就労し、さまざまな分野で活躍してます。
ダウン症の原因
ダウン症は染色体の突然変異が原因とされています。
通常、ヒトの染色体は22対(44本)の常染色体と2本の性染色体の合計46本の染色体によって構成されていますが、ダウン症はこの染色体の21番目が3本あることが原因で生じると考えられています。少数ですが、46本染色体の正常細胞と47本染色体のトリソミー細胞が混在したモザイク型や21番染色体の一部が他の染色体に結合した転座型もあります。
なぜ染色体の突然変異が起こるかははっきりしていませんが、ダウン症の子どもが生まれてくる確率は、600~800分の1と言われています。
通常、ヒトの染色体は22対(44本)の常染色体と2本の性染色体の合計46本の染色体によって構成されていますが、ダウン症はこの染色体の21番目が3本あることが原因で生じると考えられています。少数ですが、46本染色体の正常細胞と47本染色体のトリソミー細胞が混在したモザイク型や21番染色体の一部が他の染色体に結合した転座型もあります。
なぜ染色体の突然変異が起こるかははっきりしていませんが、ダウン症の子どもが生まれてくる確率は、600~800分の1と言われています。
ダウン症の原因は?遺伝との関連はあるの?【医師監修】
ダウン症の子どもの特徴
ダウン症の子どもたちは、知的面、運動面などの発達がゆっくりなことが多いと言われています。また、言語面の能力に比べ、視覚的な認知処理は比較的得意な場合が多いことも分かってきています。目で見て理解しやすいように、ジェスチャーを使ったり、絵や写真を見せるなど働きかけの工夫をすることで、おしゃべりを始める前から、非言語のコミュニケーションを充実させ、意思疎通をはかっている子どもたちもいます。ダウン症の子どもへの接し方については、後の章で詳しく紹介します。
■ダウン症の子どもの顔つきについて
ダウン症のある子どもは小さな顔と、吊り上がった目、小さい鼻など特徴的な顔つきも見られます。顔の筋肉の緊張が弱いため、口が開いていることが多いとも言われています。また、出生直後このような顔つきの特徴は見られなかったけれど、幼児期になってから表れてくることもあります。
ただし、こういった特徴はあくまで傾向として見られるもので、ダウン症の人すべてに見られるということではありません。基本的には親御さんの顔つきの特徴も持ち合わせます。
■ダウン症の子どもの性格について
ダウン症の子どもの性格については「人づきあいが上手で陽気」と言われることが多いですが、一方で「頑固でこだわりが強い」という意見もあります。実際にはダウン症ではない多くの人たちと同じで、一人ひとりの性格はさまざまです。
■ダウン症の子どもの顔つきについて
ダウン症のある子どもは小さな顔と、吊り上がった目、小さい鼻など特徴的な顔つきも見られます。顔の筋肉の緊張が弱いため、口が開いていることが多いとも言われています。また、出生直後このような顔つきの特徴は見られなかったけれど、幼児期になってから表れてくることもあります。
ただし、こういった特徴はあくまで傾向として見られるもので、ダウン症の人すべてに見られるということではありません。基本的には親御さんの顔つきの特徴も持ち合わせます。
■ダウン症の子どもの性格について
ダウン症の子どもの性格については「人づきあいが上手で陽気」と言われることが多いですが、一方で「頑固でこだわりが強い」という意見もあります。実際にはダウン症ではない多くの人たちと同じで、一人ひとりの性格はさまざまです。
ダウン症の子どもに見られる合併症
ダウン症では先天性の心疾患や消化器疾患などの合併症をあわせ持つこともあります。
ダウン症の子どもに見られる合併症
・先天性心疾患(心内膜床欠損症や心室中隔欠損症など)
・消化器疾患(十二指腸閉鎖や鎖肛など)
・白血病
・けいれん
・白内障
・斜視
・中耳炎
・難聴
・閉塞性無呼吸
・排尿機能障害
・甲状腺機能異常症
・性腺機能不全症 など
どのような合併症が表れるかは一人ひとり異なっています。そのため、ダウン症と分かってからは、エコー検査や血液検査などで合併症の有無も確認し、速やかに治療につなげていきます。
ダウン症の子どもに見られる合併症
・先天性心疾患(心内膜床欠損症や心室中隔欠損症など)
・消化器疾患(十二指腸閉鎖や鎖肛など)
・白血病
・けいれん
・白内障
・斜視
・中耳炎
・難聴
・閉塞性無呼吸
・排尿機能障害
・甲状腺機能異常症
・性腺機能不全症 など
どのような合併症が表れるかは一人ひとり異なっています。そのため、ダウン症と分かってからは、エコー検査や血液検査などで合併症の有無も確認し、速やかに治療につなげていきます。
ダウン症と寿命
以前、ダウン症の人は「寿命が短い」と言われていました。しかし、現在ではダウン症の研究が進み、合併症の治療体制も整ってきたこともあり、平均寿命が60歳前後になるなど大きく伸びてきています。
また、寿命が長くなるにつれて継続的なケアを実現するための研究も進められています。年齢が高くなることで疾患の傾向が変わることや、比較的早い段階で老化や認知症の傾向が表れることなどが分かってきました。そういった状況を踏まえて、医療や福祉などでダウン症の人を長くケアするための方法が検討されています。
また、寿命が長くなるにつれて継続的なケアを実現するための研究も進められています。年齢が高くなることで疾患の傾向が変わることや、比較的早い段階で老化や認知症の傾向が表れることなどが分かってきました。そういった状況を踏まえて、医療や福祉などでダウン症の人を長くケアするための方法が検討されています。
ダウン症のある人の平均寿命・平均余命は?最高齢は何歳?成人期の医療における課題も【医師監修】
ダウン症の子どもへの接し方
乳児(0歳~1歳)
ダウン症の子どもは、言葉や聞こえ、理解について遅れが見られる傾向があります。
そのため、以下のように接し方を工夫するといいでしょう。
・ゆっくり、はっきりと話す
・具体的に伝える
・繰り返し伝える
・伝えるのは一度に一つにする
・ジェスチャーやイラストなど言葉以外も使って伝える
・返事があるまで忍耐強く待つ
など
ダウン症の子どもは、聞き取る力やワーキングメモリーが低い傾向があるといわれており、一つのことをゆっくりと何度も伝えることが大事です。また、視覚的な理解力のほうが高いことが多いため、言葉以外の方法を使って伝えることも有効です。もちろん子ども一人ひとり得意や不得意は違っているので、さまざまな方法を試しながらその子に合った接し方を探していくといいでしょう。
そのため、以下のように接し方を工夫するといいでしょう。
・ゆっくり、はっきりと話す
・具体的に伝える
・繰り返し伝える
・伝えるのは一度に一つにする
・ジェスチャーやイラストなど言葉以外も使って伝える
・返事があるまで忍耐強く待つ
など
ダウン症の子どもは、聞き取る力やワーキングメモリーが低い傾向があるといわれており、一つのことをゆっくりと何度も伝えることが大事です。また、視覚的な理解力のほうが高いことが多いため、言葉以外の方法を使って伝えることも有効です。もちろん子ども一人ひとり得意や不得意は違っているので、さまざまな方法を試しながらその子に合った接し方を探していくといいでしょう。