算数障害の疑いを感じたら。相談先や診断を受ける場所は?
まずは専門機関で相談を。大人、子どもそれぞれの窓口は?
第3章の診断、困り事のチェックリストに心当たりがあったり、何か気がかりなことがあったりなど、算数障害が疑われる場合には「発達障害」を専門に扱っている専門医を受診するといいでしょう。ですが、いきなり専門医の外来に行くことは難しいので、まずは無料で相談できる自治体の身近な専門機関の相談窓口の利用をおすすめします。子どもか大人かによって、行くべき機関が違うので、以下を参考にしてみてください。
【子どもの場合】
・保健センター
・子育て支援センター
・児童発達支援事業所
【大人の場合】
・発達障害者支援センター
・障害者就業・生活支援センター
・相談支援事業所
児童相談所などで知能検査、発達検査を無料で受けられる場合があります、また障害について相談することも可能です。その他、発達障害者支援センターでも障害についての相談ができます。その後、すすめられた場合は、医療機関を紹介してもらい医師からの診断を受けましょう。
【子どもの場合】
・保健センター
・子育て支援センター
・児童発達支援事業所
【大人の場合】
・発達障害者支援センター
・障害者就業・生活支援センター
・相談支援事業所
児童相談所などで知能検査、発達検査を無料で受けられる場合があります、また障害について相談することも可能です。その他、発達障害者支援センターでも障害についての相談ができます。その後、すすめられた場合は、医療機関を紹介してもらい医師からの診断を受けましょう。
算数障害の診断の流れ
診断は、医療機関などによっても異なりますが、まずは問診で現在の症状や困りごと、赤ちゃんの時から今までの生育・養育歴、既往症や家族歴などを調べていきます。また、脳波検査、頭部のCT、MRIなどでてんかんや脳の器質的な病気といった異常がないかを検査することもありますします。そして「WISC-Ⅴ」などのといった知能検査や「KABC-Ⅱ」といった認知能力検査などの心理検査を行います。
これらさまざまな情報を元に、総合的にLD・SLD(限局性学習症)であるか、さらにその中でも算数障害の傾向があるかどうかを判断します。また、こうした過程でADHD(注意欠如多動症)やASD(自閉スペクトラム症)などを併存していないかも確認します。
これらさまざまな情報を元に、総合的にLD・SLD(限局性学習症)であるか、さらにその中でも算数障害の傾向があるかどうかを判断します。また、こうした過程でADHD(注意欠如多動症)やASD(自閉スペクトラム症)などを併存していないかも確認します。
算数障害の対応法
できていることを褒める
単純な計算ができないことや問題が解けないことを頭ごなしに叱ってしまうと、本人の自信がなくなってしまいます。できないことに着目するのではなく、できていることに目をむけ褒めましょう。
子どもと真摯に向き合う
できないことを何度も教え込むのではなく、ほかの子どもが理解できることが理解できないということを大前提に考えましょう。教え方も学び方もその子の個性に合わせ、算数などの一定のルールの理解が苦手であることを理解して根気よく向き合う必要があるのです。道具(電卓やICT機器)を使うことも一つの方法です。
算数障害の正しい知識を持つ
算数障害とは?LD・SLD(限局性学習症)とは?という視点に立って子どものことを考えてみてください。一人で悩まずに専門の機関や支援してくれる場所に相談を通じて助言を求めることが大切です。まずは正しい知識を持つことから始め、その上でその子がつまづいている要因を把握しましょう。
同じ障害を持つ人との情報交換をする
算数障害の子どもの保護者として、家庭の中でどのように接していけばよいのか?と時折悩んでしまう場合があると思います。そんな時には同じ病気を抱える保護者同士の交流が心の負担を軽減してくれる場合があります。よき理解者や助言者になってくれる人と出会えるコミュニティを保護者が持つことで、お子さんへの接し方や理解の仕方も随分と変わっていくでしょう。
接し方で大きく変わる!学習障害・限局性学習症のある子への関わり方とは?具体的な手立ても専門家が解説--マンガでまなぶLD・SLD
理解度をあげる工夫をしましょう
算数障害を早期に発見することは何よりも大事なことです。その場合には学校の教師と保護者との連携を密に取り、少しでも早く対策を考えることが大事です。例えば、計算する際にブロック、タイル、おはじきなどの具体物を使ったり、文章問題を絵や図に変えて視覚的な理解を促したり、パソコンの学習ソフトを利用したり、工夫できることはたくさんあります。
避けたいのは、無理やり問題を解くように促すことで算数を嫌いになってしまうことです。子ども自身が解きやすい問題の解き方を一緒に探してゆきましょう。
時間をかけてでも計算が理解できるようになれば、子どもの自信につながるかもしれません。そのためには、それぞれの子どもにとって適切な学習環境を整えることが大切です。
避けたいのは、無理やり問題を解くように促すことで算数を嫌いになってしまうことです。子ども自身が解きやすい問題の解き方を一緒に探してゆきましょう。
時間をかけてでも計算が理解できるようになれば、子どもの自信につながるかもしれません。そのためには、それぞれの子どもにとって適切な学習環境を整えることが大切です。
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