親と学校、双方が建設的になることで出てくるアイデア

それからは、月2回ほどのペースで学校側と話し合いを行いました。

学校では校長先生のアイデアで、学年全体にアンケートを取り、いじめを見聞きしたか?どんないじめがあったのか?など、詳細な調査をしてくださいました。

また、「いじめに関わっていたクラスに影響力のある子は、クラス委員にさせるのはどうですか?」と、私から学校側へ対策を提案することもありました。

学校に全てをお任せするのではなく、親も自分の意見をはっきり主張することが大事なのでは?と思います。

しかし、感情的に我を通すのではなく、建設的な姿勢で誰もが納得できる策が提案できると、学校も意見を受け取りやすくなるかもしれません。

アンケートの結果で見えてきた原因。これがきっかけで子どもたちにも変化が

その後、アンケートの結果が出てきました。

多かったのが、「授業中、なぜ一部の子たちは支援級に抜けていくのか?」「支援級ってどういう子が行くところかわからない」という回答でした。

このことから私は、「娘だけではなく他の支援級に行っている子は、周りの理解が得られていないのでは?」と校長先生に話しました。

すると校長先生は、「支援級について、支援級の先生から個々のクラスに説明する機会を設けましょう」と言ってくださいました。

説明会の後、児童からは「支援級に行っている子について事情がよくわかった、これからは優しくしようと思う」という声が増えました。

この時点で学校は3学期を迎えていました。いじめが発覚してから約半年です。
娘はまだ、クラスには通えていませんでした。しかし、支援級にだけは通えるようになっていました。

1日に1時間だけ支援級に通い、学校には徐々に馴染めるようにしていきました。
また、当時から仲の良いお友達に協力してもらい、支援級に遊びに来てもらっていました。

その後まもなく春休みとなり、6年生にあがるときにはクラス替えがあったため、このタイミングで通常どおり登校できるようになりました。

いじめを悪にすることは簡単。しかし、理由を探れば解決策も見えてくる

あれから1年が過ぎ、娘は元気に学校に通えています。
その後、いじめられている様子はありません

実は、娘をいじめていた子どもたちからは説明会の後、娘あてで手紙や絵をもらっていました。子どもたちには反省の色が窺え、娘に対しての理解も深まったようでした。

この一件で特別仲の良いお友達が増えた訳ではありませんが、それでいいと思っています。娘には、何の問題もなく安心して学校に通える環境があれば、それでいいです。

子どもがいじめに遭っているというのは、親としては衝撃だと思います。相手の子やその家庭、学校に対して憤りを抱く方もいるかと思います。

私自身も、学校の最初の対応には納得がいかず、感情的になりました。
しかしこうした問題は、いじめっ子本人や自分たち親、学校が成長するチャンスでもあると思うのです。

学校との連携では冷静になり、子どもの自己肯定感や自尊心を守るためにも、建設的な話し合いや提案ができるといいですね。
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