● 「サリーとアンの課題」(心の理論)(4歳~6歳級)
・心の理論とは、相手の心の動きを読み取ったり、共感する能力のことです。
・通常は、4歳~6歳でクリアすると言われています。
・サリーが、ビー玉を自分の「カゴ」に入れて散歩に出かけている間に、
アンがビー玉をアンの「箱」に入れ替えてしまいます。
そして、「散歩から帰ったサリーがビー玉で遊ぼうとした時、どこを探すでしょうか?」という質問です。
・答えは、自分が入れた「『カゴ』を探す」ですが、自閉スペクトラム症の子は「『箱』を探す」と答えることが多いです。
・彼らは、「ビー玉がかごから箱に入れ替えられた」という事実にとらわれて、
その事実を知らないサリーの立場や気持ちになって、その気持ちや考えを読み取ったり、推測することが苦手と考えられます。
・相手の身になって、つまり、自分を相手に置き換えて、相手の気持ちや行動などを読み取り、推測することが十分にできないようです。
※心の理論が獲得されていないということは、相手の知らないことについて嘘をつくことができないということを意味します。
・心の理論は、早い子であれば4歳過ぎに、遅くとも小学校に入学する前に獲得されることが多いのですが、
独特な認知(情報処理)を行っている子は、心の理論の獲得に遅れることが多いと言われています。
・その子たちの他人の心の動きや行動の背景についての理解は、まだ幼児レベルにとどまっている可能性があります。
・ただ、これはある意味では「心が汚れていない」「ずるくない」ということですし、
また、あくまで客観的事実に基づいた判断を行なっているとも言えるので、この良さを認め、評価しつつ、
少しずつ他人の心を理解することを学んでいってもらう必要があるように思います。
◆但田たかゆき
【心の理論って知ってますか?】
教室の毎日
22/12/09 22:44