「何度言ったらわかるの!」
「早くしなさいって言っているでしょ!」
お出かけ前や夕方の忙しい時間帯、何度声をかけても動かない我が子に対して、つい感情が爆発してしまう。そして夜、子どもの寝顔を見ながら「またやってしまった…」と一人で反省して落ち込んでしまう。
これは、子育てに全力で向き合っている保護者様なら、誰もが一度は経験すしたことがあると思います。
今回は、支援の現場でも常にベースとなっている心理学「応用行動分析学(ABA)」の視点から、「怒る」と「叱る」の決定的な違いと、今日からお家で使える「関わり方のコツ」をお伝えします。
1.強く言えば言うほど、なぜかエスカレートする悪循環
例えば、おもちゃを片付けないお子さんに対して、つい強い口調で「片付けなさい!」と怒鳴ってしまったとき。
お子さんがフリーズして動けなくなったり、逆に「嫌だ!」と激しく泣き叫んでパニックになったりしたことはありませんか?
大人は「これだけ強く言えば、事の重大さが伝わるだろう」と思いがちです。しかし実際には、強く怒れば怒るほど、次回も同じ行動(あるいはそれ以上の反発)が繰り返されるという、苦しい悪循環に陥ることがよくあります。
2.なぜ怒っても行動は変わらないのでしょうか。
まず、㋐「怒る」と「叱る」の違いについて、次に㋑行動の仕組みについてお話してみましょう。
㋐「怒る」と「叱る」
•「怒る」= 感情をぶつけ、その場の行動を「恐怖」で止めること
大人が強い声で「怒る」と、お子さんは恐怖や驚きで、今やっている行動を「一時停止」します。
一見、言うことを聞いたようですが、お子さんの脳内は「怖い!」という感情でいっぱいで、「次にどうすればいいか(正しい行動)」を学習していません。さらに、特性を持つお子さんの場合、大人の強いイライラ(非言語情報)に脳が過剰反応し、防衛反応としてパニック(望ましくない行動)を引き起こす引き金(きっかけ)にすらなってしまいます。
•「叱る」= 次に取るべき「正しい行動」を教え、導くこと
「叱る」とは、感情的に責めることではなく、『正しい行動がしやすい環境(きっかけ)を作り、できた後に肯定的な言葉(結果)を返す』ことです。いわば、子どもの行動を導くナビゲーションです。
行動を根本から変えるためには、「怒って無理やり止めさせる」のではなく、「叱る(正しい行動へと導く)」アプローチが不可欠なのです。
㋑次に、行動の仕組みを、【行動の前(きっかけ)】・【行動】・【行動の後(結果)】という3つのステップで客観的に整理してみましょう。
ステップ1:「行動の前」を変える(分かりやすい『きっかけ』の提示)
「片付けなさい」という抽象的な指示は、子どもには何をすればいいか分かりにくいことがあります(先行条件の不足)。
言葉をかける前に、まず「おもちゃの写真を貼った箱」を用意するなど、目で見える『きっかけ』を作ります。その上で、「このミニカーを、写真の箱に入れます」と、今やるべき具体的な行動を1つだけ静かなトーンで伝えます。
ステップ2:人格ではなく「いま、目に見える行動」だけを切り取る
カッとなったときほど、「どうしていつも〜」「悪い子ね」と、子どもの過去や人格を責めてしまいがちです。これらは行動を変える役に立ちません。
修正したい「いま、この瞬間の行動」だけをピンポイントで、感情を乗せずに淡々と伝えます。
×「早くしなさい!本当にだらしないんだから!」(怒る)
◯「おもちゃを箱に入れます。やり方はこうだよ(手本を見せる)」(叱る・促す)
ステップ3:「行動の後」を変える(できた瞬間の『ご褒美』)
ここが一番大切なポイントです。お子さんがおもちゃを1つでも箱に入れたら、間髪入れずに「箱に入れられたね!ありがとう!」と具体的に褒めます。
行動の直後に「褒められる(認めてもらえる)」という良い結果が伴うことで、子どもの脳は「あ、この行動をするといいことがあるんだ」と学習し、次回から自発的にお片付けをする確率がぐっと高まります。
④ 最後に
当施設に通うBくん、保護者の方からパニックになると手に負えないんです、どうしていいかわかりませんと相談されていました。
実際、以前はお片付けの時間になると、おもちゃを投げたり大声をあげたりして暴れていました。
そこで、私たちは危険な行動を制止することはあっても、「怒る」ということを一切せず、ただ「こうしてほしい行動」だけを伝えるようにしていました。そして、玩具を投げずに箱に入れる、大声でなく落ち着いて話すことができた瞬間に褒めること(行動の後)を徹底して行うことにしました。
今では、時間になると自分から進んでお片付けができるようになっています。
「怒る」を「叱る(行動のナビゲート)」に変えることは、職人技ではなく、仕組みの工夫です。
お子さまと関わる時の参考にしていただければ幸いです。
では、また(^^)/
くるみの日々の活動はInstagramで!
@KURUMI_DAYSERVICE
「早くしなさいって言っているでしょ!」
お出かけ前や夕方の忙しい時間帯、何度声をかけても動かない我が子に対して、つい感情が爆発してしまう。そして夜、子どもの寝顔を見ながら「またやってしまった…」と一人で反省して落ち込んでしまう。
これは、子育てに全力で向き合っている保護者様なら、誰もが一度は経験すしたことがあると思います。
今回は、支援の現場でも常にベースとなっている心理学「応用行動分析学(ABA)」の視点から、「怒る」と「叱る」の決定的な違いと、今日からお家で使える「関わり方のコツ」をお伝えします。
1.強く言えば言うほど、なぜかエスカレートする悪循環
例えば、おもちゃを片付けないお子さんに対して、つい強い口調で「片付けなさい!」と怒鳴ってしまったとき。
お子さんがフリーズして動けなくなったり、逆に「嫌だ!」と激しく泣き叫んでパニックになったりしたことはありませんか?
大人は「これだけ強く言えば、事の重大さが伝わるだろう」と思いがちです。しかし実際には、強く怒れば怒るほど、次回も同じ行動(あるいはそれ以上の反発)が繰り返されるという、苦しい悪循環に陥ることがよくあります。
2.なぜ怒っても行動は変わらないのでしょうか。
まず、㋐「怒る」と「叱る」の違いについて、次に㋑行動の仕組みについてお話してみましょう。
㋐「怒る」と「叱る」
•「怒る」= 感情をぶつけ、その場の行動を「恐怖」で止めること
大人が強い声で「怒る」と、お子さんは恐怖や驚きで、今やっている行動を「一時停止」します。
一見、言うことを聞いたようですが、お子さんの脳内は「怖い!」という感情でいっぱいで、「次にどうすればいいか(正しい行動)」を学習していません。さらに、特性を持つお子さんの場合、大人の強いイライラ(非言語情報)に脳が過剰反応し、防衛反応としてパニック(望ましくない行動)を引き起こす引き金(きっかけ)にすらなってしまいます。
•「叱る」= 次に取るべき「正しい行動」を教え、導くこと
「叱る」とは、感情的に責めることではなく、『正しい行動がしやすい環境(きっかけ)を作り、できた後に肯定的な言葉(結果)を返す』ことです。いわば、子どもの行動を導くナビゲーションです。
行動を根本から変えるためには、「怒って無理やり止めさせる」のではなく、「叱る(正しい行動へと導く)」アプローチが不可欠なのです。
㋑次に、行動の仕組みを、【行動の前(きっかけ)】・【行動】・【行動の後(結果)】という3つのステップで客観的に整理してみましょう。
ステップ1:「行動の前」を変える(分かりやすい『きっかけ』の提示)
「片付けなさい」という抽象的な指示は、子どもには何をすればいいか分かりにくいことがあります(先行条件の不足)。
言葉をかける前に、まず「おもちゃの写真を貼った箱」を用意するなど、目で見える『きっかけ』を作ります。その上で、「このミニカーを、写真の箱に入れます」と、今やるべき具体的な行動を1つだけ静かなトーンで伝えます。
ステップ2:人格ではなく「いま、目に見える行動」だけを切り取る
カッとなったときほど、「どうしていつも〜」「悪い子ね」と、子どもの過去や人格を責めてしまいがちです。これらは行動を変える役に立ちません。
修正したい「いま、この瞬間の行動」だけをピンポイントで、感情を乗せずに淡々と伝えます。
×「早くしなさい!本当にだらしないんだから!」(怒る)
◯「おもちゃを箱に入れます。やり方はこうだよ(手本を見せる)」(叱る・促す)
ステップ3:「行動の後」を変える(できた瞬間の『ご褒美』)
ここが一番大切なポイントです。お子さんがおもちゃを1つでも箱に入れたら、間髪入れずに「箱に入れられたね!ありがとう!」と具体的に褒めます。
行動の直後に「褒められる(認めてもらえる)」という良い結果が伴うことで、子どもの脳は「あ、この行動をするといいことがあるんだ」と学習し、次回から自発的にお片付けをする確率がぐっと高まります。
④ 最後に
当施設に通うBくん、保護者の方からパニックになると手に負えないんです、どうしていいかわかりませんと相談されていました。
実際、以前はお片付けの時間になると、おもちゃを投げたり大声をあげたりして暴れていました。
そこで、私たちは危険な行動を制止することはあっても、「怒る」ということを一切せず、ただ「こうしてほしい行動」だけを伝えるようにしていました。そして、玩具を投げずに箱に入れる、大声でなく落ち着いて話すことができた瞬間に褒めること(行動の後)を徹底して行うことにしました。
今では、時間になると自分から進んでお片付けができるようになっています。
「怒る」を「叱る(行動のナビゲート)」に変えることは、職人技ではなく、仕組みの工夫です。
お子さまと関わる時の参考にしていただければ幸いです。
では、また(^^)/
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