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6月の「急な行き渋り」や「こだわり」の正体

1. この時期にありがちなエピソード
4月、5月は新しい環境の中でそれなりに張り切って通えていたのに、6月に入り、雨の日が増えてから急にお子さんの様子が変わった……と悩んでいませんか?
•「朝、玄関から一歩も動こうとせず、激しく行き渋る」
•「おもちゃの並べ方に異常なほど固執し、1ミリでもズレると泣いて怒る」
進級から2ヶ月も経った今になって、急に頑固さやワガママが増えたように見える我が子を前に、「せっかく慣れてきたのに、どうして?」と、お家の方も焦りや疲れを感じやすいのがこの時期です。

2. 背景
なぜ、6月にこれが起きるのか。理由は「2ヶ月分の緊張の反動(心のエネルギー切れ)」と、「梅雨特有の気候によるアンテナ(感覚)の乱れ」です。
子どもたちはこの2ヶ月間、新しい先生や教室、新しいルールに、本人なりに全力で適応しようと緊張の糸を張り詰めて過ごしてきました。その反動が出やすいのがこの6月です。
さらに、雨の音やジメジメした空気、気圧の変化は、私たちが想像する以上にお子さんたちの脳に強いストレス(不快感)を与えています。

外側からの刺激が多すぎて脳がパンクしそうになったとき、子どもたちは本能的に「脳の防衛スイッチ」を入れます。それが、一見困った行動に見える「強いこだわり」や「いつもと同じへの固執」です。
いつもと同じ道、いつもと同じ並べ方。「100%予測できること」だけに没頭することで、子どもは脳に入ってくる不快な刺激をシャットアウトし、必死に自分の心を落ち着かせようとしています。つまり、この時期のこだわりは、決して後退やわがままなどではなく、「自分のストレスを自分でコントロールしようとしている、優れた自己防衛能力(生きる強み)」なのです。

3. 解決のヒント
脳が必死に戦っているこの時期に、「早くしなさい」「もうおしまい」とこだわりを無理に引き剥がすのは、逆効果になります。支援の現場でも、6月は「変化を促す」のではなく、あえて「徹底的にワンパターンに付き合う」という環境調整を行います。ご家庭で試していただきたい2つのステップです。

•ステップ1:「こだわり」をあえて毎日の儀式として公認する ミニカーを並べ始めたら、「今は心を落ち着かせる時間なんだな」と捉え、「きれいに並んだね」と声をかけ、満足するまでやらせてあげてください。「お家では自分のルールが守られる」という絶対的な安心感が、外で擦り減ったエネルギーを急速に充電します。

•ステップ2:行動の切り替えには「10分前の予告」と「お気に入りのモノ」を どうしても動かなければいけない時は、不快な雨の日を乗り切るための「安心のアンカー(錨)」を用意します。「長い針が『6』になったら、あのお気に入りの傘を持って出発しようね」と、不快な雨の移動に「見通し」と「小さなワクワク」を1ミリだけプラスして、脳のスイッチを優しく切り替えてあげます。

4. 最後に
6月のお子さんの「行き渋り」や「こだわり」は、決して後退ではありません。激しい季節の変化の中で、心が折れないように上手にブレーキをかけ、自分を守っている証拠です。
お家の中だけは、100%の味方でいてあげられる場所。
お子さんが安心して「心の充電」ができるよう、お家でのんびり過ごす時間をいつもより少しだけ増やしてみてください。
私たちは通所されるお子さんたちが、施設でも安心して過ごせるよう、個々の防衛スイッチ(こだわり)を大切に尊重しながらサポートしていきます。あせらず、この梅雨の時期を一緒に乗り越えていきましょう。


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