放課後等デイサービス

くるみ(児童発達支援、放課後等デイサービス)のブログ一覧

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(233件)
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「切り替え」について

1.よくあるエピソード 「もう公園から帰る時間だよ」と声をかけても「あと1回だけ!」と遊具から離れられず、最後は大泣きしてしまう……。 「切り替え」が苦手なお子さんによく見られる姿です。 2. その背景について 実はこれ、決して「わがまま」や「約束を軽視している」わけではありません。 脳の発達プロセスで見ると、お子さんが確実に成長のステップを登っている証拠でもあります。 人間の脳のうち、思考や行動のコントロールを担う部分(前頭前野)の機能は、成長とともに段階を踏んで育っていきます。 いま育っている力:「夢中になる力(シングルフォーカス)」 「切り替えが苦手」という状態は、裏を返せば「自分の外の世界に強い興味を持ち、目の前のことに意識を100%注ぎ込めるようになった」という、脳の発達における大きな成長(第1段階)を意味しています。ひとつの作業や遊びに深く没頭できる力は、将来好きなことを探求したり、技術をじっくり身につけたりする上で大きな強みになります。 パニックの理由:「ブレーキ機能とのタイムラグ」 脳の仕組みとして、「夢中になるエネルギー」が先にぐんぐん育ち、それを制御する「気持ちにブレーキをかけて行動を切り替える機能」はあとから時間をかけて追いついてくるという発達のタイムラグがあります。そのため、大好きな公園遊びに全集中している最中に急に「終わり!」と言われると、育ち途中のブレーキが追いつかず、脳が処理しきれずにパニックを起こしてしまうのです。つまり、大泣きや抵抗はわがままではなく、「意欲の成長にブレーキ機能の発達が追いついていない過渡期の姿」なのです。 3.「約束を守る力」の育て方 まだ自分でブレーキをかける力が育ちきっていない時期だからこそ、頭ごなしに叱っても、無理やり引き剥がしても、毎回お菓子で気を引いてごまかしても、子ども自身の「自分をコントロールする力」は育ちません。 心理学や行動療法では、子どもが安心して過ごせる枠組みを作るために「限界設定(Limit Setting)」という支援技術を使います。これは、「子どもの気持ちは尊重するけれど、守るべきルール(行動の線引き)はブレずに示す」という関わり方です。 追いついていない脳のブレーキ機能を大人が外側からサポートし、子ども自身が「自分で納得して気持ちに折り合いをつけ、約束を守る体験」を積み重ねていくことが大切です。 切り替えで使える3つのステップをご紹介します。 ①あらかじめ「終わりの条件」を子どもと一緒に決める(事前に見通しを持つ) 大人からの急な命令は脳のブレーキが追いつきませんが、遊ぶ前に約束があれば、脳にあらかじめ終わりの準備をさせることができます。 「今日は時計の長い針が『6』のところに来たらおしまいね」と事前に約束をします。 そして、「時計の針が6になったら」など、終わりを目で見える形にしておくと、脳が自ら切り替えの準備を始めやすくなります。 ②感情には共感し、限界設定(Limit Setting)をブレずに維持する 子どもが泣いたからといって「じゃあ特別にあと1回ね」とルールを曲げてしまうと、脳は「大泣きすればルールが変わる」と誤って学習してしまい、ブレーキを育てる機会を逃してしまいます。 泣いたり怒ったりしたときは「悔しいよね、もっと遊びたかったよね」と気持ちを言葉にして共感します。 その上で、「でも、さっき決めた時間だからおしまいだよ」と守るべき線引き(限界設定)は静かに・一貫して守ります。 「自分の気持ちは受け止めてもらえた上で、世の中には変わらないルールがある」と知ることが、健全な感情コントロールの第一歩になります。 ③葛藤しながらも守れたプロセスを褒める(自己肯定感を育てる) 渋々であっても、葛藤の末に遊具から離れられた瞬間は、お子さんが自分の欲求(ブレーキ)をコントロールできた大切な一歩です。 「約束通り時計の針を見て、やめられたね!かっこいい!」 「自分で気持ちをコントロールできたね」と、物をあげるのではなく、言葉にして伝えます。 この「できた!」という達成感が、成長途中のブレーキ機能を少しずつ育てていきます。 4.最後に 社会の中で生きていく上で、「自分の思い通りにならない場面で折り合いをつける力」や「約束を守る力」は、子どもの将来を支えるとても大切なライフスキルです。 この力は、恐怖心やその場しのぎの対応で身につくものではなく、「事前に見通しを持つ」「自分で納得して動く」「約束を守れた自分を誇らしく思う」という肯定的な体験の積み重ねによって、時間をかけて育っていきます。 大人も焦らず、お子さんの「心のブレーキ」が育つ過程を一緒に見守っていきましょう。 では、また(^^)/ くるみの日々の活動はInstagramで! @KURUMI_DAYSERVICE

教室の毎日
26/10/22 11:34 公開

なぜ「みんなと一緒に過ごすこと」を何より大切にするのか

こんにちは!くるみです。 私たちが一番大切にしていることがあります。 それは、「みんなと一緒に、集団の中で過ごすこと」です。 私たちが目指しているゴールは、子どもたちが将来、社会の中で自分らしく生きていけるようになることです。 そのために、1対1で練習し、一つひとつできることを増やしていく個別のアプローチも大切な要素です。 ところが、1対1の部屋で先生とならできたのに、周りにお友達がいる場面になると急に難しくなってしまうことがあります。 どれだけ1対1で上手にできるようになっても、それを実際の社会や日常の中で使えなければ(=般化できなければ)、本当の意味で身についたとは言えません。 だからこそ私たちは、普段からみんなと一緒に過ごす「集団生活そのもの」を何より大切にしています。 ・みんなでおやつを食べるとき ・順番を譲り合ったり、ルールを守って遊んだりするとき ・ちょっとした行き違いや、思い通りにいかない葛藤が生まれたとき こうした「みんなと過ごすリアルな日常」の中で実際にやってみて、小さな失敗や成功を繰り返していくこと。 それこそが、デイで覚えたことを、学校やお家、そして将来の社会の中で使える力(般化)にしていく一番の近道だと考えています。 デイで身につけた「できた!」が、学校やお家など、あらゆる日常の場面で自然とできるようになると、子どもたちの自信や安心感につながっていきます。 私たちは集団活動を通して、子どもたちが自分らしく生きていく力を、これからも温かく育んでいきたいと思います。 では、また(^^)/ くるみの日々の活動はInstagramで! @KURUMI_DAYSERVICE

教室の毎日
26/10/13 12:59 公開

「怒る」と「叱る」の科学

「何度言ったらわかるの!」 「早くしなさいって言っているでしょ!」 お出かけ前や夕方の忙しい時間帯、何度声をかけても動かない我が子に対して、つい感情が爆発してしまう。そして夜、子どもの寝顔を見ながら「またやってしまった…」と一人で反省して落ち込んでしまう。 これは、子育てに全力で向き合っている保護者様なら、誰もが一度は経験すしたことがあると思います。 今回は、支援の現場でもベースとなっている「応用行動分析学(ABA)」の視点から、「怒る」と「叱る」の決定的な違いと、今日からお家で使える「関わり方のコツ」をお伝えします。 1.強く言えば言うほど、なぜかエスカレートする悪循環 例えば、おもちゃを片付けないお子さんに対して、つい強い口調で「片付けなさい!」と怒鳴ってしまったとき。 お子さんがフリーズして動けなくなったり、逆に「嫌だ!」と激しく泣き叫んでパニックになったりしたことはありませんか? 大人は「これだけ強く言えば、事の重大さが伝わるだろう」と思いがちです。しかし実際には、強く怒れば怒るほど、次回も同じ行動(あるいはそれ以上の反発)が繰り返されるという、苦しい悪循環に陥ることがよくあります。 2.なぜ怒っても行動は変わらないのでしょうか。 まず、㋐「怒る」と「叱る」の違いについて、次に㋑行動の仕組みについてお話してみましょう。 ㋐「怒る」と「叱る」 •「怒る」= 感情をぶつけ、その場の行動を「恐怖」で止めること 大人が強い声で「怒る」と、お子さんは恐怖や驚きで、今やっている行動を「一時停止」します。 一見、言うことを聞いたようですが、お子さんの脳内は「怖い!」という感情でいっぱいで、「次にどうすればいいか(正しい行動)」を学習していません。さらに、特性を持つお子さんの場合、大人の強いイライラ(非言語情報)に脳が過剰反応し、防衛反応としてパニック(望ましくない行動)を引き起こす引き金(きっかけ)にすらなってしまいます。 •「叱る」= 次に取るべき「正しい行動」を教え、導くこと 「叱る」とは、感情的に責めることではなく、『正しい行動がしやすい環境(きっかけ)を作り、できた後に肯定的な言葉(結果)を返す』ことです。いわば、子どもの行動を導くナビゲーションです。 行動を根本から変えるためには、「怒って無理やり止めさせる」のではなく、「叱る(正しい行動へと導く)」アプローチが不可欠なのです。 ㋑次に、行動の仕組みを、【行動の前(きっかけ)】・【行動】・【行動の後(結果)】という3つのステップで客観的に整理してみましょう。 ステップ1:「行動の前」を変える(分かりやすい『きっかけ』の提示) 「片付けなさい」という抽象的な指示は、子どもには何をすればいいか分かりにくいことがあります(先行条件の不足)。 言葉をかける前に、まず「おもちゃの写真を貼った箱」を用意するなど、目で見える『きっかけ』を作ります。その上で、「このミニカーを、写真の箱に入れます」と、今やるべき具体的な行動を1つだけ静かなトーンで伝えます。 ステップ2:人格ではなく「いま、目に見える行動」だけを切り取る カッとなったときほど、「どうしていつも〜」「悪い子ね」と、子どもの過去や人格を責めてしまいがちです。これらは行動を変える役に立ちません。 修正したい「いま、この瞬間の行動」だけをピンポイントで、感情を乗せずに淡々と伝えます。 ×「早くしなさい!本当にだらしないんだから!」(怒る) ◯「おもちゃを箱に入れます。やり方はこうだよ(手本を見せる)」(叱る・促す) ステップ3:「行動の後」を変える(できた瞬間の『ご褒美』) ここが一番大切なポイントです。お子さんがおもちゃを1つでも箱に入れたら、間髪入れずに「箱に入れられたね!ありがとう!」と具体的に褒めます。 行動の直後に「褒められる(認めてもらえる)」という良い結果が伴うことで、子どもの脳は「あ、この行動をするといいことがあるんだ」と学習し、次回から自発的にお片付けをする確率がぐっと高まります。 ④ 最後に 当施設に通うBくん、保護者の方からパニックになると手に負えないんです、どうしていいかわかりませんと相談されていました。 実際、以前はお片付けの時間になると、おもちゃを投げたり大声をあげたりして暴れていました。 そこで、私たちは危険な行動を制止することはあっても、「怒る」ということを一切せず、ただ「こうしてほしい行動」だけを伝えるようにしていました。そして、玩具を投げずに箱に入れる、大声でなく落ち着いて話すことができた瞬間に褒めること(行動の後)を徹底して行うことにしました。 今では、時間になると自分から進んでお片付けができるようになっています。 「怒る」を「叱る(行動のナビゲート)」に変えることは、職人技ではなく、仕組みの工夫です。 お子さまと関わる時の参考にしていただければ幸いです。 では、また(^^)/ くるみの日々の活動はInstagramで! @KURUMI_DAYSERVICE

教室の毎日
26/06/25 13:55 公開

6月の「急な行き渋り」や「こだわり」の正体

1. この時期にありがちなエピソード 4月、5月は新しい環境の中でそれなりに張り切って通えていたのに、6月に入り、雨の日が増えてから急にお子さんの様子が変わった……と悩んでいませんか? •「朝、玄関から一歩も動こうとせず、激しく行き渋る」 •「おもちゃの並べ方に異常なほど固執し、1ミリでもズレると泣いて怒る」 進級から2ヶ月も経った今になって、急に頑固さやワガママが増えたように見える我が子を前に、「せっかく慣れてきたのに、どうして?」と、お家の方も焦りや疲れを感じやすいのがこの時期です。 2. 背景 なぜ、6月にこれが起きるのか。理由は「2ヶ月分の緊張の反動(心のエネルギー切れ)」と、「梅雨特有の気候によるアンテナ(感覚)の乱れ」です。 子どもたちはこの2ヶ月間、新しい先生や教室、新しいルールに、本人なりに全力で適応しようと緊張の糸を張り詰めて過ごしてきました。その反動が出やすいのがこの6月です。 さらに、雨の音やジメジメした空気、気圧の変化は、私たちが想像する以上にお子さんたちの脳に強いストレス(不快感)を与えています。 外側からの刺激が多すぎて脳がパンクしそうになったとき、子どもたちは本能的に「脳の防衛スイッチ」を入れます。それが、一見困った行動に見える「強いこだわり」や「いつもと同じへの固執」です。 いつもと同じ道、いつもと同じ並べ方。「100%予測できること」だけに没頭することで、子どもは脳に入ってくる不快な刺激をシャットアウトし、必死に自分の心を落ち着かせようとしています。つまり、この時期のこだわりは、決して後退やわがままなどではなく、「自分のストレスを自分でコントロールしようとしている、優れた自己防衛能力(生きる強み)」なのです。 3. 解決のヒント 脳が必死に戦っているこの時期に、「早くしなさい」「もうおしまい」とこだわりを無理に引き剥がすのは、逆効果になります。支援の現場でも、6月は「変化を促す」のではなく、あえて「徹底的にワンパターンに付き合う」という環境調整を行います。ご家庭で試していただきたい2つのステップです。 •ステップ1:「こだわり」をあえて毎日の儀式として公認する ミニカーを並べ始めたら、「今は心を落ち着かせる時間なんだな」と捉え、「きれいに並んだね」と声をかけ、満足するまでやらせてあげてください。「お家では自分のルールが守られる」という絶対的な安心感が、外で擦り減ったエネルギーを急速に充電します。 •ステップ2:行動の切り替えには「10分前の予告」と「お気に入りのモノ」を どうしても動かなければいけない時は、不快な雨の日を乗り切るための「安心のアンカー(錨)」を用意します。「長い針が『6』になったら、あのお気に入りの傘を持って出発しようね」と、不快な雨の移動に「見通し」と「小さなワクワク」を1ミリだけプラスして、脳のスイッチを優しく切り替えてあげます。 4. 最後に 6月のお子さんの「行き渋り」や「こだわり」は、決して後退ではありません。激しい季節の変化の中で、心が折れないように上手にブレーキをかけ、自分を守っている証拠です。 お家の中だけは、100%の味方でいてあげられる場所。 お子さんが安心して「心の充電」ができるよう、お家でのんびり過ごす時間をいつもより少しだけ増やしてみてください。 私たちは通所されるお子さんたちが、施設でも安心して過ごせるよう、個々の防衛スイッチ(こだわり)を大切に尊重しながらサポートしていきます。あせらず、この梅雨の時期を一緒に乗り越えていきましょう。 くるみの日々の活動はInstagramで! @KURUMI_DAYSERVICE

教室の毎日
26/06/06 17:43 公開

新学期の「行き渋り」や「お疲れ」の正体とは?

新しい環境、新しい先生、新しいルール。 4月、子どもたちは私たちの想像をはるかに超えるエネルギーを使い、期待と緊張のなかで過ごしています。 「朝、なかなか起きてこなくなった」「帰宅後、ささいなことでパニックになる」「以前できていたことが、急にできなくなった」 もし、お子さんにそんな変化が見られたとしても、どうか安心してください。それはわがままではなく、お子さんが「新しい環境に適応しようと、全力で戦っている証拠」なのです。 1. なぜこの時期、心は「満タン」になりやすいのか 発達に特性のあるお子さんにとって、新学期は「情報の嵐」の中にいるようなものです。 情報のオーバーロード: 掲示物の位置が変わった、教室の反響音が違う……こうした細かな変化を脳がすべて拾ってしまい、脳のメモリがいっぱいになります。 「見通し」の欠如: 「次は誰が何をするのか」が予測できない状態は、大人でいえば「常に暗闇を歩いているような不安」を伴います。 こうした「脳の疲れ」が、イライラや涙としてあふれ出しているのが、この時期の正体です。 2. 私たちが実践する「心の余白」の作り方 くるみでは、新学期特有のストレスを軽減するために、あえて「いつも通り」を徹底しています。 視覚的な安心感: 「今日はこれをするよ」というスケジュールをイラストで示し、脳が予測できる状態を作ります。 成功体験のハードルを下げる: 「指示通りに動く」ことよりも、「リラックスして過ごせた」ことを最大級に評価します。 「自分は自分でいいんだ」と思える力(自己肯定感): できないことを探すのではなく、新しい環境に身を置いていること自体を認め、言葉にして伝えています。 3. 今日からご家庭でできる関わり方 学校や施設で一日中頑張ってきたお子さんに、お家でできる最も効果的なケア。それは「積極的な、何もしない時間の確保」です。 「お家を『充電器』にする」 :外で刺激を浴び続けたお子さんの脳は、バッテリー切れ寸前です。 「今日どうだった?」と聞きすぎない: 振り返ることもエネルギーを使います。 好きなことに没頭させる: 好きな動画や遊びは、お子さんにとっての「心のサプリメント」です。 1回の注意に3回の称賛を: 「着替えができたね」「座れたね」と、当たり前のことを言葉にするだけで、お子さんの心は満たされていきます。 私たちは、共に歩む伴走者です 新学期の波を乗り越えるスピードは、一人ひとり違って当たり前です。少し進んで、二歩下がるような日があっても大丈夫。その「二歩下がった場所」で、私たちはしっかりとお子さんを受け止めます。 保護者の皆さまも、一人で抱え込まず、ぜひ私たちに「最近の困りごと」をこぼしてください。お子さんの成長を信じるために、まずは大人が「休む」ことも、立派な療育のひとつです。 今月も、お子さんのペースを大切に、一歩ずつ一緒に歩んでいきましょう。

教室の毎日
26/04/15 18:36 公開
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