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「ちょうだい」はことばを育てない。「見て!」がことばを育てる

◆なぜ「共有」がそれほど重要なのか

 ASDのお子さまには「要求のためのコミュニケーション」は比較的得意な一方、「共有のためのコミュニケーション」が育ちにくいのですが、この違いが言語発達にどう影響するかを、研究データとともにお伝えします。

◆23件の研究が示したデータ

 Harbison et al.(2017)による23件の研究を対象としたメタ分析では、興味深い結果が示されました。宣言的コミュニケーション(共有のためのやりとり)は言語能力と有意な相関を示した一方、命令的コミュニケーション(要求のためのやりとり)とは関連が認められなかったのです。

 端的に言えば、「ちょうだい」はことばを育てず、「見て!」がことばを育てるということです。

 要求が通れば目的が達成されるため、ことばを使う必然性が生まれにくい。一方、「一緒に見て!これ面白い!」という共有のやりとりは、相手の反応を待ち、気持ちを受け取り、また返す——この双方向のやりとりの繰り返しが、ことばを使う動機と能力を同時に育てていくのです。

◆「要求に応える」から「一緒に楽しむ」へ

 ではご家庭でどんなことができるでしょうか。大切なのは、関わり方の小さなシフトです。お子さまの要求に応えるだけでなく、一緒に同じものを見る・同じことに驚く・同じ気持ちを共有する——こうした体験を日常の中に意識的に増やしていくことが、宣言的コミュニケーションの芽を育てます。
 
 ただしこのアプローチは、お子さまの発達段階や特性に応じた設計が必要です。「一緒に楽しもうとしても、なかなか難しい」と感じている場合は、専門的な視点からのアプローチが効果的です。親が「道具」ではなく「一緒にいる人」として認識されるための関わり方は、言語療育の中で丁寧に育てることができます。

◆相模原市でASD・ことばの発達支援をお考えの方へ

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